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ページ番号 : 26373

更新日:2025年2月20日

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施政方針・所信表明

市政運営の基本姿勢やまちづくりの取り組み方針などについて述べた施政方針・所信表明をご覧いただけます。

施政方針

2025年度 施政方針

はじめに

令和7年3月定例市議会の開会にあたり、令和7年度予算案並びに関連諸議案のご審議をお願いするに際しまして、市政運営に臨む所信を明らかにし、議員各位、市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと思います。

本年1月17日で兵庫県南部地震の発生から30年という節目を迎えました。明石市においては26名の方が亡くなられ、多くの方々が被災されました。あの時のことを決して忘れることなく、犠牲になられた方々への哀悼の意を表するとともに、改めて、市民の命を守るという責務を果たすため、安全安心を心に刻み、市政を推進していきます。

私が市民の皆さまの信託を受けて、早2年を迎えようとしています。この間、市民や市議会議員の皆様には、市政発展のためご尽力、ご協力を賜っておりますことに厚く御礼を申し上げます。

市長就任以来、市民と共に市民目線のまちづくりを進め、市民一人ひとりが安心して暮らし、笑顔があふれるまちを目指して、市政運営に取り組んできました。多様な市民が対等な立場で対話し、自らの思いを伝え、相手の思いを聞き、そして、お互いを認め合う。こうした対話を通して、新たな気づきや共感、思いやりの心が生まれ、やさしいまちにつながります。

明石市がコミュニティ元年を宣言してから50年目を迎えた昨年、新たに「共創元年」を掲げ、まちづくりの基本方針を「対話と共創」といたしました。引き続きタウンミーティングや様々なテーマでのワークショップを重ね、参加者同士の対話を通じて市民の多様な声を直接お聞きすることで、市民ニーズや地域課題がより明確になりました。さらに、市民ファシリテーターの養成や民間提案制度の創設、対話と合意形成の職員研修の実施など重層的な取組を展開し、持続可能な明石のまちを市民とともにみんなで創っていく、対話と共創の土台を築くことができた年であったと考えています。

本市を取り巻く状況

本市を取り巻く状況として、地域経済はコロナ禍からの回復の兆しが見えつつある一方で、原油価格や物価の高騰など、市民生活は依然として厳しい状況にあります。

市民が安心して生活していくためには、国や県と連携してきめ細やかに取り組んでいく必要があります。

また、全国の自治体では少子高齢化、労働人口の減少、地域活力の低下などの課題が顕著になるなか、本市においては、子育て世代を中心に転入超過が継続、12年連続で人口が増加しています。合計特殊出生率も1.65と国や県の数値を大きく上回り、コロナ前まで回復してきたところです。引き続き、まちの魅力をより一層高め、選ばれるまちとなるよう取組を推進していきます。

市の財政状況は、これまで堅調に推移しているものの、社会保障関連経費の増加や老朽化した公共施設・インフラの更新、将来投資である大型プロジェクトの推進など、今後、多額の財政負担が見込まれます。

市民生活の安心と市民サービスの向上、まちの持続的な発展には、限られた財源をより効果的、効率的に配分・活用するとともに、将来を見据えた中長期の視点に基づく持続可能な財政運営に取り組んでいかなければなりません。

2025年度のまちづくりの基本方針

こうした状況を踏まえ、「SDGs未来安心都市・明石」の実現に向けて、課題を先送りせず、市民と共にまちを創っていくため、新年度のまちづくりの基本方針を「対話と共創でつくる“もっと”やさしいまち明石」としています。

これまで取り組んできた「こどもを核としたまちづくり」、「誰にもやさしいまちづくり」を更に深化させるとともに、まちづくりの各場面での対話と共創を通じて、多様な市民ニーズに寄り添い、

きめ細やかな取組を様々な分野において市民目線で展開することで、市民生活に更なる「安心」が生まれる「“もっと”やさしいまち明石」を目指し、市民の笑顔があふれるまちを実現していきます。

2025年度予算における4つの視点

そこで、2025年度は、4つの視点に基づいてまちづくりを推進します。

1つ目は、「対話と共創(コ・クリエーション)のまちづくり」です。

“もっと”やさしいまち明石をまちのみんなで創っていくため、「対話と共創」を第2ステージへと進めていきます。

対話と共創を軸に、市にいただく様々な声を踏まえながら、課題解決やより良い施策展開に向けて、市民と共に考え、みんなでまちを創っていきます。

タウンミーティングやワークショップ、民間提案制度に加え、新たに対話と共創の機運醸成に向けた「(仮称)対話と共創のウィーク」の開催や、産官学民の多様な主体が参画する「(仮称)共創プラットフォーム」を構築するなど、イノベーティブな共創の取組を展開していきます。

