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更新日:2018年5月7日

記者会見 平成30年(2018年)3月23日

配布資料

会見概要

明石市犯罪被害者等の支援に関する条例の改正について

市長

本日の明石市議会本会議におきまして、「明石市犯罪被害者等の支援に関する条例の改正案」が、全会一致にて成立となりました。市長として、被害者ご遺族にさらに寄り添った内容の条例にできたことを嬉しく思っております。本日は、条例検討委員会のメンバーのうち4人の方ご一緒していただいておりますが、明石市の条例の特徴を簡潔に3つお伝えすると、まず条例の作り方において、被害に遭われた方やご遺族の方々とご一緒に、そういった方々のお声をしっかりと受け止めながら、条例を作っていくという形を取っているという点です。良かれと思って行政側が作るのではなく、あくまでも被害に遭われて色んな思いをお持ちの方のお気持ちや声に寄り添う形で条例を作りたいとの思いの中で、今日お越しの方をはじめ、様々な声を受け止めながら今日に至ったと思っております。2つ目の特徴は、こういうテーマにつきましては、国が本来やるべきだという議論があります。もちろん国がさらにしっかりとやるべきだと私も思っておりますが、実際の被害者の生活を考えますと、自治体、明石市のような市町村の果たすべき役割は大変大きいと思います。そういう意味で、被害者に寄り添うような内容のテーマにつきましては、市町村こそがしっかりと責任を果たすべきだと思っておりますので、市長といたしましても、明石市において、このテーマに対してできることは、本当にしっかりやっていきたいという思いの中で条例を制定しております。よくこういう時に条例の目玉は何ですかみたいに言われるんですが、その目玉が大事ではなくて、被害に遭われた方お一人お一人の気持ちに寄り添うような内容になるように、丁寧にやっていきたいとの思いの中で今回の条例制定に至っております。そういう意味においては、市町村としての責任を果たすという観点での、総合支援的な条例だと思っています。3つ目は、このテーマにつきましては、市民の理解が不可欠であります。やはり、心無い言葉とか対応の背景には、無理解とか一定の偏見があったりします。そういう意味では、明石市については単に条例というものを作るに留まることなく、条例を作る過程で、また条例を作った後も、フォーラムを開くなど、色んな形で取り組んでまいりました。その結果、明石のまちの理解が進んできたように感じております。前回の改正時には、市議会においても全会一致ではありませんでした。反対の声もやはりあった訳であります。しかしながら、今回につきましては、市民の代表である市議会の皆様方が全員一致して明石市のこの条例を送り出していただくという形になったことにつきましては、明石のまちもこのテーマと共にやさしくなってきていると実感しています。

