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更新日:2020年11月18日

記者会見 2020年(令和2年)11月5日

「児童相談所の体制強化・運用改善等について」

資料 児童相談所の体制強化・運用改善等について(PDF:151KB)

報道担当課長

定刻となりましたので市長記者会見を始めさせていただきます。本日のトピックスは「児童相談所の体制強化・運用改善について」です。はじめに泉市長からよろしくお願いします。

市長

今月の2日に、「こどものための一時保護の在り方に関する検討会」の第1回をもたせていただきました。本当に忌憚のないご意見を賜わり、私としてもごもっともと改めてそのように各委員のご意見をお聞かせいただいた状況であります。改めて今回の検討会の設置についてもう一度説明しますが、やはり子ども目線での運用はまだまだ改善できるだろうという中で、大きくこの3つのテーマで検討会を立ち上げた次第です。「第三者チェック制度の創設」「親子の面会の機会の確保」「一時保護中の通学の保障」などについてでありました。これら3つについても、11月2日の検討会でご意見を賜わったところであります。本来面会というものは自由が大原則であるべきところ、今はそうなっていない。また、通学についても本来は通学して然るべきところ、全員が出来ているわけではないということを感じ、実際私自身もその後、児童相談所、一時保護所に行き、子どもたちに会い、声を聞いてまいりました。率直に言いますと、学校に行きたいけど行けていない子どももおりました。友達に連絡をつけたいけれども連絡がついていない子もいました。そういったことに鑑みたときに、検討会で理念を語るのは当然大事なわけですが、現に明石市は児童相談所にて何人もの子どもたちを一時保護している状況にあり、その子たちについて年度末を待つ状況にはないという判断をし、先の検討会でも体制の強化というものなくしては、職員の負担軽減はなかなか難しいという声もいただきましたので、市長として人事権を有する立場として早急に体制強化を図り、そういったテーマについて方向付けをしたいという思いであります。

そういった中で本日早速ではありますが、今お伝えしたテーマの中で、子ども目線の児童相談所改革の第1弾として、毎日でも面会に対応する、議論の中でもこれまでの実務の全国の運用が、月1回程度の面会という運用が現になされていて、明石市も私としては強い思いをもって児童相談所の創設に臨みましたが、その運用については、これまでの全国の運用を踏襲した結果、月に1回程度という形になってしまっていました。それについては、保護した子どもが会いたいのであれば自由に会うのが本来の形でありますので、子どもが会いたいということであれば、毎日でも面会に対応する体制をつくる必要があるという判断から、子どもが親に会いたい、友達に連絡をとってほしいということであればその担当をつけて、その子どもの思いを可能な限り叶えていくことが必要だという判断をいたしました。

もう1つについては、全員の通学の実現であります。これも本来は、事情があって子どもを保護している状況だからといって、学校に行かさなくていいわけがないと私もかねてから思っておりましたが、現状は全国ほとんどというか全部といっていいほど、明石を除いて通学をさせておりません。明石市においては、昨年4月の開設に際し、関係機関、学校とか警察などの協力を得る形で、通学の道を開いたという意味においては全国初だろうという理解をしておりますが、ただそこも全員が出来ているわけではなく、ある意味リスクの極めて少ない子については対応しておりますが、一定のリスクがある場合には通学ではなくて、一時保護所内での学習という形の運用になっています。昨年度、5割程度は通学しておりましたが、現状コロナの後、もっと率は下がっています。でも本来は子どものせいではないわけでありますから、いろんなリスクについては関係機関が協力しあい、付き添いや送迎などをすることによって、ちゃんと学校の学習権というものを保証し、会いたい友人と会い、おいしい給食を一緒に食べるという本来の姿を実現してこそ、子どものための児童相談所だろうと私はかねてからそう思っていましたので、現状そうはなっていないことに対しまして改めて深く反省しているところであります。

こういったことを実現するためには、やはり人がいるということは当然だと思いますし、明確な方針を示してその方針に沿って、子どものためにしっかりと対応する職員を配置する必要性から、児童相談所内に子どもの通学や面会などに関しての支援をしっかりしていく課というものを新設し、その担当職員が子どもの声を聞き、通学をしっかり確保し、面会や例えば連絡をとるということなどをしっかりやっていくということによりまして、すでにいる職員に過度な負担をかけることなく、新たな職員などが中心になってやればこれは実現可能だという判断から、本日内示を行い、週明け月曜の人事発令に伴い、早速対応してまいりたいと思います。なお、通学につきましてはすでに指示しておりますので、今日から新たに通学を始めた子どももおりますので、本来は学校には行けるものだという大原則に改めてしっかりと明石市は沿って対応していきたいと思っております。

合わせて、私自身の大変思い入れのあるテーマでもありますので、あえて皆さんにお願い申し上げたいのは、いわゆる今の日本社会における子どもの置かれている状況や、児童相談所の実務の運用というものは、結局人が少ないから出来ないとか、やむを得ないとかいう形の中で本来あるべき運用には多分なっていないと本当に思います。子どものためと言いながら、子どもが元いた学校に行けない、友達に会えない、そういったことがあるべき姿だとは到底思いません。こういったことを明石が珍しくやっているではなくて、本来は子どもというものは、会いたい友達に会え、ちゃんと好きな学校に行き続けられるものであるべきですし、親子の会う時間について児童相談所が独自の判断で、過度な制限をかけることが本来許されている実務の運用そのものに問題が大きいと私は考えており、ただそのためには児童相談所の職員や体制というものを強化しないと、きれいごとを言っても他の児童相談所は出来ないと思います。明石とて国基準の2倍以上の人員を配置しているにも関わらず、通学や面会について十分とは言えない現状があったわけでありますので、私も反省はしておりますが、他の児童相談所もおそらく明石と変わらない、ないしはもっと国基準を満たしていない児童相談所がほとんどですから、そんなことに対応できる余裕がないというご意見になろうと思いますので、国においてはしっかりと人的な体制強化を図れるだけの対応をとっていただきたいと切に願っている立場でもあります。