2つ目は、「環境と経済の好循環のまちづくり」です。

環境を良くすることが経済を発展させ、経済の活性化が環境を改善する「環境と経済の好循環」に取り組むことで、本市の豊かな自然環境の保全と地域経済・地域産業の活性化を図り、持続可能なまちづくりを推進します。

3つ目は、「市民にやさしいDXの推進」です。

市民サービスの充実や行政運営の効率化を図るため、AI・IoTなどの先端技術の積極的な活用を進め、市民の暮らしや行政等のあらゆる分野でDXを強力に推進していきます。

4つ目は、「あかしSDGs後期戦略計画の策定」です。

まちづくりの戦略計画である、あかしSDGs前期戦略計画が2025年度までの計画であることから、後期戦略計画の策定に取り組み、 “もっと”やさしいまち明石を計画的に推進していきます。

分野ごとの重点的な取組

新年度は、まちづくりの基本方針と4つの視点の下、5つの施策展開の柱を掲げ、取組を進めます。

1つ目の柱は、「安全安心のまちづくり」です。

市民の安全安心な暮らしを確保するため、南海トラフ巨大地震や台風をはじめとする自然災害への対応やインフラの計画的な整備など、ソフト・ハードの両面から取組を推進します。

昨年1月の能登半島地震でも課題となった避難所に関して、多様な被災者への配慮と市民ニーズに対応し、高齢者や障害者、女性、乳幼児に加えて、新たにペットにも配慮した避難生活を送れるよう備蓄物資を拡充するほか、空きスペースが十分でない小中学校に備蓄倉庫を整備します。

また、要配慮者に対する個別避難計画の作成やひなんサポーターの養成、福祉避難所の拡充を進めるとともに、新たに医療的ケア児等が安心して避難できるよう発電機や蓄電池を配備します。

災害時の拠点となる「市役所新庁舎」は、2028年度の供用開始を目指して立体駐車場の解体工事を進めるほか、庁舎の建設工事に着手します。「新中崎分署」についても、2027年度の供用開始を目指して、同じく建設工事に着手します。

昨今、全国各地で凶悪事件が相次ぐなど、地域の防犯力向上が急がれることから、自治会等における防犯カメラの設置を更に促進するため、補助額の上限を引き上げます。また、市直営の防犯カメラを順次更新・ネットワーク化するとともに、増設を図ります。さらに、新たに市内全中学校に防犯カメラを設置します。

都市基盤整備については、「安全で利便性の高い幹線道路の整備」として、山手環状線大窪工区と江井ヶ島松陰新田線の2路線について、いずれも2026年度の供用開始を目指して取り組みます。

「鉄道施設における安全対策」としては、JR大久保駅東側に位置する「板額踏切」について、踏切内歩道の設置に向けてJRと協議を進め、現況調査等に取り組みます。「山陽電鉄藤江駅」では、階段のスロープ化やバリアフリートイレの整備など駅のバリアフリー化を進めるとともに、踏切の拡幅、自転車駐輪場の整備等を進め、2027年度の供用開始を目指します。

「安全安心な水道水の安定供給」については、明石川河川水からの水源転換に向け、本年4月より阪神水道企業団からの受水を開始します。

「有機フッ素化合物PFASへの対応」としては、河川等の水質検査を強化するほか、あかし保健所にて引き続き健康相談を実施し、市民一人ひとりの不安に寄り添うとともに、国や神戸市とも連携して、必要な対策等に取り組みます。

「市立市民病院」については、有識者会議の検討内容を踏まえ、市の基本方針を定めるとともに、市民病院が担うべき医療機能や規模、再整備手法等について更なる具体化を図るため、基本構想の策定に着手します。

「救急安心センター事業#7119」については、急な病気や怪我により救急車を呼ぶべきかどうか判断を迷った際の相談窓口として、24時間365日、専門家が電話で相談に応じる事業を新たに兵庫県及び県内各市町と連携して実施します。

