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更新日:2021年12月21日
「旧優生保護法被害者支援条例の再提出について」
資料 旧優生保護法被害者支援条例を提案します(PDF:407KB)
資料 旧優性保護法被害者等支援条例(案)(PDF:230KB)
資料 条例案に対する明石市民の意見(抜粋)(PDF:726KB)
資料 旧優生保護法被害者支援条例検討会(主な意見)(PDF:446KB)
まずは12月議会提出議案からご説明申し上げたいと思います。その中でも特に、まずは優生保護法被害者支援条例に関してです。再提出という形になるわけですが、再提出に関してのポイントという形で3点お伝え申し上げたいと思います。まず1点目は、情報の修正を施していることはすでにお伝えしたとおりで、定義や附則など3点修正をした形となっており、市議会での議論を踏まえた形とさせていただいています。
2点目が丁寧な手続きです。これも市議会の方から求められていたことで、パブリックコメントを30日間とりまして、再度パブリックコメントを実施したことに加え、市内の関係団体の皆さんの意見を聞く機会としての検討会も開催しました。今回のパブリックコメントですが、2回目であるにも関わらず、前回を上回る280名の方からご意見を賜りました。前回、市民の比率が少し少ないのではないかというご意見もありましたが、今回は280名中市民が184名という形で、大半が市民からの意見となっております。賛否については反対が7名おられますが、賛成が173名と圧倒的な数の市民の皆様がこの条例の制定を望んでおられる状況が改めて明らかになったところです。検討会で医療や商工関係の方からもご意見を賜りましたが、出席者16名中、発言した中で賛成意見が11名で、反対の意見の方はおられませんでした。
もう1点ですが、世論の高まりと記載していますが、この間のさまざまな報道や情報をもとに、例えば障害者団体などがお互いに手を取り合って、この12月議会に請願という形で、この条例の制定を求めるという動きもあると聞いているところで、この間新たな世論の高まりもかなり加わったと考えているところです。市長としては、この内容で再提出させていただき、市議会のご理解を得たいと考えている立場です。
以前からお伝えしていますが、明石市はこれまでも市民に寄り添うやさしいまちづくりを進めてきました。今回のこのテーマにつきましては、障害者支援、被害者支援、SDGs推進の3つのテーマとも非常に密に関わっています。明石市では障害者支援のテーマでは、例えば全国初の形で障害者への合理的配慮の助成金を支給し、全国に広がっています。被害者支援のテーマにつきましても300万円の立替支援金の支給、これも全国初の条例も制定し、実際執行もしているところです。
加えてSDGs推進、誰一人取り残さないというテーマにつきましても、明石市は県内初のSDGs未来都市の認定を受けており、これらの3テーマが重なり合うところに今回の優生保護法の被害者支援条例が位置付く、これまで障害者支援、被害者支援、SDGs推進を推し進めてきた明石市として、ある意味その象徴的な条例でもあると市長としては認識しています。何とか市議会の皆様方のご理解を得て、制定させていただきたいと考えています。
条文の修正案は、10月に議会で議案として取り上げられなかった経緯がありますが、今回はどんな点を変えているんですか。
前回の3点修正したものと内容は同じです。
3点の修正点を改めて教えていただけますか。
1点目は条文第2条の定義規定です。対象者のところに「準ずる」という表現がありましたが、そこを削除していますので、対象者をより明確化した意味があります。2点目は附則で、そこに犯罪被害者の関係で40万円支給をしており、それとの相殺的な条項を入れていましたが、その部分を削除しています。3点目も附則ですが、施行日に日付を入れていましたが、公布の日と改めています。以上3点です。
前回はスピード感をもって制定したいという印象でしたが、今回は丁寧な手続きを重視という方向転換のようにも見えますが、どのような心境の変化があったんですか。
