明石市ジェンダー平等の実現に関する検討会 第2回(2022年3月11日) 委員提出資料1 提出委員氏名  坂 下 玲 子    明石市はSDGs未来安心都市を掲げ、SDGs推進審議会を設け、多様な市民の声を反映した長期総合都市計画を策定した。私はその会長を務めさせていただいたが、この会は、高校生から様々な年齢層を含み、女性が56%を占め、多様な当事者が参画する先進的な審議会であった。その多様性があったからこそ、「いつまでも、すべての人に、やさしいまち、みんなで」という暮らしや環境を基盤とした長期都市計画が策定できたと考える。  DEI(ダイバーシティ、エクイティ1)、インクルージョン)は、「経済発展が実現した後の贅沢」ではなく、社会が発展していくための必要戦略である。私達を取り巻く、自然・社会環境は、私達の想像を遙かに超え変化していく。その変化を乗り越え生き残るためには、画一的な発想では限界があり、多様な視点で柔軟に対応することが不可欠である。  現在の社会システムは基本的には単一のジェンダー(男性)により作られたもので、多様なジェンダーの価値観や考えは十分に反映されてこなかった。現代社会は、利潤をもとめ競争と管理が行われ、少子高齢化が進む中、人々は孤立し大きなストレスを抱え健康を損ねている。国際的にも、格差は拡大し、多国間での紛争は後を絶たず、効率や経済活動を優先した社会構造は限界を迎えているように思う。その解決の糸口は、家族の健康や生活の質向上に注力してきた女性の知恵を活かすことにあるのではないだろうか。  多様なジェンダーアイデンティティがあることを考えると、女性だけに注目すべきではないと考えるが、ジェンダーの多様性についての理解は、日本においては一般的には未だ十分でないことなどから、現時点では、まずは、人口の約半数を占める女性の意見が反映される仕組みをつくることから着手するのが現実的だと考える。 1.女性の参画を保障する制度 ・明石市行政:政府は2020年に指導的地位にある女性の割合を30%にする2)といっていたが、数値目標を掲げるだけではなく、キャリア開発できるような支援や環境作りが大切である。 ・審議会:明石市市民参画条例において、男女別の数が総数の3割を下回らないようにすることになっているのでそれを実現する。 ・市議会:女性議員が3割以上になるような仕組みをつくる → 市民の関心を高めるためにも、明石市、市議会、審議会の男女比のデータを公開してはどうか。また、市の目指すべき方向性を示す指針として、条例等の制定を検討してはどうか。 2.組織や会議の中で、構成員が発言でき、アンコンシャス・バイアスが働かないようなルール作り  ・発言機会の確保、期待する行動の明確化、アンコンシャス・バイアスの指摘(指摘を受けた人からの感謝)等 3.女性が活躍できる環境を整える  ・育児、介護、家事支援  ・偏見およびアンコンシャス・バイアスの意識化と改善  ・リーダーシップ教育  ・メンター制度 注 1)公平(Equity):一律に等しい扱いをすることではなく、個人差をきちんと考慮して、不利な立場におかれている人には、適切な対応や支援を提供することで、活躍できる機会が得られるようにすること 2)平成15 年6 月男女共同参画推進本部決定