市民相談室長

私の方から、内容についてご説明をさせて頂きます。明石市では、平成23年に条例を制定して、平成26年に一度改正し、平成30年の今回は2回目の改正となります。今回平成30年4月施行の改正の三本柱について、まずご説明をさせていただきたいと思います。
1点目の改正ポイントは、再提訴等費用の補助でございます。これは、被害者の方が被害に遭われて、その後加害者に対する裁判を起こされる等して損害賠償の請求権が裁判、判決等で確定した場合でも、加害者から支払いがないまま10年が経ってしまうと、民法の規定によって、この判決で確定された損害賠償の権利は時効により消滅してしまいます。時効により損害賠償請求権が消滅しないようにするためには、再び被害者の方が民事裁判を起こすなどして、時効を止める、中断させる必要があります。この場合、再び裁判を起こすにあたっては、裁判所に対して、印紙代や郵券代を負担しなければなりませんが、この裁判時に支払う費用について、被害者の方がご負担されるのではなく、公である行政が補助をさせていただくというものがこの最低訴訟費用の補助、というものでございます。例えば、1億円の損害賠償請求を裁判で起こした場合には、裁判所に支払う印紙代というのは32万円というものになっております。このような高額なご負担がかかるということもあり、市の方でこの費用を補助するというものでございます。
2点目の改正のポイントが、真相究明に要する費用の補助でございます。これは、犯罪被害に遭われた方やそのご家族の方が、事件の加害者が捕まっていないとか、捕まっているけれども、ちょっと情報が分からないといったときに、情報の提供を公衆に求める、駅前等でチラシやビラを配る際にかかる費用をご自分で負担されていると伺っております。こういったチラシの作成費用につきまして、1年あたり30万円を上限として市の方で補助をするというものでございます。
3点目の改正のポイントは、立替支援金の対象の拡大でございます。平成26年4月施行の改正条例によって、損害賠償金の立替払い制度である立替支援金制度ができました。当時できたときは、立替支援金の支給の対象者が、被害者の方が亡くなられた場合と、それに準ずる場合として後遺障害等級1級から3級に該当する場合、主に寝たきりであるとか、かなり重篤な障害を負われたケースに限定をしておりました。今回の改正により、この立替支援金の支給対象者の範囲を拡大させ、従来の死亡事案はもちろんのこと、加療1ヶ月以上の重傷病を負った場合と性犯罪により被害を受けられた場合についても、立替支援金の対象と拡大したものでございます。
今回の改正では、これ以外にも支援策の充実を図っております。まず、当事者の声を受けて新たな支援策として、先ほどご説明した再提訴等支援、真相究明支援の他、基本理念の内容を追加しております。これにつきましては、被害者家族の方、被害者の方のご兄弟姉妹の方や、性犯罪被害者の方への配慮等を規定しております。これらにつきましても、有識者意見交換会で出たご意見を踏まえたものでございます。続きまして、既存支援策の充実ですけれども、1点目の日常生活支援策の申請期間の延長です。これは、被害時から原則1年だったものを、被害時から原則3年に申請期間を延ばすものでございます。また、市民要件の見直しとしましては、被害者等の生活実態を考慮するなど、柔軟な対応を図っています。刑事裁判の旅費補助の拡充では、従前は上限3万円でしたが、上限3万円では遠方の裁判所の場合、明石からの交通費として3万円以上になってしまうケースもあることから、上限5万円に引き上げを図りました。同じく、刑事裁判だけでなく民事裁判を起こす場合の旅費の補助も新たに設けております。そして、立替支援金の対象の拡大については先ほど申し上げた通りです。最後に、他の自治体で実施している支援策の導入としましては、法律ができたことにより兵庫県内では三田市が国外犯罪被害者等への支援を平成29年4月1日施行の条例で取り入れられています。明石市でも、三田市が取り入れられた支援策を導入するということで、今回の条例改正で支援対象者を国外犯罪行為による被害者にも拡大しております。具体的な対象者、金額、申請期間、支援策等は資料にまとめております。

市長

それでは、検討委員の方々から少しお話を頂きます。土師さんの方からお願いします。

土師(あすの会副代表幹事)

本日の議会で全員一致で改正犯罪被害者等の支援に関する条例が成立したということで、深く感謝して、犯罪被害者の一人として非常に喜ばしく思っております。明石市も2回の改正を経ていますが、大きな改正も当然あるんですけれども、その都度その都度細かい手直しをして、実効性の高い条例に変わっていったのではないかなと思っております。今回の場合は基本理念の中に色々重要なことはあるんですけれども、基本理念の中に私が講演等でよくお話させていただいています、被害者の兄弟姉妹のことも入れて頂いておりますので、それが非常に良かったのではないかと思っております。そういう意味で言いますと、この被害者支援条例自身、先ほども泉市長おっしゃられていましたけれども、やはり人にやさしいまちという意味で重要と思います。明石市のこの流れが、他の自治体にも広がっていってほしいなと思っております。

高松(ひょうご被害者支援センター理事)

今回、初めから参加させて頂いて、本当に私たちが経験して苦しかったことを話したことが1つ1つ組み入れられて、それがこのように本当に良い条例が出来たのかなというのが実感です。私たちの経験がなかったら、条例に入らなかったこともあり、つらかったこと経験しているから言えたのかなと思います。それから年々やっぱり私たちは歳をとってきます。それによって年々変わってきます。気持ちも変わってきたんだなというのを感じます。本当は犯罪が無い方がいいんですけれども、もし本当に犯罪が起きて、どうしましょうと言った時に、やっぱり遺族から動くのではなくて、こういう市町村からしてあげましょう、何が必要ですかと言えるような、手を差し伸べられる条例になったのかなと私は感じています。