心境の変化が特にあるわけではなく一貫しているつもりですが、ポイントは大きく2つあって、1つは今お伝えしたように、明石市はやさしいまちづくりをしております。国を待つことなく市で出来ること、市民に寄り添うことはしていくというスタンスですから、ある意味この条例については、これまでの明石のまちづくりの延長線上で位置付き、ご理解いただいていると確信しています。
2つ目の手続き論ですが、これについてはやはり遅いより早い方がいいし、当事者もご高齢ですからスピード感がいると考えていますが、他方手続きについては、より丁寧にというのももちろん1つの要素です。議会の方からその点強くご指摘をいただいておりました。地方自治というのは提案するのは基本市長が主ですが、やはりご審議いただいて議会のご理解を得るのが大原則ですから、議会の理解をより得られやすいように、今回パブリックコメントの30日間実施と検討会などもしたところです。ある意味手続きをしっかりしましたという立場です。
前回スピードを重視するあまり、手続き等、議会の指摘もあったと思いますが。
ここも誤解はないと思いますが、明石市としてとった手続きに何か過誤があったわけではなくて、市民に義務を課す条例ではありませんから、必ずしも30日間のパブリックコメントが必要なわけではありません。15日でも足りるというスタンスですが、やはりより長い期間パブリックコメントをとった方が、より多くの市民の意見が得られるわけですから、そういう意味ではより望ましいという観点から、丁寧な手続きとさせていただいたという認識です。
今回改めて実施したパブリックコメントについて、280件中市民が184件ということですが、残りはどのような方ですか。
市外の方です。前回は市民からも40名からご意見をいただいたんですが、これまでの明石市におけるパブリックコメントの数としては市民から40名というのは多い数ですが、やはり全体の比率でいくと市外が多かったのは事実です。今回は逆に市民の方の意識が高まって、40名だったのが184名で4.5倍に数が増えていますので、世論の高まりを感じています。
市外の反応はどうでしたか。
市外の意見は全部賛成です。反対の7名は全員市民です。だから市外から反対の声はなかったということです。
反対はどういった意見がありましたか。
いろんな意見がありますが、裁判係争中なのにとか、市民の税金を使うのはどうなのかという意見もありました。
市議の方にもそういった疑問を呈される方もいたと思いますが。
そこは多様な民意ですから、いろいろな考え方があり得ると思います。明石市はこれまでもそうですが、ある意味、国にさらに上乗せをして、さらに手厚い支援策をやってきたまちです。国の部分で良しとするのではなく、市民に近い明石市として出来ることをしてきたまちですから、そこは圧倒的多数の方々からご理解いただいていると思っています。
今回のパブリックコメントと前回との違いは、今回は正規のパブリックコメントを行ったということですか。
正規とは違うと思います。一般論として市民の声を聞くことは好ましいことです。その手法としてパブリックコメントが位置付きます。市民参画条例に基づいて、一定程度市民に義務を課したり、権利を制限するような、そういった方向のものにつきましては、原則として30日間のパブリックコメントと規定しています。ただその場合であったとしても、緊急性があるなどの時はそれでなくてもいいと書いていますので、前回の15日間のパブリックコメントは別に問題はなかったと理解しています。ただ今回は、市議会からの30日という声を受けて30日間実施したということですので、どちらも間違っていないという理解です。
前回も今回もパブリックコメントとおっしゃっていますが、違いは何ですか。
そこは期間の違いでいいと思います。15日間のパブリックコメントに加えて、2度目は30日間のパブリックコメントを実施した、その結果市民の声が40件から184件まで増えたという理解でいいと思います。
市民参画条例に基づくパブリックコメントを実施したという言い方でいいですか。
それでいいと思います。前回は一般的なパブリックコメントで、今回は市民参画条例の原則に基づくパブリックコメントで合っていると思います。
9月議会での議論を踏まえて議案の中で変えていない部分が、パブリックコメントでも反対意見があったという300万円の支援金の支給というところです。裁判の係争中なのに支払うのかというような意見に対しては、どのように説明されますか。