2つ目の柱は「こどもを核としたまちづくり」です。

「こどもまんなか社会」の実現に向け、明石独自の5つの無償化の継続に加え、生きる力を育み、未来に夢が持てるよう多様な学びの保障や子育て環境の充実など、こども一人ひとりに寄り添うきめ細やかな取組を拡大していきます。

まず、こどもたちをはじめ、市民の皆様から多くのご要望をいただいている「体育館における空調整備」について、安全安心な教育環境の提供と避難所としての機能強化を図るため、全中学校及び明石商業高等学校の体育館に空調を整備し、本年7月からの稼働を目指します。また、民間提案制度による試行的な取組として、体育館に遮熱シートを設置し、効果検証を行った上で他校への導入を検討します。

近年増加傾向にある不登校児童・生徒への支援については、学校内の多様な居場所の1つである校内フリースペースを、全中学校及び7小学校に加えて、新たに7小学校に設置し、計14小学校に拡充し、学習や生活支援を行う居場所サポーターを配置します。また、フリースクール等の民間施設に通うこどものご家庭に利用料の助成を行うとともに、公設民営のフリースペースを市内2か所で運営します。

こども・若者の健やかな成長を応援する取組として、「公園を活用したプレーパーク」については、実施回数を増やすほか、こどもが自由に遊ぶ環境をつくるプレーワーカーの育成に取り組むとともに、市民団体等による自主的な開催を支援するため、補助金制度を創設します。

「こども若者交流施設あかしユースポート」については、小中高生の交流促進や居場所を確保するため、こども第三の居場所である西部施設内に、音楽や学習、イベントなどの多様な活動ができるスペースを本年4月に開設します。

「こども計画」については、こども基本法に基づく(仮称)あかし版こども計画の策定を目指して、ワークショップの開催、意識調査の実施、オンラインによる常設の意見聴取フォームの整備など、こども・若者自身による計画の策定に取り組みます。

「学校給食」においては、地元産の食材や有機食材を活用した献立の提供を進めるほか、大学と連携し、生産者の顔が分かる動画を作成、児童への食育を進めていきます。また、食材価格の高騰に直面するなか、保護者の負担軽減を図るため、国の交付金を活用し食材価格上昇分について公費助成を実施します。

「こども夢応援プロジェクト」については、物価高騰による市民生活の状況を踏まえ、国の交付金を活用し、定員を150名とした上で、高校進学に係る給付型奨学金の支給と学習・生活支援に取り組みます。

「妊娠・子育てまるごと寄り添い支援」として、乳児の健康状態を早期に把握し、疾病等の早期発見と適切な指導を行うため、新たに1か月児健康診査費用の助成を行うとともに、就学前児童の発達状況や特性を早期把握し、適切な支援につなげるため、5歳児健康診査の拡充を図ります。

「医療的ケア児への支援」については、相談窓口に看護師等を配置し、関係機関と連携を図りながら専門相談に応じるほか、市内各地での保護者交流会の開催や支援ハンドブックの改訂を行うなど、ライフステージに応じた切れ目のない支援に取り組みます。

「病児・病後児保育」については、新たに1施設の開設を目指すほか、既存施設の定員を増やすことで、受入枠の拡充を図ります。

「公立保育施設におけるICT化」については、タブレット端末の配備とアプリ上で出欠等の連絡やこどもの状態、活動の記録等を園と保護者が共有できるシステムの活用を進めます。

質の高い教育環境の整備のため、「公立幼稚園における5歳児クラス」を、国の幼稚園設置基準で定められている1学級35人以下の学級編成から、市独自で30人以下の学級編成とします。

「学校プールの老朽化対応」については、新たに清水小学校において民間委託を試行実施するほか、朝霧小学校では、プールの全面改築に向けた設計を実施します。

「明石養護学校」においては、児童生徒数の増加に伴う教室不足に備えるため、新たに校舎の整備を進めるほか、安全安心な水泳授業を提供するため、新たにプールリフトを備える総合福祉センターでの実施に取り組みます。

3つ目の柱は「インクルーシブのまちづくり」です。

誰もが「ありのままの自分」で居られる、支え合い安心して暮らせるやさしい共生社会の実現を図るため、あかしインクルーシブ条例などに基づき、すべての人にやさしい取組を一層推進します。

