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更新日:2024年1月12日

【2類】結核

結核は過去の病気ではありません

 昭和20年代まで「国民病」や「亡国病」と呼ばれ、日本人の死亡原因の第一位であった『結核』も、医療技術や生活水準の向上で治る病気となり、患者数は減りつづけてきました。
 しかし、現代でも日本では毎年約1万人以上、明石市では約40人が結核を発病しており、国内最大の感染症となっています。特に高齢になるほど咳や痰といった自覚症状が乏しくなり、結核だとすぐにわからない場合もあり注意が必要です(結核を発病した人の約4割が80歳以上の高齢者です)。

1 結核とは

 『結核』とは、結核菌によって主に肺に炎症(約8割)が起きる病気です。
 初期の症状は風邪と似ていますが、「咳」・「痰」・「発熱」などの症状が長く続くのが特徴です。また、「体重が減る」・「食欲がない」・「寝汗をかく」などの症状もあります。
 上記のような症状が2週間以上続く場合は、結核に感染している可能性を踏まえ、まずは、かかりつけ医やお近くの医療機関を受診しましょう。
 なお、肺以外の臓器が冒される場合もあり、腎臓・リンパ節・骨・脳など体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります(肺外結核)。

2 感染経路

 「飛沫感染」「空気感染」により感染します。
 菌を出している肺結核患者の咳やくしゃみのしぶきと一緒に、結核菌が空気中に飛び散り、それを直接吸い込むことで感染します(飛沫感染)。
 また、乾燥した室内で、小さなしぶきの水分が蒸発して空気中に菌が浮遊しているものを吸い込んでも感染します(空気感染)。

3 発病の仕組み

 「感染」してもすべての人が「発病」するわけではありません。「発病」とは感染した後、結核菌が活動を始め、菌が増殖して体の組織を冒していくことです。症状が進むと、咳や痰と共に、菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります。感染した人が発病する確率は10~20%といわれています。
 健康であれば、免疫の働きによって結核菌を抑え込んでしまい、発病することなく一生を過ごすことができます。
 加齢・糖尿病・低栄養などや、ストレス・睡眠不足・過労などにより免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病することがあります。
 発病していない人も、結核の薬を数か月間飲むことで発病を予防できます(潜在性結核感染症)。

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4 予防のポイント

(1)日々の健康管理

 以下1~5に示す健康的な生活が免疫力を高め、結核の予防に繋がります。

  1. 適度な運動
  2. 十分な睡眠
  3. バランスの良い食事
  4. タバコを吸わない
  5. 定期健診

 また、早期発見が重症化を防ぎ、周囲への感染予防につながります。
 症状がなくても、定期的(特に高齢者は毎年)に検診(胸部X線検査)を受けましょう。検診の受診方法は(こちら)から。

(2)BCG予防接種

 BCGは、結核の発病や重症化を防ぐワクチンです。
 乳幼児は抵抗力が弱く、結核菌に感染すると髄膜炎や全身性の結核など重症化することが多いので、接種しましょう。乳幼児のBCG接種方法は(こちら)から。
 ※ BCGの結核予防効果は10~10数年とされており、小児の結核予防には効果がありますが、成人の結核予防効果は50%程度と高くないとされています。

5 治療方法

 病状や排菌状況によっては「入院」になる場合もありますが、排菌していない場合は「通院治療」となります。入院となった場合は、排菌が停止して他の人にうつさなくなったことが確認されるまでです(通常は2ヶ月程度ですが病状や経過によって異なります)。
 結核と診断されても、複数の薬を6ヶ月~9ヶ月、毎日きちんと飲めば治ります。
 しかし、症状がなくなったからといって服薬を止めてはいけません。結核菌が抵抗力をつけ、薬が効かない結核菌になる危険性があります。
 治療に当たっては、治療が確実に行われるよう、医療機関と保健所が協力して服薬を見守ります(これを「日本版DOTS」といいます)。
 治療終了後2年間は再発しやすい時期といわれており、2年間は半年毎に胸部X線検査を行い、経過を確認します。

6 外来・入院医療費

 感染症法に基づき、医療費の一部(または全額)を公費負担する制度(以下表のとおり)があります。
 なお、公費負担にあたっては、保健所が課税状況等を確認しますので、あらかじめご了承ください。
 診断医療機関においては、本ページ下部にある関連リンク(結核医療費公費負担制度について)から、様式をダウンロードのうえ、保健所まで提出いただきますようお願いします。

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7 接触者健診(濃厚接触者への対応)

 結核は、すべての患者が人に感染させるわけではありません。
 患者が、周囲の人に感染させる可能性がある場合、保健所は患者本人の病状や接触状況などを考慮し、「接触者健診」を計画し実施します。
 なお、結核菌の増殖には時間がかかる為、周囲の人への健診が実施される場合、感染源の患者が結核と診断されてから1~2ヵ月後くらいになることもあります。接触者健診の目的は、「感染」と「発病」を見つけることです。
 健診方法は「ツベルクリン反応検査」や「インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)」などの他、「胸部X線撮影」を行う場合があります。
 健診の結果、感染していると診断された場合は、抗結核薬による治療を行うことがあります。

接触者検診リスト(様式)

‣結核患者接触者 名簿一覧(エクセル:77KB)

8 市内の発生状況

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お問い合わせ

明石市福祉局あかし保健所保健予防課

明石市大久保町ゆりのき通1丁目4-7 あかし保健所

電話番号:078-918-5421

ファックス:078-918-5441