そこはシンプルです。明石市は基礎自治体、行政です。司法の救済もあるし、行政の救済もあります。当たり前のことであって、すべてが司法を待たないといけないわけでは当然ありません。それこそ国も司法の判決を待たずして、このテーマについての支援金320万円を法制定しているわけです。国家としての行政機関が司法の判断を待つことなく支給を決めているわけですから、同じことをやって、司法的救済があるからといって行政が支援したらいけないわけではないので、そういったご意見があり得るのは理解しますがそれは少数意見だと思います。
障害者団体からの請願があると言われましたが、どんな形でこれからあるんでしょうか。
来週月曜日に請願が提出されると聞いています。そこに関して言うと、正直前回、残念ながら制定に至らなかったわけですが、逆にその後どうなるかというのは市長としても、正直若干思うところはありましたが、むしろ今年などの市長への意見箱もそうですし街中でもそうですが、頑張っての声ばかりです。逆に国の優生保護法というある意味、多くの皆さんがすぐに理解できるとは言い難いテーマなのに明石の方は結構理解しておられて、やはりこれまでやってきた障害者支援、被害者支援の延長線上で明石らしいね、頑張ってくださいねという声がほぼ全部でしたから、私の耳には反対意見は入らなかったです。
検討会も実施させていただいて、商工関係とか幅広い関係者の声をいただきました。もう少し割れるかと思いましたが、意見が出た中の賛否で11名が賛成意見、反対ゼロでした。福祉関係者以外の方からも、国を待つことなく救える市民を救うという意味において、まさに明石らしい条例で、全会一致で通してくださいと言われました。少し時間が経ちましたが、この間により市民の理解、評価が広がったと思っています。
検討会の構成メンバーは、どのような基準で選ばれたんですか。
基本的に幅広く明石に関係の深い、実質的にはコロナに関係する官民連携会議のメンバーに、弁護士のオンブズマンの方に加わっていただいた状況で開催しました。
前回市議からは、利害関係者の方がいるのではというような指摘もありましたが、そこは配慮してということですか。
商工会議所、商店街連合会、医師会会長、まちづくり協議会の会長などですから、いわゆる明石市が幅広いまちづくりのテーマを議論するときに、ご一緒させていただいている団体の方々という理解でいいと思います。
「明石市給付型奨学金の定員の拡大について」「こどもの学習環境を整える学校施設の整備について」
資料 令和3年度明石市給付型奨学金の定員の拡大について(PDF:134KB)
資料 こどもの学習環境を整える学校施設の整備について(PDF:898KB)
続いて予算議案についてです。まずは給付型奨学金です。簡単に言いますと、コロナの状況で高校進学のテーマも本当に大変な状況がより酷くなってきています。そういった中で、昨年明石市はこのテーマに関して給付型奨学金を位置付けましたが、30名で募集したところ、本当に多くの方に応募いただいたので、100名、110名という形で急遽拡充を図りました。本年度は昨年を踏まえて100名程度という形で位置付けていましたが、実際やってみると200名を超える方々からぜひという声をいただき、昨年並みの基準に照らしますと200名の方が該当するような状況でしたので、今回の補正予算にて200名を対象にできるような形で、急遽拡充を図りたいと思っています。
改めてコロナの状況が長引く中で、弱いところにしわ寄せがいき続けています。そういう意味では中学3年生の子供たちが高校進学について、ご家庭の事情などで断念せざるを得ないような追い込まれた状況が本当につぶさに感じられます。そういう意味では、本当に救うべき市民を救うのがまさに明石市の役割ですので、今回補正予算にてご理解を得てきっちり対応したいというのが率直な思いです。
続けて学習環境の充実について、3点ばかり簡潔にお伝えします。テーマ的に言うと、いわゆるインクルーシブ教育ともよく言われますが、障害になるいろんな事情がある方々などに対する目配りのテーマです。この点につきまして明石市では特別支援教室を改修して、カーテン1枚でそれぞれ対応している状況もなきにしもあらずなので、しっかりとした特別支援教室の環境整備を図るべく、今回補正予算を組ませていただいています。