古賀(あすの会会員)

再提訴に至った件について、お話したいと思います。再提訴にあたって、私が一番悩んだのが金銭面の問題でした。賠償金が9000千万円弱でしたので、収入印紙代が30万円、それから弁護士費用が30万円、計60万円ということを言われまして、ちょっと高かったのでびっくりしました。年金生活で暮らしておりますので、ちょっと高い壁で、白紙に戻そうかなと思っていました。そんなときにFacebookで加害者の名前のネイルショップを見つけました。それも伊丹とその他の2店舗です。それと同時に、写真の中に合同コンパの写真もありましたので、これは本人と確認しました。本人は償いもせず遊び呆けているのかと思って、怒りがこみ上げてきまして、これは白紙にしてはいかんと、再提訴を決意しました。以上が私が再提訴に至った経緯です。

曽我部(風通信舎代表)

昨年明石市内で、大きな火事がありましたが、その時、市は迅速な対応をしていただきました。その内容は、私たち犯罪被害者が市に言う内容と同じで、少額でしたらすぐ出るお金を支給とか、住宅の供給とかそういうものでした。ですから、この条例は、犯罪被害者だけのものではなく、市民のための救いのものでもあると思って頂きたいと思います。

市長

少し今の曽我部さんの話に補足させて頂きたいのですが、昨年大蔵市場で大きな火事がございました。もちろん、あの大きな火事のケースはこの条例とそのまま全く一緒という訳ではないんですが、基本的にはかなり重なる部分が多いテーマでありました。お話がありましたように、すぐにある日突然焼け出された方々に対するお住まいの確保という観点では、市としては市営住宅をすぐに確保させていただいております。また、心のケアや健康面の観点からも保健師がマンツーマンでお話を聞かせていただいたり、当面のお金として数万円ではありますが、すぐに手続きをして直接お渡しをし、一緒に当面必要な生活用品等も買いに行かさせていただくという対応も職員の方で取らせて頂きました。これも、市長が指示した訳ではなく、こういった犯罪被害者のテーマを市の職員もまちもひっくるめて対応する中で、ある日突然お困りになった方に対して市の職員としてどういった対応をすべきなのか、また、まちがどのように対応すべきなのかという観点の中で、取られた対応であると思っており、今の曽我部さんのお話にもありましたが、犯罪の被害者に対してしっかり寄り添えるまちは、違うテーマに対してもしっかりと対応できることに繋がると思っているところであります。

質疑応答

記者

まず、市長にお伺いします。最初に改正案の中で新たな支援策として導入されたものが3つあるというご説明があったと思うんですけれども、この再提訴の支援については、全国初の取り組みであるとのことですが、全国に先駆けて導入した意義とか、決意といったものはお感じになられていますか。

市長

私自身、犯罪被害者のテーマにつきましては、自分なりには強い思いを持ってきたつもりではありましたが、実際の色んなテーマを全て把握できているわけでは当然ございません。そういった中で、古賀さんとお会いする機会がございました。わざわざ古賀さんが九州から明石市役所にお越しいただいて、いろんな話をしていただきました。私自身も古賀さん自身のお話を聞く中で、理不尽な被害に遭われたご遺族の方が、新たな費用負担とエネルギーを使って、再提訴されていることにつきまして、やはりこれは行政として応援出来ないものだろうかという思いを持ったのが、非常に大きなきっかけでありました。今回、この条例の検討委員会にも古賀さんにもお入り頂きましてご意見等を賜る中、これはぜひ市としても位置付けたいという中で、今回の制度化に至ったという認識であります。私からすれば、古賀さんの思いについて、できることをしたいという中で、市議会が全会一致でそれは大事なことだと、しっかりと条例化して対応していこうという形になったということについては、本当に古賀さんの思いを1つ形にできたのかなと思っております。

曽我部

1点、被害者の立場から補足させていただきますが、全国の自治体には条例さえもできていない市町村がありますが、その中で明石市は条例を作って頂いております。条例ができていても、見直しているところはありません。明石市は被害者の皆さんが手本にしたいと思っている市でございます。そういう声を被害者の方からたくさん聞いております。

