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更新日:2021年4月21日

記者会見 2021年(令和3年)4月6日

知事選に関する一連の報道を受けて   

市長

さまざまな報道をいただき、市民の皆さんもいろんな情報の中で戸惑われている面もあると思いますので、この際私から明石市長としての立場、スタンスをご説明した方がいいという判断でこの場を設定させていただいております。

さまざまな報道があり、市民の皆さんからもさまざまな声が寄せられています。この点については、私としては明石の市長であり、明石の市民のために精一杯頑張り続けるということは、これまでお伝えしているとおりで、全くそのとおりの思いです。

とりわけ私の場合、2年前に自分自身の一件で、多くの市民の皆さんに大変なるご迷惑をおかけしたにも関わらず、市民の皆さんから署名などをはじめ、もう一度市長として頑張れとの声をいただき、今明石市長として仕事をしている立場なので、明石市民のために精一杯、全身全霊をかけて頑張っていくのは当然です。あのような事があったにも関わらず、もう一回市長にという市民の声を受けてなった立場としては、それまで以上に市民一人ひとりに対してしっかりと寄り添うような姿勢にしないといけないという思いで、市長を再スタートした認識です。

あの選挙戦を通じて私に駆け寄って来られた方々からは、例えば妊娠中のお母さんが「市長がいなくなったら、せっかく明石に引っ越してきて子どもを妊娠したのにどうしたらいいんですか」というような声もたくさんいただきましたし、発達障害の子を持つ親御さんが子どもが作った折り紙を一緒に渡してくれて、「この子をお願いします」というような話の中で、私は改めて市長選に立候補することを思い、市長になった立場であります。

そういった思いでそれ以降、自分としては、なかなか光の当たりにくいところに対してこそ政治がしっかり光を当てるべきだとの思いの中で、この間もひとり親家庭への支援や戸籍のない方への支援、さまざまなテーマについて施策展開をしてきた認識であります。そういった中、今回の一連の報道の中で、改めて自分として「明石市民にとっての一番幸せは何か」と考える中で今まできているわけであります。

繰り返しになりますが、私は明石の市長であり、明石の市民のために精一杯頑張る立場です。そして私の体は一つであり、明石市民のものであります。明石市民の気持ちに沿って行動をとっていくのが私の立場です。この一連の報道の中で、「市長を辞めないでほしい」という市民の声がほとんどで、そういう意味で明石市民の市長を続けてほしいという声が明らかである以上、私としては、明石市民のために精一杯仕事を続けていくということになるのは当然だと考えています。

この間ももちろん政治家なので、いろんな方からいろんな形で事実上のお声掛けなどはありましたが、一貫して「私は明石の市長ですので」という形でお答えしてきた経緯であります。一連の報道をいただいていますが、それがどの立場であれ、どの党であれ、私としてはその要請を受ける予定はないということであります。

記者

立憲民主党、国民民主党が間もなく市長に出馬要請をするとの報道がありますが、要請はすでにあったんですか。

市長

ありません。

記者

要請があった場合は断る、その理由もおっしゃっていただきましたが、それ以外で断る理由はありますか。

市長

2年前の一件を踏まえ、改めて私は明石の市長として明石の市民のために精一杯頑張る立場です。引き続き明石市民のために、しっかり頑張るということに尽きると思います。

記者

出馬されないということなので、市長として新しい知事と一緒に仕事をしていくことになります。市長として、政治家として、各党の擁立の動き、分裂の動きなど、今までの流れについて改めてどんな印象ですか。

市長

私としては、市民のために精一杯働くのが市長だという立場なので、同様に、県民のために精一杯働くのが知事であって、特定の政党や政治家のために働くわけではないという立場で市長をしているつもりです。知事というものは県民の知事であって、政党の知事でも政治家の知事でもなく、県民の知事なのにという思いは強く持っています。

記者

内々に立候補要請はこれまでもあったと思いますが、どういうお考えだったのか改めてお伺いします。

市長

考えは一貫しているつもりで、「私は明石の市長なので、明石市民のために頑張る立場です」と毎回同じことを言い続けています。市長という立場なので、いろんな機会にいろんな方が話をされるのはよくあることで、維新の室井代表から出てくれと言われたこともあります。即答で断りましたが、各政党、市民団体などから言われたこともありますので、それを正式な要請と言うかどうかはさておき、いろんな場でそういった声はいただいています。また市長への意見箱でも数多くの方から、立候補してくださいとの声もたくさんいただいていますが、多いのは市外の方ばかりで、市民で出てほしいという方はほとんどいません。

記者

今回の一連の報道を受けて、市民からどれくらいの声をいただいていますか。

市長

直接いただいた声もありますし、私の近しいところに数多く声が殺到した状況になっています。市民からは「出ないでほしい」「引き続き市長をしてほしい」という声ばかりでした。