「福祉施設の環境整備」については、福祉施設におけるDX化を推進するため、ICT機器や介護ロボットの導入支援を図るとともに、ICタグによる見守り環境の整備を進めます。また、福祉事業所に勤務する職員及び法人に、研修や試験費用の助成を行うほか、市主催による研修、就職説明会等を開催します。さらに、グループホーム等の整備補助に取り組むほか、定期巡回サービス事業者の参入促進を図ります。加えて、物価高騰による事業者の負担軽減を図るため、国の交付金を活用し、支援金を支給します。

「強度行動障害のある人への支援」について、強度行動障害のある方を受け入れるグループホームが国の定める報酬体系以上の人員を配置し、専門的な支援を実施する場合、新たに市独自で施設運営費の加算を行います。

「障害のある方に対する日常生活用具の給付」については、新たに暗所視支援眼鏡の給付を行うほか、紙おむつの給付要件を緩和します。

「当事者参画によるバリアフリーの推進」については、明石市ユニバーサルデザインのまちづくり実行計画で定められた移動等円滑化促進地区のうち、明石地区で基本構想の策定に着手するほか、インクルーシブアドバイザー制度の利用促進等を図ることで、ソフト・ハードの両面から、バリアフリー環境の整備を進めます。

心身ともに健康で安心した生活に向けた取組として、「帯状疱疹ワクチン」について、本年4月より65歳以上の市民を対象に予防接種法に基づく定期接種に位置付けられることから、本市の接種体制を整備するとともに、国による定期接種の対象とならない50歳から60歳までの市民に、任意接種費用の助成を行います。

「認知症施策」については、引き続き、あかしオレンジサポーターの養成や認知症あんしんプロジェクトを推進するほか、新たな官民連携の取組として、民間提案制度で採択した見守りサービスの導入について検討を行います。

「敬老優待乗車証事業」については、乗車運賃の値上げが進むなか、路線バス及びたこバスに係る現行の負担額を引き続き、維持するとともに、タクシー利用券については、市制施行100周年の記念事業やコロナ禍の支援という目的を終えたため、従前の交付額に戻します。

「DV被害者及び困難な問題を抱える女性への支援」については、新たに緊急一時保護決定前の宿泊支援や市営住宅を活用したステップハウスの本格運用に取り組みます。

4つ目の柱は「豊かな自然を活かしたまちづくり」です。

「気候非常事態宣言」に基づく「ゼロ・カーボンあかし」の推進と「ゼロ・ウェイストあかし」に向けた資源循環、ごみ減量、そして、豊かな自然環境を次世代につなぐための「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた取組の3つの施策を、「あかし サスティナブル スリー」として持続可能なまちづくりに取り組みます。

まず、「脱炭素社会、ゼロ・カーボンあかしの実現に向けた取組」です。

環境と経済の好循環によるまちづくりとして、新たに事業者向けの脱炭素経営支援制度を創設します。同制度は、各事業者の取組段階に応じた伴走支援を行うもので、同制度の創設にあたり、補助金等の支援メニューを拡充します。

また、家庭向けの脱炭素化設備の導入支援について、太陽光発電設備等を設置または設置されている住居を購入した市民に対して補助を実施します。

さらに、公共施設の脱炭素化の取組として、災害時の避難所となる学校施設に太陽光発電設備を設置します。

次に、「ゼロ・ウェイストあかしの取組」です。ゼロ・カーボンにも寄与する循環型社会の実現のため、ごみ処理費用を価格転嫁しない単純指定ごみ袋の導入に向けて、袋の規格やデザインを検討します。

また、ごみ減量の取組として、家庭用生ごみ処理機等の助成を行うとともに、小学校では生ごみ処理機の導入に向けたパイロット事業を実施します。

さらに、小学生用ごみ学習本の再編を行うほか、紙類の再資源化を推進していきます。

「ネイチャーポジティブの実現に向けた取組」については、新たに「(仮称)水とみどりでつながる あかしネイチャーポジティブ宣言」を行うほか、生物多様性あかし戦略の改定や教育現場との連携による環境教育の推進、大久保北部市有地における里山の環境整備などに取り組みます。さらに、神戸市との連携協定に基づき、生物多様性フォーラムを開催するほか、特定外来生物の防除など両市の生物多様性を守り育くむ取り組みを行います。