合わせて不登校的なテーマについても、さまざまな事情がおありです。今明石市では2か所、このテーマについて「もくせい教室」という形でやっていますが、必ずしもバリアフリー化もされていません。いわゆる身体障害をお持ちの方、車椅子利用の子供たちがなかなか利用し難い面もありますし、実際上定員的にもニーズが高まっていますので、3か所目としてもくせい教室を整備したいと考えています。
なお関連テーマとして、明石市は秋に、トロッコというフリースペースも位置付けていますので、ある意味学校に加えて、学校敷地内の既にあるもくせい教室、そして今回新たに整備する学校施設外のもくせい教室、そしてもう1つは、もっと自由度の高いトロッコ、フリースペースという形の中で、さまざまな子供たちのニーズに寄り添っていきたいと考えています。
もう1点はLED化です。これはもう大きな時代の変化の中で、むしろLED化を一気にやった方が、トータルコストとしてもリーズナブルな面もありますし、望ましい観点から、かなり大きな金額でありますが、債務負担の議案を上げさせていただいて、スピード感を持った対応をとっていきたいと考えています。
「水上バイク条例の制定に向けて」
資料 水上オートバイ等の安全な利用の促進に関する条例の制定に向けて(PDF:652KB)
次に水上バイク条例の検討についてお伝えします。まず明石市としての考え方ですが、水上バイク条例を制定したいと考えているところです。市民の命を本気で守るということがポイントですが、特に3点、1点目は毅然とやる必要があります。2点目は迅速にやる必要があります。3点目は官民連携してみんなで取り組む必要があります。言うは易いですが、実際それをどうやって具体化していくかです。
まず1点目、毅然と対応する観点から、懲役刑は必ず必要だと思っております。現状では兵庫県の場合、罰金止まり、罰金20万円です。それでは抑止力は働きません。水上バイクにつきましては、1台2、3百万円するものであります。ものすごくお金のかかる楽しみごとでありまして、2、3百万円もかけて買い、一定の金額を費やしながらしておられる方に、罰金20万円で抑止力が働くわけがありません。懲役刑につきましては、すでにさまざまな都道府県などでも規定されていますので珍しいことではありません。ただ残念ながら、兵庫県は懲役刑が規定されていない状況のままです。そういった観点では、明石市としては懲役刑を新設していきたいと考えています。
2点目ですが、いわゆるこのテーマにつきましては、基本的にゴールデンウィークぐらいから一気に楽しみごととして、明石市内もそうですが多くの方々が集われますので、時期としてはゴールデンウィークに間に合う形でルール化を図る必要があると考えています。そういう意味におきましては、議会のスケジュールでいきますと、3月議会で制定をして4月施行というスケジュールが必要だと思います。この点について明石市では12月議会で中間報告を申し上げ、3月議会で上程をして可決いただき、4月には実施していきたいと考えています。
3点目は、このテーマは行政だけで出来るテーマではありません。マリーナとか関係の民間の方々と一緒に、啓発などいろんなことをやっていかないと、お互いに安全に楽しむを得て文化を作っていく必要がありますので、単なる罰則系だけでは足りません。そういう意味では明石市としては、民間の方々に新年度予算で計上する予定ですが、予算を伴う形で啓発事業などもご一緒いただいて、むしろ近しい方々の中で、しっかりと安全なルールを運用でやっていただくということも必要だと考えています。行政がいわゆるアメとムチのムチだけを使って済む話ではなく、助成も含めて、ある意味しっかりとした啓発を応援していくことも必要だと考えています。これらも含めたような条例を、3月で制定したいと考えています。
これまでの経緯ですが、8月10日に明石市は、殺人未遂および県条例違反で刑事告発をしております。まだ捜査中ですが、実際現地での実況見分調査も行われました。その後、今捜査は関係者の取り調べに入っている状況と聞いています。年内もしくは年明けには、当該刑事告発案件については何らかの方向性が定まると理解をしています。
