旧安藤家住宅　主屋・離れ・土蔵（きゅうあんどうけじゅうたく　おもや・はなれ・どぞう）

国登録有形文化財

竹原化学工業株式会社

材木町

令和7年11月17日

旧安藤家住宅は淡路島の岩屋港との航路の発着地である明石港西部の材木町に所在します。明石で米穀商や銀行などを営んだ平野家の邸宅として大正11年（1922）に建てられました。その後、製粉業などを営んだ安藤家の住宅として昭和40年代まで使用されました。主屋は角地に建つ2階建入母屋造平桟瓦葺で、1階正面は犬矢来構え、2階外壁は漆喰外壁で定規筋を付し、一部軒先を銅板葺とします。2階隅を洋室とし縦長窓を設けています。1階から立上げた巨大な袖卯建が目を惹く豪壮な構えの町家です。離れは主屋南東に位置します。平屋建片入母屋桟瓦葺、一部軒先銅板葺とした南北棟で、南西で主屋廊下に接続します。北面に縁を付し、室内は大壁で洋風を基調としつつ、縁境に煤竹格子の欄間や丸窓などを配し、和風を加味した建築です。土蔵は主屋南西に位置する家財蔵で、切石積基壇に建つ2階建切妻造妻入で戸口を設けています。外壁は漆喰塗で軒まで塗込め、鉢巻を廻らし、腰は高く竪板を張ります。通りに面した重厚な外観で、地域の歴史的な景観を形成しています。

旧安藤家住宅主屋

旧安藤家住宅離れ

旧安藤家住宅土蔵