「新ごみ処理施設」については、整備・運営事業者の選定や旧大久保清掃工場の解体工事に着手するなど、2031年度の供用開始に向けて取組を進めていきます。

5つ目の柱は「にぎわいのあるまちづくり」です。

まちの持続可能な発展につながる地域産業の更なる振興や地域の活力と交流を生み出すまちづくりプロジェクトの推進、大蔵海岸の魅力向上など、まちの元気や魅力の創出に取り組みます。

「大蔵海岸」については、世界一のビーチスポーツスポットとするため、新たに(仮称)大蔵海岸みらいプロジェクトを立ち上げ、魅力向上に向けた更なる検討を進めるとともに、ベビールームやシャワー施設等の施設改修を進めます。

また、神戸マラソンのコースが大蔵海岸まで延伸されることから、実行委員会等と連携・協力し、安全安心な大会運営に取り組むほか、ビーチスポーツイベントや障害のある人の海水浴体験会を開催するなど、にぎわい創出と更なる魅力発信に取り組みます。

「本のまち明石の取組」については、地域の方々に様々なアイデアをいただき、共に考え、創ってきた二見図書館(ふたみん)が本年4月にイトーヨーカドー明石店内に開館します。誰もが買い物ついでに気軽に立ち寄りたくなる図書館をコンセプトに、交流や情報交換ができる空間、リビング&ライブラリーを創出するとともに、これからも地域の方々に育てていただき進化する図書館としていきます。また、現在策定中の本のまちビジョンに基づく施策展開を一層推進するため、シンポジウムを開催するなど、市民への周知を図ります。

「西明石地区の活性化」について、まず、西明石駅南地区整備事業としてJR西日本と連携し、駅ビルや改札、駅前広場、駐輪場、西明石地域交流センターicottoの整備を、2026年度の供用開始に向けて取り組むとともに、アクセス道路の用地取得等を進めていきます。また、上ケ池公園を西明石北エリアのハブ拠点とするため、地域住民とともに公園の魅力向上に取り組みます。

「大久保駅周辺市有地」については、中部地区保健福祉センター用地の利活用に関する基本計画の策定に取り組みます。JT跡地公共公益施設用地については、一部暫定利用を図りながら利活用方策を検討していきます。

「スマートインターチェンジ」については、石ヶ谷公園における梅林保全を前提に整備ルートや総事業費を調査・検討していきます。

「旧市立図書館跡地」については、県立明石公園内の旧市立図書館の解体工事に着手するとともに、新施設の整備に向けてワークショップ等を開催するなど、市民、県民のご意見やアイデアもいただきながら2027年度の供用開始を目指します。

「明石駅前広場歩行者デッキ」については、明石駅前の既設ペデストリアンデッキを駅東側の商業施設まで延伸するため、測量や設計を行います。

「明石市観光振興基本構想」については、来街者や市内観光事業者のニーズ、現状把握のため、新たに調査を行います。

「天文科学館」については、震災後のリニューアルから相当の期間が経過し、施設の老朽化による改修が必要なため、本年10月からおよそ9カ月間にわたって休館し、プラネタリウムの映像装置や音響設備の更新に加え、空調設備等の大規模改修を行います。なお、休館中は、移動式プラネタリウムの活用や館外での天文講座等を充実させ、学校園における学習機会の確保と天文科学館の魅力発信に努めます。

「文化博物館」については、市民に愛着と誇りを持ってもらえる博物館となるよう、引き続き、あり方検討会やワークショップを開催し、今後の方向性を検討した上で、ビジョンの策定を進めます。

「都市公園の魅力向上」については、明石中央体育会館において、空調機の更新やトイレの改修等に向けた実施設計に取り組むほか、市民の要望が多いバスケットボールができる空間を整備するため、地域の合意形成が図れた公園などにおいて、新たにバスケットゴールを設置します。

「中小企業に対する支援」については、若手従業員の奨学金返済を支援する中小企業に対して新たに補助を実施するほか、新商品や新サービスの開発及び販路の開拓等を支援するチャレンジ・スタートアップ事業について募集事業数を拡充するなど、中小企業支援に取り組みます。

「公設地方卸売市場」については、あり方検討会の開催やサウンディング型市場調査を実施し、市場自体の役割や機能、課題などを含めた今後のあり方について検討を行います。

「農業者への支援」については、引き続き、新規就農や経営継承等に向けた支援に取り組むほか、持続性の高い農業の実現に向けた減化学肥料等の購入費用助成を行うとともに、近年増加傾向にある有害鳥獣の被害防止に向けた取組を推進していきます。また、物価高騰に伴う酪農業者等の経営を支援するため、国の交付金を活用し、電気使用料金の助成を行います。