8月中にパトロールや監視カメラの設置なども一部行いました。9月13日付で、明石市として第1回の官民連絡会議を開いたところで、その後関係の方々とご相談をしながら、条例化に向けて内部検討を進めてきたところです。その2日後の9月15日に、淡路島で3名が亡くなるという死亡事故が発生し、その翌日には明石市として国や県に要望書を提出した経緯があります。その後、兵庫県においても対策検討会議が開かれたと聞いています。
今後ですが、12月議会に中間報告をし、12月中には改めて第2回の官民連絡会議にてこの条例案についてご相談した上で来年3月に議案として提出し、4月施行を目指したいというのが大きなスケジュール感です。このテーマについてはやはりポイントは、明石市は残念ながら海とか海岸域についての強大な権限を持っているわけではありませんが、市民に近い基礎自治体としての役割として、しっかりと市民の命を本気で守るんだという観点から、毅然と迅速に対応していきたいというのが真意です。
懲役刑の内容はこれから検討していくと思いますが、具体的に懲役何年とか罰金いくらとか想定はありますか。
まず法律的な話をしますと、地方自治法という法律があり、地方自治法上条例としての上限が定められています。それは懲役2年、罰金100万円という形で規定されています。実際他の都道府県の条例を見ますと、懲役3か月、懲役6か月はありますので、別に不思議なことではありません。そういう意味では3か月、6か月であれば、他に条例がありますので、横並び的にいってもできると思います。2年というのはちょっと見当たらないです。なので今のところ周りは6か月が上限だと理解をしています。
実際他の自治体の条例も参考にしながらということですか。
そうですね。あとは兵庫県が条例を作られると聞いていますが、罰金の額を上げる程度と聞いています。私としては罰金を上げるだけでは不十分で、やはり他府県並みに懲役の3か月、6か月ぐらいは横並びでも出来るだろうと思っていますので、それは県の方がどうなさるかまた確認したいと思います。
市長としては少なくとも他府県並みの条例は必要だと考えていますか。
懲役刑は必要だと考えています。
淡路で死亡事故があり、飲酒していたという話もありますが、例えば水上バイクを飲酒している状態で乗ると刑罰を重くするとか、そういったことも考えられていますか。
これは国がやること、兵庫県がやるべきこと、市町村がやった方が望ましいテーマの整理がいると思います。現状は陸と比べると、海についてはルールが未整備のままです。非常に極端に違います。私としては国や県に対しても、陸並みの海のルール化を図る時期に来ましたねというのが基本的なスタンスです。国においては、無免許は規制があり罰則はありますが、飲酒とかスピード違反は未だに罰則がないんです。
それは本来国が、当然お酒とかスピード違反に関して統一的なルールを作られて然るべきだと私は思います。無免許についても大変軽いんです。普通陸というか、自動車を運転していれば一定程度は罰則もありますし、免許が一旦取り消しになったら取り直しです。でも海の水上バイクは取り直す必要がなくて、免許が取り消しになってもすぐに研修を受けたら復活するというようなルールになっていますので、大変びっくりするほど甘い免許制度です。だからそういう意味では、免許制度そのものの見直しも私は当然いると考えている立場です。県につきましては海岸域についての危険行為です。他の都道府県も結構やっていますので、一定広域にわたる、そういった危険運転などについての規制は都道府県がなさったらいいと私は考えています。
明石市としては当然パトロールとか、監視カメラの設置はしますが、加えて特に私が想定してるのは海水浴場で、子供たちなどが遊んでるところにあえて突入してくるような、そういった非常に悪質的な行為については重たい罰則をかけることです。明石市としてはこの海水浴場のこのブイの中で遊んでくださいと誘導しているわけですから、誘導している所にあえて入って来るようなことをすることは極めて悪質性が高いです。そこをある意味国や県に上乗せする形で、市民の命を守る立場から、海水浴場へ突入するような行為については一定厳しい規制は合理的だと考えています。関係機関ともかなり議論をしていますが、大きな方向性については基本的には関係機関も了といただいていますので、罰則の重さはさておき、3か月であれば大丈夫だと思いますが、3か月、6か月ぐらいであればいけると思っています。
8月の前回は殺人未遂で刑事告発されていますが、そういう悪質な場合はその都度殺人未遂で告発するんですか。