記者

古賀さんにもお伺いしたいのですが、実際に再提訴をご経験されている方として、今回の条例の改正案の内容、どういった点が助かるか、評価できるかもう少しご説明頂けますか。

古賀

まず、収入印紙代が損害賠償請求が1億円位でしたら30万円を超すということですので、この部分を公費負担にしてもらえれば、後は弁護士費用だけですから、ずいぶん再提訴するにあたっても楽になるんじゃないかと思っております。

記者

出席された委員のみなさんに伺います。条例の制定から7年が経って、その間に2回改正が行われて、その都度その都度みなさんのご意見を伺った上で、支援の項目を増やすということで、今日ここに来ている訳なんですけれども、この過程において、明石市が被害者の方、当事者の方の声をよく聴いていたかと思うんですが、そういう条例の作り方について、みなさんはどう思われていますか。

曽我部

私は基本的に犯罪被害者等基本法やこの犯罪被害者等条例、この「等」がずっと犯罪被害者だけじゃなくて、いろんな人も変えるだろうと思い、その「等」を私は考えて、いろんな人を入れてほしいというのを何回も訴えてきました。火事のときもやっぱり私が初めに放火だけじゃなくて、火事で焼け出されたりしたらどうするかと考えてみたら「等」が入っているので入れてほしいなと思っていました。だから、1つ1つ考えてみると、やっぱり犯罪被害者だけだったら少ないと思います。視野が狭いと思います。それが「等」になってるから、これはすごく色んな、わたしたちも介護したりとか、子供のこととかそういうものも入るんではないかなと思って、それを基本に私はいつも考えて、意見を言っていました。

記者

検討委員会の中でのやり取りについて、ご自身で感じられていることを教えてください。

高松

はじめこれに関わったときは、親族の介護が頭にあったもので、もしここで自分が犯罪にこれ以上遭ったときに、介護を誰がしてくれるんだろうと、そこを1番考えましたね。

記者

土師さんから、これまでの検討会を踏まえてお願いします。

土師

やはり、最初から完璧な条例っていうのを作るのは無理だろうと思うんです。その当事者の声を聴きながら、改善していくというのが現実的なやり方ではないかなと思います。実際に困っていること、こういうことしてほしい、これはほんのちょっとしたこと、例えば期間の問題でも実際1年だけにしちゃうと1年ではまだ終わらないし、できたらもうちょっと伸ばしてほしい。そういった金銭的な面で変わることではないと思うんですけれど、現実的な施策に意見を言うことができるので、それで実効性の高い条例になっているのではないかと思うので、当事者が実際にこういった話をするというのは、非常に良い事だと思っています。

記者

土師さんも今回の中で、兄弟姉妹の方への支援の検討会の中で意見として出されていたということで、この条例の改正案にそこが盛り込まれたことについて、改めてどのようなご感想をお持ちですか。

土師

実際の話として、犯罪被害者の少年事件なんかでは、被害に遭ったのが少年であれば、兄弟、その少年に兄弟姉妹がいる可能性は非常に高いと思います。この兄弟姉妹、本人もそうですけれど、忘れられた存在になっていると思っていましたので、福祉もこのあたりの改善をしていってもらえたらなと思っています。理念にきちっと入ったこと自体を評価したいなと考えています。

記者

曽我部さん、これまでの検討会のやり取りを振り返ってみて、今回改正案ができるまで、議論に関するご感想をいただきたいのですが。

曽我部

被害者の方から、こんなことで困っているということを聞いておりましたので、こういう例があるんですけども、という具体例をみなさんにお話しして、聞いていただきました。それで、取り入れられるところ、取り入れられないところについて、率直な意見の交換がありました。取り入れられないところも率直にその立場を説明していただいたことは、被害者にとっても非常に良かったと思います。

記者

市長にお伺いします。こういった条例で、例えば再提訴の補助を含めて、明石市では他の自治体には被害者もいらっしゃる訳で、その自治体の方は負担しないといけない現状が残るということについては、どのように思われますか。本来、国がしていくべきことでもあると思うんですけれど、なかなかその道のりは遠いと思うのですが。