 「野々池貯水池」については、本市水道事業の水源転換による貯水機能の停止に伴い、貯水池の跡地利用を検討していきます。また、林崎掘割水路の維持管理等について、地元農業者との合意形成を図りながら支援を行います。

行政経営分野の取組

次に、これまで述べた取組を効率的・効果的に推進するための行政経営分野における取組です。

新年度の主な組織改正ですが、市民生活局では、あかし総合窓口と市民センターの総合的な連絡調整及び連携を図るため、新たに「市民センター室」を設置します。

環境産業局では、新ごみ処理施設の建設に係る取組が本格化することから新たに「新ごみ処理施設建設課」を設置します。

福祉局では、災害時要配慮者の個別避難計画の作成支援や地域の拠点・居場所づくりなど共生のまちづくりを効率的・効果的に推進するため、「地域共生社会室」を「福祉政策室」に統合、再編します。

都市局では、海岸業務の効率化と機能強化を図るため、「海岸・治水課」と「緑化公園課」を統合し、新たに「公園・海岸課」を設置します。

上下水道事業の安定的、効率的な事業運営と災害発生時の危機管理体制の強化等を図るため、水道事業及び下水道事業の統合を行い、水道局を「上下水道局」に変更し、局内の再編を行うほか、治水事業を都市局より移管します。

このほか所要の組織改正を行い、効率的・効果的な組織運営を目指します。

また、市役所で働くすべての職員がやりがいを感じ、市民目線で仕事ができる働きやすい職場環境を整えるため、人材の「材」を材料の「材」から、たからの「財」へとなるよう新たな人財育成の基本方針を策定します。

「市民にやさしいDXの推進」については、新たにマイナンバーカード等を活用した申請書の自動印字システムやキャッシュレス決済を本庁窓口などで導入するほか、来年度以降、約800手続きのオンライン化等に取り組むことで、「書かない窓口」「行かない窓口」の推進を図ります。

「持続可能な財政運営に向けた取組」については、財政に関する情報を市民と共有するため、昨年から進めている財政白書の策定に加えて、新年度には、(仮称)公共施設配置適正化計画の策定やネーミングライツをはじめとする新たな歳入確保、ふるさと納税の拡充、さらにPDCAサイクルに基づく歳出の削減にも取り組み、健全な財政運営を推進していきます。

新年度予算の概要

以上の方針に沿って編成いたしました令和7年度の予算総額は、

令和7年度予算総額

一般会計 1,366億 656万3000円

特別会計 702億4854万1000円

企業会計 253億7875万1000円

合計 2,322億3385万5000円 としております。

最後に

このたびご説明いたしました施策以外にも、市民生活や経済活動における様々なお困りごとにも丁寧に寄り添い、市民目線で市政を運営してきたところです。

今回ご提案させていただいた予算には、市民や議会のみなさんと共に対話を重ね、明らかになった課題の解決につながる施策も多く盛り込んでいます。

また、先月国内で起きた道路陥没事故で、全国の上下水道の老朽化対策が大きな問題となるなか、道路や上下水道といったインフラの維持管理など、市民の日常を支える取組についても、きめ細やかに目配りしながら着実に進めることで、市民生活に「安全」「安心」を届け続けていきたいと考えております。

誰一人取り残すことなく、いつまでも、安心して暮らし続けることができる「SDGs未来安心都市・明石」を実現できるよう、対話と共創を重ね、誠心誠意取り組んでいきます。

すべての市民の笑顔あふれる、“もっと”やさしい明石のまちとなるように、皆様におかれましては、引き続きお力添え賜りますよう心よりお願い申し上げます。

所信表明

2023年度 所信表明

はじめに

令和5年第2回定例会6月議会の開会に当たり、議案の提案に先立ち、市政運営に関して市長として所信の一端を申し上げます。

はじめに、議員各位におかれましては、明石市民のため、明石のまちのため、常日頃からご尽力されておられますこと、深く敬意を表します。

私は、先ごろ行われた市長選挙の結果、5月1日から、第十五代明石市長として、市政執行を担うこととなりました。市民の皆さまからの期待にしっかりお応えできるよう、これまでのまちづくりを受け継ぎ、私たちの明石をより良くしていきたいとの決意を胸に、市民に選ばれたみんなの市長としての責務を果たすべく、市民目線での市政運営を進めていく所存です。