それはケースバイケースです。やはり現状ルールが未整備なので、ある意味市長としてはメッセージ性も含めて、毅然とした対応を取る必要があるとの観点から刑事告発した経緯ですが、本来はやはり適正なしっかりとしたルール化が図られて然るべきであって、早急に国も県もルール化を図っていただきたいと強く思っています。
なお国の議員さんからもヒアリングのお声をいただいていますので、国会の方で水上バイクの法整備に向けての動きが各政党で始まると理解しています。できたら私としては超党派のテーマですから、国会議員を中心にスピード感を持って、法整備を目指していただきたいと願っています。
都道府県では懲役刑を設けているところはありますが、市町村ではありますか。
調べた範囲では懲役刑はありません。
明石の海だけ懲役刑になると、例えば垂水の方はセーフで明石に来たらアウトとか、かなり差が出てしまうと思います。明石の海だけ厳しくなるということに関してはどうお考えですか。
そこは全然矛盾しないです。大蔵海岸もそうですが、林崎松江海岸も、海水浴場はブイで印をしているんです。これは前からお伝えしていますが、私としては二重ブイにしたらいいと思っていて、海水浴場の手前の方のブイと一つ外側にもう1つブイを作って中間地帯を設けて、中間地帯の中に入ると懲役刑も重ねますという警告的なブイを浮かべて、あえてそのブイを2つ突破して、海水浴で泳いでいる子供たちのところに近づくようなことをすることについては、懲役刑でいいと思っています。
完全にエリア限定で、具体的には大蔵海岸や林崎松江海岸で、子供たちに安心して泳いでと明石市が言っているところに突破してこられたのでは、さすがにそれはしんどいです。それがたかだか罰金の何十万円では、お金を払ったら終わりだろうぐらいのテーマにされてしまうとまずいので、そこはやはり一定の重たいサンクションを想定する必要があるという立場なので、矛盾するわけではありません。そのあたりは、いわゆる関係機関ともご相談を始めていますが、特に異論は聞いていません、出来ると思っています。
罰則ですが、中間地帯に侵入した場合にということですか。
侵入して危険行為をした場合です。侵入だと誰もいないところに突破しただけで懲役刑は重たいと思うので、基本的に今のところの想定は2要件です。二重ブイをしていて、警告もしているのにあえて2つのブイを乗り越えて、海水浴場に入って来る必要はないわけです。入った上で、それこそ子供たちとかいろいろ楽しんでるところに、突っ込んでいくような行為です。やはりその2要件だと思います。強いてわざと、安全エリアとしているところに突入し、かつ危険なことをする、この2要件だと懲役刑に値すると思います。本当にぶつかってしまって、子供が亡くなってからでは遅いですから。岩屋の件もそうですが、本当に人が亡くなってしまいますので。
私も免許を取って実際水上バイクに乗りましたが、これは本当に危ないと思いました。ブレーキがないんです。ブレーキがないので、ぶつかりそうになったらどうするかというと、アクセルをふかしてスピードをさらに上げて曲がる、つまり水を吐いてカーブを切るので、普通思うような危ないからブレーキではなくて、危ないと思ってブレーキ代わりにアクセルをふかしてしまったり、より早く突っ込んでしまうということです。
しかも、それをあえてスピードを上げてカーブするという一種独特の世界なので、これは本当に立ち入ることそのものを禁じないと、悪意がなくても急に子供が浮かんできて、危ないと思ってスピードを上げたらぶつかって死んでしまいますから、これは本当に死亡事故に繋がりかねない危ない乗り物であることは明らかだと思います。
藤江、松江の海岸での危険行為を受けて免許を取られたんですか。
そうです。実際に筆記試験も実技試験も点数をとって通って、免許証も持っています。
それは水上バイクがどんなものか、自身で確かめるためにとられたんですか。
はい、すぐにスピードが出てしまうので危ないです。ちょっとアクセルを握ったら100キロ出てしまいます、危ない乗り物ですね。快感と言えば快感ですし、風になっている気分になるのはそうかもしれませんが、私は結構自分自身も怖かったですが、やはり特殊だなと思いました。それをこんなに簡単に免許を取っていいのかとは正直思いました。