市長

私は、明石市という一自治体の首長の立場ですから、明石市長としてできることを精いっぱいしたというのが、基本的なスタンスです。ただ、今のご質問に対する答えで言えば、犯罪被害者の支援に関しては、国も自治体もそして民間もそれぞれできることはあると強く思っています。また、それぞれに向いているテーマがあろうかと考えています。そういう意味では、本来はできるだけ国の方でしっかり制度化されて、どこの市で住んでいようが、再提訴支援だとか立替金の問題等はしてしかるべきだと私個人は思っております。もっとも、自治体としては総合支援、今回の条例にも加わりましたが、既にあることも加えて、家事援助ヘルパーとか、介護の支援とか、住居の支援とか、まさに生活をしっかり支えるというテーマは自治体ならではの良さがありますし、総合的な支援条例というのは非常に意義深いと思います。しかしながら、他方、行政の場合はどうしても、寄り添うといっても限界があったりしますので、そういう意味では民間支援団体と協力をしながら、心のケアとか付き添いになってきますと、やはり民間の役割もありますから、行政としては民間支援団体と一定の連携をすることになってこようかと思います。いずれにしても、明石市としては自治体のみならず、民間と連携することまでは出来ますが、国に対しては要望をあげる程度でありますけれど、本来明石市が条例化したことについては早く国において、法制化、制度化されることを望んでいますし、もし国がなかなか悩ましいのであれば、他の自治体にもできれば明石市も参考頂けることがありましたら、全国の自治体に広がってほしいなと強く思っています。
またこのテーマではありませんが、「やさしい社会を明石から」というキーワードをかねてから使っておりますが、大きく2つの意味があります。やはり、できることは国を待つことなく明石から始めたいという思いと、しかしながら明石でやる取り組みというのは明石止まりではなくて、明石から全国に、明石から国に広がっていくものだという思いも込めております。そういった観点から、今回の条例制定を踏まえて、しっかりと発信もしていきたいと考えています。

記者

それについて、実際再提訴をせざるを得なかった古賀さんにお聞きしたいんですが、古賀さんの再提訴の費用の補助については、古賀さんの住んでおられる地域ではまだ条例に組み込まれていない訳で、同様の方がまた再提訴で負担しなければいけない現状が残ることについては、古賀さんはどのように思われますか。

古賀

福岡の方は、基本法がまだ遅れております。今回の議会で通る話まで聞きました。それで、明石市みたいに先駆けてもらって、全国展開するように切に望んでおります。

市長

なお、明石市は平成23年に条例を制定し改正し、今回も改正になりますが、広がっていっています。特に兵庫県の場合は相当条例も増えてきました。また、他府県でも、いくつも被害者支援者等支援条例の動きが現にありますので、どんどん広がっていっていると思っております。また、個別テーマになりますけれど、例えば明石で条例化した立替支援金制度、そのままではありませんけれど、判決を得たにも関わらず判決に基づく支払いが得られないケースについて、他の自治体でも一定の支援策を検討中と聞いておりますので、明石市で制度化したものが全国に広がっていっているということは実感しております。

記者

古賀さんにお聞きします。今回判決で8900万円という賠償命令が出ていたにも関わらず、加害者側からは差し押さえという手でようやく10万円が返ってきたのみということを聞いております。そこに対する無念の思いというものがあったと思いますが、その気持ちをお聞かせいただけないでしょうか

古賀

8900万円の判決が出ましたけれども10年経って10万円という結果に終わっております。差し押さえしたんですけれども、片方は生活保護を受けており、片方のほうから10万円ということで終わっています。それから3年後にフェイスブックでさっき言いましたようにネイルショップを2店舗持っていると知りまして、どうもおかしいなと思い、再提訴をしたんですが、これまた生活保護で親の名義ということでうまく逃げられましたね。その後、両者から毎月1万円ずつ支払うという申し出がありましたけれども、一方は3年経ちましたが毎月1万円ずつ。月が飛ぶこともありますが、ほぼ1万円ずつ支払っております。もう一人ネイルショップを経営というフェイスブックに出ていた方ですが、この人は2年間は支払っております。一昨年の11月からストップし、現在に至っています。私との戦いはまだまだ続くんじゃないかと思っております。