私はこれまでも市議会議員として、つらい思いを抱える方、声をあげられない方などの思いを丁寧にお聞きしながら、市民に寄り添う姿勢で明石のまちづくりに真摯に携わってまいりました。

これからも市民目線を大切に、市民のためのまちづくりを市民とともに進めてまいりたいとの思いです。

議員各位におかれましては、ご理解とお力添えを賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 

市政運営の基本方針

明石市では、「こどもを核としたまちづくり」、「誰一人取り残さないまちづくり」を基本理念として市政運営が進められてきたことにより、まちには好循環が生まれ、市民の暮らしに安心が広がりました。

市民目線のまちづくりの継承を望む多くの市民の強い思いを受け、SDGsの理念に基づき、「いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで」をキーワードに「SDGs未来安心都市・明石」の実現を目指して、これまでのまちづくりをしっかり継承し、発展させてまいります。そのため市政運営において、次の3つの視点を大切に、取組を進めていく所存です。

一つ目は、「誰一人取り残さない」です。

明石市では、年齢・性別・障害の有無・国籍などに関わらず、誰もが住み慣れた地域で自分らしく、安心して暮らし続けることができるインクルーシブなまちづくりを重点的に進めてきましたが、支援がまだ十分に行き届いていない方々もおられます。

私たちの明石が、もっと一人ひとりに寄り添うやさしいまちになるよう、市民の声を丁寧にお聞きしながら、きめ細やかな取組を進めてまいります。

二つ目は、「持続可能な明石のまちづくり」です。

世界では、災害や感染症に強靭な社会・経済に変えていくこと、単にコロナ以前の状態に戻すのではなく、持続可能な地球環境にしていくことが重要視されています。

地球環境という大きな土台に支えられて、私たちの現代社会、経済は成り立っています。今まさに、脱炭素社会へのシフトチェンジや生態系・生物多様性の保全、すなわちグリーンリカバリーというSDGsの考えに基づいた行動が求められています。明石市でも、脱炭素社会への取組の充実や身近な自然、いのちを次世代に引き継ぐ共生の地域づくり、循環型のまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。

三つ目は、「市民とともに創るみんなのまち明石」です。

私がまちづくりを進める上で、最も大切にしているのが市民目線です。まずは、一人ひとりの市民の声を丁寧にお聞きする。その上で、必要な情報を市民と共有し、しっかり対話をしてともに考える。この積み重ねが、まちづくりには大切であると認識しています。

市民と力を合わせて、ともにまちを創っていく。そうした風土や文化を、様々な分野において醸成してまいりたいと考えています。もはや何事も行政だけで進めていく時代ではありません。市民とともに、市民目線でまちづくりを進めることで、互いに支え合う地域社会をつくり、明石のまちへの愛着を育んでいくことにもつなげてまいります。

 

重点的に推進する施策

これらの方針のもと、先の市長選挙の公約にも掲げた8つの項目につきまして、それぞれ重点施策を展開してまいりたいと考えています。

一つ目は「こども」です。まずは、こども医療費、給食費、保育料などの「明石市独自の5つの無料化」をはじめとする、これまでのこども・子育て支援をしっかりと継承し、着実に実施してまいります。さらに、新たに実施する高校生世代への市独自の児童手当の支給に加え、フリースクールをはじめ、こどもたちが安心して過ごせる居場所の拡充や児童生徒への支援の充実、生きる力を育む主体的・対話的で深い学びの推進、こどもの育ちと多様な学びを支える教育環境の改善などにも取り組んでまいります。

二つ目は「高齢者」です。住み慣れた地域で誰もが安心して暮らし続けることができるよう、たこバス無料化を継続するとともに、ひとり暮らしや支援が必要な方への見守りを拡充してまいります。また、高年クラブへの助成や高齢者のフレイル予防活動に対する支援を拡充するなど、高齢者の地域活動についてもしっかりと支援してまいります。

三つ目は「障害者」です。社会にある障壁を解消していくため、障害者配慮条例などに基づき、障害のある人が安心して暮らせる地域づくりをまちのみんなで推進してまいります。合理的配慮を提供するための環境整備や助成制度を拡充するとともに、やさしい社会に向け、インクルーシブ教育も推進してまいります。