原付バイクとかは筆記試験9割で合格なんですが、水上バイクの試験は6割でいいんです。4択で6割で合格だから、ほとんど誰も筆記試験は落ちないです。そういう意味ではあまりにも免許制度が、より多くの人に水上バイクに乗ってほしいかのような試験になってしまっているので、そこは今のこの状況からして、より安全対策という要素も試験の問題に入れ込まないとよくないというのは、自分自身試験を受けて感じたことです。
何月に免許をとられたんですか。
免許の発行が10月28日で、国土交通大臣からの免許証です。やはり自分もこのテーマをやる以上は勉強しようと思って水上バイクの本を読みましたが、本を読むだけでは分からないので、実際水上バイクがどんな乗り物かというのを体験する意味でも、実習もして試験も受かりました。
罰金に関しては、額はどのくらいを想定されていますか。
私としては一般論としてそんなに厳罰系のつもりはないんです。バランス系のつもりで、あまり極端にするのはよくなくて、やはりそれはだめだろうという行為は一定程度懲役でいいと思うんですが、それにしても限界があります。基本的に他府県とか然るべき機関と相談をしながら、一定納得感のあるような落ち着きどころを探すべきだと思っています。ただいずれにしてもベースが軽すぎるので、全体的にはやはり陸と比べて海があまりにも緩いというか規制がなさすぎます。
基本的に陸だって、飲酒運転やあおり運転の厳罰化をしているわけです。それに比べて、大体海のルールというのは、大型船のルールなんです。だから大きな貨物船を対象とした法律ばかりで、水上バイクとかプレジャーボートは法律が想定していないんです。法律が想定していなかった危ない乗り物が登場しているのに、規制がないのでそこを穴埋めしていく時期だと思います。
兵庫県も罰金の引き上げを検討しているという話ですが、明石の海域で危険行為をした場合に、県も市も罰金を科すという形になるんですか。
そこも県との調整が要ると思います。私としては県が仮に危険行為の罰金を引き上げるのであれば、それは基本的にお伝えしたような明石の海水浴場の二重ブイの内側だけを明石が規制するのであって、それ以外の明石の海は兵庫県ですから、県条例の適用でいいと思っています。
兵庫県が懲役刑を科すのであれば、明石市があえて上乗せする必要があるかないかの論点になります。ただ場合によっては、県が一般的な危険行為が懲役3か月だけど、明石市が海水浴場に突っ込むような行為を6か月にするのはあり得ますので、そこは県とか関係機関との調整がこれからだと思います。
罰金に関しては、ブイの中に入った場合は二重になるんですか。
罰金も明石市も科すことは十分あると思いますが、今でも県条例に20万円の罰金がありますし、おそらく県も20万円を引き上げられるでしょうから、あえてそこに上乗せして明石市が科す必要があるかないかもあります。それはこれから調整になろうかと思います。
基本的には懲役刑を念頭に考えられているんですか。
懲役刑が必要だということです。罰金刑でお金を払ったらそれで構わないというテーマではないということです。
マリーナへの協力助成ですが、具体的に何に助成されるんですか。
具体的に水上バイクに関わっておられる方々がおられます。明石市の連絡会議にも来ていただいていますから、そういったところと協力して、それこそチラシの印刷代を助成して、そこで安全のチラシを作っていただいて配るとか、研修会を開いていただくとか、やはり近い方々でお互いに、水上バイクが嫌われ者になると困るわけですから、ただ安全に楽しむという形をやっていただいたらいいと思います。
誤解なきように、私は水上バイクを全部だめと言っているわけではなくて、ちゃんと安全に乗ればいいのであって、それこそあおり運転があるからといって自動車を全部なくせという議論はありませんし、暴走族が危ない、うるさいからといってオートバイを全て全滅するなんていう議論はありません。やはり基本的には安全に乗るように振り向けていく、それを行政が罰則系だけでやるのでは不十分で、むしろ愛好家団体とか関わる方々が安全文化を共に作っていく必要があります。そこを民間任せでやってくださいと言ったって費用がかかることならしんどいですから、気持ち程度かもしれませんが、助成金を出して、海の安全を共にしっかりとしていきましょうということを官民連携でやっていきたいという趣旨です。