記者

少しずつ払っているとはいえ、このような到底判決とはかけ離れた状態にある中、やはり他の方々もおっしゃっていましたが、このような明石の制度が全国に広まってもらいたいというのが、古賀さんの切なる思いと考えてもよろしいでしょうか

古賀

今日市長の素晴らしい発案で条例が可決しました。この条例を全国の政令都市、各市町村が右に倣って明石市に続いてもらって、犯罪被害者に少しでも光を与えていただくように期待しています。

記者

今回、明石市の被害者支援がさらに前に進んだわけですが、改めてまだまだ支援が必要だという部分もあると思います。改めてさらに望む支援みたいな部分のお話を聞けないかと思いますが、土師さんお願いできますか。

土師

先ほどもお話ししましたが、私の場合は、すでに兄弟姉妹の事を話題にしていますので、今現在でも兄弟姉妹に対する支援というのは不十分そのものだと思っています。加害少年には国から更生という支援があるんですが、実際には兄弟たちには教育にしても、うちの子もそうですが、学校に行けなかったりしています。精神的なケアが必要ですし、そういうものに対する支援策が実際はほとんどないというのが現実だと思います。心のケアをすると言っても、臨床心理士が誰でも良いと言う訳でなく、そういう人を育てないことには実際の支援に出来ないというところもあります。時間はかかるかと思いますが、人材の育成も含めて市町村だけで考えれることではないのかなと思いますが、国としてももっと支援を広めてほしいなという思いです。

記者

たまたまですが、今日は山下さんが亡くなられて21年の日に当たるのですが、その日に条例が可決したことへの受け止めというか、意味というか感じるものがあればお聞かせいただきたいのですが。

土師

今朝インターネットや新聞で見てそういう日だったんだということを受けたのですが、現実的には自分の子どもが亡くなった日というのはきちんと覚えているんですが、山下さんもそうですし、他の怪我をされた人がいつということは、ちゃんとは覚えていないんです。日が重なったというのも縁と言いますが、そういうのは実際に感じます。泉市長の私たち被害者への想いが明石から広がっていってほしいと思っています。

記者

市長に伺います。有識者からの声として、そもそも損害賠償に時効があるということに疑問を呈する声もあるのですが、市長ご自身は弁護士としてどういうお考えでしょうか

市長

私自身は、裁判で判決が出れば当然払うものだと思っているタイプの人間で、いざ司法試験を受けて弁護士になり、これほどまでに判決が無視されている社会に対して驚いたのが最初のスタートでした。今もその気持ちは続いていて、理不尽だと思います。一定の被害に遭った方が裁判になり、司法手続きを経て支払いなさいと言っているのを平然と無視され続けて、お咎めもない社会が良いんだろうかという時、私は良いとは思いません。そういった観点の中で行政の自治体としてできる形として立替支援金制度を位置付け、上限はありますが、市が立て替えて支払って、その気持ちも含めて加害者からしっかりと求償するというのもつながっているテーマですので、今回の古賀さんのお話を聞いて払われないどころかそれが10年で本当に無効になってしまう、そんなことが世の中であっていいのかという思いです。法律上には書いていますが、果たして法律というものがこのテーマに対してどうなんだということは話しません。その中で再提訴せざるを得ない状況に対して、そこがご本人が費用もエネルギーもかけて対応をすることについては、せめて行政として何かできることがあるだろうという観点から、せめて裁判所に払うお金ぐらいは市で建て替えましょうということです。弁護士に支払う費用というものもゼロではない面がありますが、明石市としては民間支援団体とも連携をしてできるだけ負担を少なくし、本来なされるべき判決の結果を実現できるような方向に応援していきたいという思いは今も強く持っています。法律が出来てしまうと、あたかも法律が正しいかのようなテーマがよく言われますが、少なくとも犯罪被害者に関する損害賠償金が払われることなく、漫然と放置され、逃げ得になっていて、加えて10年で消えてしまうというテーマについては、国を挙げてしっかりと見直すべきテーマだと私は思っています。

記者

裁判費用の債権者支援は補助ですよね。これは返還義務があるのですか?