さらに「高齢者」「障害者」など、福祉分野における総合的な人材の育成を行うとともに、グループホームなどの介護施設や障害者施設につきましても整備を促進してまいります。

四つ目は「すべての人」です。生きづらさに悩んでいる方や、世間からは見えづらく懸命に生活をつなぐ若者、支援が十分に足りていない方々など、幅広い方への支援を充実してまいります。ジェンダー平等の社会に向けた取組やLGBTQ+施策の推進、犯罪被害者支援・更生支援の拡充に加え、ひきこもり相談支援の充実、DV対策、自殺対策に向けた取組、さらにはヤングケアラーへの支援、買い物難民を含めた交通不便地域の対策にも取り組んでまいります。

五つ目は「本のまち」です。これまで進めてきた「本のまちづくり」を引き継ぎ、誰もが本に親しみ、読書を楽しむことができるよう一層の環境整備を進めてまいります。読書バリアフリーの拡充とともに、図書館の新設につきまして、引き続き、西明石、大久保、二見の3地区での整備に向けた取組を進めてまいります。

六つ目は「環境」です。明石市は、令和2年3月に「気候非常事態宣言」を表明しています。個人や企業、市役所における再生可能エネルギー活用の促進や市民参画でのごみ減量化など、脱炭素社会と循環型社会への取組をしっかりと推進してまいります。また、明石の豊かで貴重な自然環境を守り、育て、次世代へしっかりと繋いでいくため、豊かな海づくりに向けた取組に加え、里地、里山、里海の保護・保全、環境学習の推進などにも取り組んでまいります。

七つ目は「経済」です。物価高騰に直面している市民の暮らしを守るとともに、市内で働く市民や事業者による地域経済活動を支え、活性化するため、喫緊の経済対策、市民生活支援策として「市民全員サポート券の発行」を進めてまいります。また、明石駅周辺における回遊性の向上や、食の安全にもつながる持続性の高い農業、漁業への支援などにも取り組んでまいります。

八つ目は「市民」です。市民目線の市政運営を継続し、市民とともにまちづくりを進めていくに当たり、地域活動や市民活動への支援を拡充してまいります。

また、市民の命と暮らしを守るため、災害時に支援を必要とする要配慮者が安心して避難できるよう個別避難計画の策定を一層推進するなど災害対策にも取り組んでまいります。加えて、市民の利便性の向上につながるデジタル化の推進を着実に進めてまいります。

こうした8項目の重点施策をはじめ、各施策の推進に当たり、多様な市民の声を丁寧に聞くため、市長へのおたより「聞かせてみんなの声、まるちゃんポスト」を市内12カ所に設置いたしました。既に300件以上のお便りが届いており、1件1件すべてに目を通して、対応できるものは速やかに実現を図っています。

加えて、新たに専門部署として、「市民とつながる課」を設置し、市民の対話の場であるタウンミーティング「語ろうつくろう みんなの明石・まるちゃんカフェ」を開始いたしました。第1回は、「障害のある人もない人も安心して暮らせるまちに向けて」をテーマに、障害のある方や支援者、学生などが参加し、車座での対話により多様な声が集まりました。第2回は「子育て」をテーマに今月末に開催するなど、引き続き毎月1回は、各分野のテーマや地域ごとなど、幅広く対話の場を設けたいと考えています。こうした取組を積み重ね、シビックプライドを高めることで、自分たちのまちを、市民自らが主体的に創っていくことにつなげてまいります。

さらに、職員との信頼関係を構築し、ボトムアップを意識して職員と一丸となって日本一やさしい市役所を目指し、これまで以上に積極的な情報公開や情報発信も行いたいと考えており、みんなで作る財政白書の作成など、予算編成過程における市民参画などにも取り組む所存です。

 

終わりに

明石市内のすべてを鳥の目で俯瞰し、虫の目で市民に寄り添う、そんなみんなの市長でありたい。そして、今よりもっとやさしいまち明石を、市民とともに、みんなで創っていきたい。市政運営を担う責任者として、私たちの明石が、すべての人に「暮らしてよかったと思っていただけるまち」になるよう、明石市が掲げる「SDGs未来安心都市・明石」の実現に向け、着実に取組を進めていく決意です。

皆さまには、市民とともに創るまちづくりへのご協力を重ねてお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

 

 

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