更新日:2022年4月1日
社会とのつながり・こころの健康
高齢期は体力や意欲が低下し、外出や他社との交流の機会が減ることで、閉じこもりやうつ病、認知症の発症リスクが高まります。役割を持ち趣味を楽しむなど社会や地域とのかかわりを保ち、自分に合った健康づくりに取り組みましょう。
閉じこもりとは
「閉じこもり」とは、1日のほとんどを家で過ごし、外出できる状態であるにも関わらず家から外に出ない状況のことです。閉じこもりがちな生活が続くと、活動量が減り、体を動かさないことで筋力や食欲が低下し、生活不活発病(生活が不活発なことが原因で心身の機能低下)が生じ、さらにその状態続くことで要介護状態となる恐れがあります。
閉じこもりの原因と影響
身体的な問題
- 転倒や骨折で歩行が困難
- 低栄養で体力がない
- 難聴で会話が楽しめない
心理的な問題
- 転倒に対する恐怖心
- 身近な人と死別し、やる気が起こらない
- いろいろなことに興味がなくなった
社会環境の問題
- 家の周辺の交通量が多い

- 家の段差が多く外に出られない
- 仲間や友人が少ない
- 規則正しい生活リズムを作りましょう。
起床や就寝時間を一定にし、3食の食事をしっかり食べるなどの基本的な生活リズムを大事にしましょう。
- 生活空間を少しずつ屋外に広げていきましょう。
自分の生活空間をベッド周りの自室から家の中に、そして家の敷地内から屋外にというように、外での楽しみを見つけながら広げていきましょう。
- こまめにからだを動かし、外に出る機会を作りましょう。
掃除や洗濯などの家事や、庭・畑仕事・買い物などを積極的に行い、こまめに出かけましょう。散歩やウォーキングなど、手軽に実行できることを日々の生活に取り入れましょう。
- 趣味を楽しみ、ボランティア活動に参加しましょう。
趣味を持つことで仲間と出会えるきっかけになり、人間関係が広がります。またこれまでに得た知識や経験などを活かして、自分が出来そうなボランティア活動に参加するなど、地域との繋がりを持ちましょう。
- 地域の福祉サービスや情報を利用しましょう。
外出が困難な人は、さまざまな市のサービスを利用しましょう。
身近なところにある活動の場や、集いの場を知りたい人は、お住まいの地域を担当する地域総合支援センターにおたずねください。
高齢期のうつ病
高年期は心身の衰えを感じたり、病気を発症することが多くなります。また配偶者や友人との死別など、身近な人を失う経験、仕事や家庭での役割がなくなるなど、喪失感を抱くような出来事が多くなります。高齢期になるとこのような体験がきっかけとなり「うつ病」を発症する場合があります。
うつ病の症状としては、憂うつ、気分が落ち込む、病気ではないかと悩むなどのこころの不調、食欲がない、頭が重い、睡眠障害(寝つけない、熟睡感がない)などの身体の不調があります。

高齢期のうつ病の特徴・予防
- 発症前に何らかのきっかけ(配偶者との離別などの大きなストレス)がある場合が多く、きっかけを境に、睡眠障害や食欲・活動意欲・集中力の低下などがみられ、自宅に閉じこもりがちになります。集中力が低下することで物事をうまく覚えられなくなる症状がみられることもありますが、認知症患者は覚えられなくなっていること自体を否定するのに対し、うつ病患者は覚えられなくなったことに自覚があり、そのことに悩んで自己否定に陥りがちになります。
- 認知症の症状と似ていることがあるため、まずは医療機関に相談しましょう。
- 高齢期のうつ病予防には、孤独感を解消し、健康的な心身を保つことが重要です。閉じこもり予防を参考に、自分にあった健康づくりに取り組み、社会参加を含めた地域との関わりを大切にしましょう。