無免許や飲酒運転、スピード違反は法律上懲役刑を科すことが出来ないのか、それともこういった行為も対象になっていくのか、そのあたりはどういうお考えですか。
そこはもう少し説明すると、実際上、法律、県条例、市条例のそれぞれの役割などがあると思うんですが、基本的に免許制度は国土交通省などでやっていますから、これは国の所管で無免許を厳罰化すべきだと思います。次に飲酒も本来は国だと思いますが、実際上すでに東京都などは飲酒の罰則化をされていますので、都道府県レベルで飲酒に規制をかけるところはあります。なので兵庫県もそこは問題意識をお持ちですから、飲酒のテーマについては兵庫県の条例で規制していただきたいとは思います。
ここはどこに繋がるかというと、飲酒しているその数値を確認するのは警察です。明石市は警察を持っていないので、兵庫県が県警と連携をして、警察がしっかりと、それこそ水上バイクの方に抜き打ちで検査するようなことも含めてやらないと実効性のあるルールにならないので、そういう意味では飲酒は都道府県レベルかなと私は思います。
だから明石市として出来ることは限られていて、明石市として子供たちを含め、市民に安全ということをお伝えしている場所で走らせることぐらいは止めてくださいというあたりに限定しないと、明石市そのものの行政は捜査機関ではありません。監視カメラを付けておけばそこに危ない行為は映りますので、それこそ明石市としては条例を作って、その条例違反を監視カメラで確認できる状況であれば、それを捜査機関に提供申し上げて、然るべき捜査をしていただくということです。
今回のテーマは海上保安庁です。海上保安庁は国です、警察は県ですから、基本的に捜査機関は国と県なので、明石市としてある意味ルールを作っても、そのルールの適用は国や県、海上保安庁や兵庫県警にお願いするしかない立場です。そこはあまり無理しても返って実効性が薄いので、かなりエリア限定で、ここだけは来ないでという方がいいと思います。だから、子供たちが楽しんでいる安全エリアはもうさすがに来ないでねというイメージです。
市が現実的に規制出来るところは二重ブイの中に突っ込むような行為なので、そこについては懲役刑という形でも市条例で規制ができるということですか。
そうです。しかも、そこは監視カメラで見られるので、ある意味実効性ですね。条例を作っても平気で暴れるようでは意味がないので、破られたらちゃんと毅然と対応できる体制とセットだと思います。市内全域カメラの設置は現実的には無理なので、やはり条例を整備するんだったら、その条例を守っていただけるところまで視野に入れた条例を作りたいという趣旨もあります。
兵庫県内で、懲役刑を設ける条例は初めてですか。
懲役刑は初めてです。全国の都道府県には基本的に懲役刑はあります。
1回目から懲役刑は4都道府県ぐらいで、繰り返したら懲役刑が結構多いです。
都道府県で懲役刑がないのが、青森県、奈良県、鹿児島県、兵庫県などです。
市町村で懲役刑があるところはありますか。
今のところ見当たらないです。
やはり警察をもってないと、懲役刑といったところで捜査ができるかどうかでしょうね。日本の場合警察は都道府県で消防は市町村ですが、アメリカは警察も市町村ですから国によって違います。
懲役刑のある都道府県に属していたら、市町は懲役刑はいらないですね。
今言ったような大蔵海岸の二重ブイに突っ込んでくる行為ですぐ動けることもありますから、そこは考えます。だからできても、そこまで悪質な部分はやめてくださいという、3か月、6か月の上乗せはあると思います。あと市もメッセージ性は出したいです。二重ブイをしたときに、ここに立ち入ったら懲役刑もありますというのは警告として意味があると思うので、もちろん罰金でも意味がないと言いませんが、罰金と懲役は受け手の印象は違うと思います。
お金を払って終わりなのか、場合によってはもう少ししんどいのかというあたりは、一般国民の意識からしても大分違うと思うので、そこはやはりこのテーマもかなり関心も強い状況の中での一定のメッセージ性はあって然るべきかなと思います。うっかりの行為を処罰するのではなく、あえて二重ブイを突破して子供たちに危険を及ぼすかというあたりのテーマなので、ここは社会通念上理解を得られると私は思います。
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