記者

「出ないでほしい」とは、具体的にはどういった声があったんですか。

市長

「市長が市長でいなくなったら、せっかく医療費が無償化になったのに」とか、「給食費の無償化がなくなる」とか、そういう方が多いです。私からすれば、仮に市長が変わったとしても急に施策が変わるわけではないと一般的には思いますが、寄せられた声はそういうのも多く、早い段階から開設などへの支援をしているこども食堂関係者からも、「市長がいなくなったらこども食堂はやっていけなくなる」というような声も寄せられました。

記者

各社取材されていたと思いますが、そのとき出ないとはっきり否定されなかった理由を教えてください。

市長

自分としては、明石市民のために精一杯頑張るという言葉を自分の中で繰り返していた認識です。

少し補足すると、今市長を10年しており、その前は国会議員としても犯罪被害者支援や高齢者の介護保険法、発達障害者支援法などの議員立法に関わっていました。基本的には私の場合、テーマがクリアで同じようなテーマを精一杯やっていたわけですが、改めて市長を10年やってみて、国の政治があまりにも人に冷たい、兵庫県政も人に冷たい県政が続いていることに対しては、強い憤りを感じてきた立場であり、子どもたちやお年寄り、障害を持っている方に優しい兵庫県政になってほしいという気持ちは、むしろ10年間市長を続ける中で大変強くなってきたのは正直なところです。

こういった機会なので、思いの一端をもう少しお伝え申し上げると、私の政治の原点は子ども時代の体験です。4つ下の弟が障害を持って産まれ、子ども心に憤りを感じ、冷たい社会を優しい社会に変えたいと思ったのが政治の原点で今に繋がっていて、それが今の「やさしい社会を明石から」ということに繋がっています。

私にとって県政への最大の憤りの対象は、金井元彦知事です。金井知事は1962年に兵庫県知事になり、1966年から障害のある子を産まない運動をおこし、障害のある子が産まれたら、そのまま亡くなってもらった方が家族のためだという考えを兵庫県として先導して、全国に展開を発信されました。優生保護法の先頭をきったのが金井知事です。

私の弟が生まれたのが1967年。兵庫県の金井知事の方針に従った翌年に弟が産まれ、弟は産まれたときにチアノーゼでそのまま病院で死ぬ予定でした。それに対し、両親が命だけは助けてくださいと懇願する中で、医者からは障害が残ると脅されましたが、それでも両親が構いませんと言って、障害ある弟を連れて家族4人での暮らしが始まりました。大変理不尽な、冷たい時代でした。障害のあるものに対して寄り添う行政ではなく、どうして障害者を家に連れて帰ったのかと言われる時代でした。その先導をきっていったのが金井知事であります。そういった知事のもと、兵庫県は障害者に冷たいどころではなく、障害者は死んだ方がいいという県政を展開されていたのが当時であります。

そういった中でも私たち家族は必死に頑張り、弟はよちよち歩けるようになり、私と同じ小学校に入学できることになりましたが、そのときの行政の対応は、障害があるなら近くの小学校ではなく、遠い養護学校に行けというものでした。両親が必死になって掛け合い、2つの条件、送り迎えは家族が責任を持つこと、何があっても行政を訴えないことの念書を書かされ、弟は小学校に通えるようになりました。当時、弟の教科書を自分のランドセルに詰め込んで毎日学校に通った、その時の悔しさが私の政治の原点であります。金井知事がいたせいで、私の家族のような苦しみが生まれたと思っています。そういう意味では兵庫県政は大変重要で、知事は大変大きな存在であると思っています。兵庫県政のトップたる知事は、障害者に冷たい政治でなく、弱いものに寄り添えるような施策をしてもらいたいというのが私の強い思いです。

記者

今後、泉市長はどのようなスタンスで知事選に関わっていくのか教えてください。

市長

個別の候補者についてのコメントは控えたいと思います。ただ一般論としては、県知事というのは大変重要な、大きな存在です。障害者は死んだ方がいいというのか、例えば高齢者であれば認知症になっても大丈夫というスタンスで、優しい社会を作るのかは県知事にかかっていると思います。そういう意味では、県民に優しい県知事が選ばれることを強く望みます。

記者

どなたか、特定の候補を応援することはありますか。

市長

今日は私自身のスタンスをお伝えする場ですので、それ以上のコメントは控えたいと思います。

記者

今後、明石市民から知事選に出てほしいという声が高まったら、考えが変わることはあるんですか。

市長

明石市民は、「引き続き明石市長で頑張ってほしい」という声一色だと理解しています。

記者

この会見は、出馬しないことを断言した会見という認識でいいですか。

市長

いいです、結構です。

記者

県知事選に出るか迷った時期はあったんですか。

市長

体が2つあれば良いのにと思ったことはあります。でも私の体は1つで、明石市民のものです。2年前のことがある中で市長をしているものとしては、明石市民の気持ちを裏切ることはできません。