市民相談室長

返還の義務はありません。裁判所に提訴されて、印紙代、郵券代が裁判所に支払われた後に、市の方で補助をさせていただきます。

記者

4人の方にお伺いしたいのですが、長い年月大変だったと思うのですが、これまで活動をされてきて、このほどあすの会が解散するという報道がなされました。今後、行政や団体、報道機関など、今後こういう支援を考えていってほしい、こういう方向性を大事にしてほしいということを、お一人ずつお聞かせいただけないでしょうか。

高松

現状維持しかできません、今のところは。自分が今「六甲友の会」とかそういうのをしている中で、政府がやっていることなので。この条例に対しては、犯罪被害者条例は早く他府県も作ってほしいというのは言っています。そういう中でできることもあるし、なぜできないのかというのを聞かれるのですが、市町村に窓口を作ってほしい、そこからしてほしいということを言うぐらいです。私の住んでいる稲美町もこの12月に何とかできるみたいなので、自分のまちをがんばって応援しようかなと。ぼちぼちやりたいなと思っています。

土師

あすの会が解散したからといって、被害者問題がすべて解決したわけではないので、残っている課題に対して兵庫被害者支援センターもありますし、おそらく関西集会とかも残っていくとは思いますので、そこでできる範囲のことは伝えていきたいと思っています。マスコミの方々が重要な問題だということを、きちんと一般の方々に伝えていただけたらと思います。

古賀

私は再提訴を経験した中で、裁判にも立ち会いました。その中で判決は1分もかかりません。金額も前と一緒ということで、これだったら10年の撤廃をしてもらった方がいいんじゃないかと非常に矛盾を考えました。その件については、市長を通じて内閣府に手紙を書いた記憶があります。

曽我部

私は罪を犯したから罰せられるのであって、刑務所に行くことは罪を償ったことではないと思います。刑期を終えた後、いかに生きるかということが当人の問題ですし、社会意識の問題だと思います。民事裁判を起こすことで、被害者はお金がほしいのかという目で見られたということをたくさん聞きますし、私のように加害者が不起訴であったという場合は、民事裁判を起こすこともとても大変だと聞き及んでおります。それは市に相談することなのか、国に訴えていくことなのかまだ分かりませんが、国に訴えることには、たくさんの人数が必要なんです。不起訴の人を探すということはできません。精神障害者であるが起訴されたという人は多いのですが、不起訴の方と出会っているのはたった1人しかいませんので、そういう意味ではすごく手厚い条例もできておりますが、もっとパワーアップしていただきたいと思っております。

市長

あすの会の解散の話が出たので一つ話したいのですが、あすの会の解散が被害者支援の一定の区切りのような誤解があるのですが、そうでは全くなく、犯罪に遭った被害者遺族自らが声を上げざるを得ないこと自体が理不尽だと強く思っています。本来はこういったテーマは犯罪に遭った被害者遺族ではなくて、周りの者、特に行政がしっかり責任を持って対応すべきテーマであったはずです。しかしながら長らく放置されてきた中で、今日おられる皆さんを含めて立ち上がられて、街頭で署名活動をされたり、自ら声を上げられたりする中で、犯罪被害者等基本法が国で制定され、今も各地で条例化が進んでいます。しかし本来は被害に遭った方が声を上げなければ始まらない話ではなくて、本来やるべきことだと強く思っています。加えて今日の犯罪被害者の条例の改正もそうですが、しんどい中、色んな思いの中で声を上げていただき、お力添えいただいた方に対して、この条例の効果が行くわけではないのです。今回のテーマについては、すでに被害に遭われた被害者ご遺族が条例の結果何かプラスになるのではなくて、あまりにも理不尽なことに声をあげていただき、それが今日、明日、明後日被害に遭うかもしれないすべての市民にとって安心と言いますか、支えられるまちづくりにつながっているテーマであって、いつまでも被害者ご遺族の声を待っているばかりではないと思います。そういう意味では、あすの会が自ら立ち上がられて牽引いただいたことにご苦労様という気持ちでいっぱいであります。逆にそれは、あすの会の皆様が声を上げなくても、被害者支援の事をしっかり行政がやる時代が始まったと思っているところです。


 

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