記者

兵庫県知事になることで明石市民のためになることもあると思いますが、そのあたりの考えはいかがですか。

市長

明石市もお金持ちのまちではないですが、何とかやりくりをしながら出来ることを広げてきた認識です。例えば、子どもの医療費も18歳までの完全無償化に踏み切りますが、お金は大変なんです。でも他県をみると、県単位で子どもに手厚い施策をする県は数多くあります。明石市はこの4月から中学生も少人数学級化に踏み切りましたが、近畿でも少人数学級にしている県もすでにあります。そういう意味では、兵庫県政は残念ながら子どもに冷たい県政です。県政がしっかりと明石市のみならず、兵庫県において人に優しい政策に転換すれば、明石市もその分負担軽減になります。

具体的に言えば、兵庫県が他府県並みの子ども施策にするだけでも、明石市では小学生の子どもの給食費は無料にできます。冷たい兵庫県政だから、明石市は今これで精一杯なのであって、もう少し人に優しい兵庫県政に変わってもらえれば、明石市民としてはもっと今よりも手厚い市民サービスを受けられるのは明らかです。

そういう意味では、明石市の財政規模は知れているんです。兵庫県は無駄遣いだらけなので、無駄遣いをしなければ、もっと明石市民は幸せになると私は思います。例えば、兵庫県庁を今1000億円ものお金をかけて建て替えようと計画していますが、何で今こんなときに1000億円も使って建て替えるのかと私は思います。それに対しても何の議論もされていません。新しい候補者は兵庫県庁の1000億円は見直すくらいのことは言っていただき、そのお金を子どもたちやお年寄りや障害のある方への支援に回していただきたいと強く願います。

そういう意味では、兵庫県政は、明石市民とも実は繋がっています。ただ、おそらく多くの市民は県政によってありがたい思いをした経験がほとんどないので、県政が大変遠い存在で、兵庫県政が変われば生活が変わるというリアリティが持てないんだと思います。それは逆に慣らされてしまった不幸だと思います。

記者

県政でもし自分がやりたいということなら、福祉に関することですか。

市長

体が2つあれば、やりたいことはいろいろあります。ただ私は体が1つなので、明石市長としての体だという話です。兵庫県政にしてほしいことというテーマで言うとたくさんありますが、とにかく無駄遣いをやめて、お金を政治家や業界団体にばらまくのでなくて、県民のために税金を使ってほしいということに尽きると思います。

記者

今回立憲民主党や国民民主党が、泉市長に期待されて要請を検討されていたと思いますが、今伝えたいことはありますか。

市長

名前が挙がっている井坂前衆議院議員については国会議員時代からの付き合いで、優秀な政治家だと思っています。向山さんとは何年も話していませんが、国会議員のときに北区の市会議員だったので当時縁があった方です。

記者

要請を検討されていたと思いますが、今回の会見でそれはなくなることになると思います。そのあたりの期待と市長のお考えの齟齬についてはどうですか。

市長

昨年の8月頃に井戸知事とのやり取りがニュースになった頃から、さまざまな方が私に知事選の話をすることは多かったです。私のスタンスは一貫していて、私は明石市長なので、市民のために頑張るということを伝え続けて、今日に至るということです。

記者

維新からの要請の話はどのように断ったんですか。

市長

正式な要請かどうか分かりませんが、兵庫県連代表の室井さんから国会議員の議員会館で話したいと言われ、立候補要請すると言われたけど、「明石の市長なので出ませんよ」というやり取りをした程度です。正式なオファーではなく、いろんな人に言っているのかもしれません。

記者

市長の口から「立候補しません、出馬しません」という言葉を使われていませんが、意味はあるんですか。

市長

意味はありません。そもそも出馬する予定があったわけではなく、しかも要請も受けていません。要請を受ける前にスタンスを明らかにしただけなので、要請を断ったわけでもありませんし、出馬断念でもありません。自分のスタンスを改めてご説明しているという形でいいと思います。そもそも私は2年前のことがあって、明石市長として市民のために精一杯頑張り続けているだけだという一貫した姿勢は変わらないことを改めてお伝えし、今任期の真ん中なので、任期の4年間しっかり勤めあげるのが私の責任だと思います。

記者

大阪の橋下さんが2万パーセント出ないと言って出たことがあります。泉市長はどれくらいの確率で出ないんですか。

市長

私は嘘をつきたくありません。あまりにも政治家は嘘をつきすぎると思います。出来る限り誠実な言葉を使うのが当たり前であって、出ないと言うなら出ないべきであって、出ないと言って出るような、そんなことはすべきでないと思います。私はその点については、そういった対応はとりたくないという思いです。

記者

要請を受ける前に今回会見を開かれていますが、要請受けたらもっと市民に誤解が広まってしまうので早めにされたということですか。

市長

私がどうこうではなく、日曜日に新聞報道が出て、市民から問い合わせや声がたくさん届き、私の携帯も鳴りまくりました。私の周辺にもさまざまな声がありました。早い段階で自分のスタンスを改めてお伝えしないと、市民に不安やさまざまな思いが広がりすぎるのは避けるべきだという判断です。あと要請についても、すでに報道されていますが、どこかの党を念頭においた話ではなく、どの党であれ誰であれ、要請は受けないという話でご理解いただきたいと思います。

 

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