もう1つ資料に書かせていただいていますが、内部検証についてであります。これについても先の検討会で大変厳しいご意見を賜わりました。大変不十分であるというご意見を賜わり、改めて私も検証内容をもう1回読み返したときに、まさにごもっともだと。何が問題かというと、今のことと関係しているんですが、これまでの児童相談所の運用の通りにしてきたという認識の中で、反省ができていないと思います。すなわち、子どもにとって、親子にとって、本来あるべき児童相談所ではないことが問われているテーマであるにも関わらず、他の児童相談所と同じような運用をしているから、ある意味、そういう認識に基づく検証ですので、それでは不十分でありますから、一旦中間報告の形をとっておりますが、白紙に戻して人も入れ替えて、ゼロからもう1回検証し直したいと思います。それにつきましては、第2回の検討会で、ご両親から直接ご意見を賜わる場も設置されますので、しっかりとご意見、思いを受け止めて、ご両親の納得いただけるような検証をする責任があると私は考えているところであります。

人事異動についてですが、簡単に言いますと、3名の職員が出て6名の職員が入る形の人事異動になっており、新たな3名については、通学や面会を担当する支援課の職員として働いていただきたいと思います。また、運用についての抜本的な見直しをする観点から、所長についての交代と所長代行を配置するのみならず、課長級についても人事異動を伴う形をとらせていただいており、明石の児童相談所を改めて原点といいますか、本来あるべき姿を目指していきたいと考えている立場であります。年度途中でありますが、子どもたちは現に今も一時保護所におりますので、その子どもたちに対して年度末まで待って新年度からとはとても言えないという思いの中で、今回の人事をさせていただいた思いであります。

記者

新設された課は全国で例があるのかどうか、また明石が珍しいことをやっているのではなく、国の対応を願っているとありましたが、具体的にどうあるべきと思われますか。

市長

こういった課はありません、全国初です。全国の児童相談所のオーソドックスなところは、地域割りをして支援するところだけなんです。あとは一時保護所の保護課というのがある程度です。でもそれでは不十分という形で、明石では例えば福岡市の児童相談所を参考にして、緊急支援課という形でスピード感をもって一時保護をできるような課をつくりました。もう1つは、その後にしっかりフォローすべく、里親とかそういった形の社会的養護についての課をつくりました。明石の特徴としては他の児童相談所に加えて、スピード感のある対応を毅然とできる緊急支援課と、継続的な支援をするための社会的養護の課をつくったことです。これだけでも珍しかったと言われていますが、今回は新たに子どもの立場にたった通学の機会の確保や、面会や連絡等をしっかり担当する課をつくって、それに専念といいますか、子どもの声を聞き続ける立場の職員を配置するイメージです。

先の検討会でも出ましたが、日本の児童相談所はあまりにも体制や法律が未整備で、あれもこれもない状況の中で、本当に現場が疲弊しながらやっている状況です。ですからまめなスピード感のある家庭訪問もできていませんし、継続的なフォローもできていません。最近になってくると、毅然と保護するような方向はとられますが、毅然と保護を多くすると、今度は今回の事案がそうであったように、保護すべきでない案件を保護し長期間その状況にしてしまうことが生じている状況だと思います。これを解消するためには、やはり抜本的には児童相談所の体制強化が不可欠です。体制強化をしても、職員だけではなくて子どもがしっかりと地域で暮らすためには、里親家庭の抜本的な拡充が不可欠で、世界で里親にいっている子どもは家庭を離れる子どものうちの7割とか8割なんですが、日本はまだ2割いってない状況で、先進国の中でびっくりするくらい低い率は、日本社会がこのテーマに向きあってこなかった証拠です。明石市としては、里親についても取り組み始め、この2年間で里親家庭の数は2倍に増えていますが、それでも全然足りません。そういう意味では、児童相談所そのものの体制強化に加えて、里親を含めたしっかりとした社会全体で対応していくことが必要だと私は考えており、このことは私の立場としては明石市長ですから、明石で出来ることは明石からしっかり対応していきたいと考えています。

記者

こども通学・面会等支援課の体制は3人でいいのかというところと、所長の交代に至った経緯を教えてください。

市長

今回新たに創設する課では、担当するのは主に調整をしますので、子どもたちが朝学校に行くときに公用車で送るのか、タクシーで送るのか、マイクロバスを使うのかを含めた、そういった調整をします。実際上は、子どもそれぞれに担当のケースワーカーや心理職が付いていますので、イメージとしては基本的にそこと一緒になって調整していく形になろうかと思います。面会についても、基本的にはケースワーカーと一緒になりながらですが、ケースワーカーも数多くの業務を持っておりますので、面会の対応についても、夜間やお仕事の都合で土日しか無理な場合もあるでしょうから、シフトを組んで対応していく必要性もありますので、当然人はいると思っています。なので、3人というのは別に少ない数ではなくて、本来ケースワーカーがそれぞれ担当している業務を、ある意味窓口を担う、関係機関の調整をする立場ですので、一定3人行けばある程度始まると思います。なお一時保護所にいる子どもは、明石市の場合これまで1年半の平均は10人くらいです。コロナの後増えていって今は十数名の子どもたちが一時保護所で過ごしていますが、小さい子もいますから、いわゆる通学適齢期については10人に満たない数ですので対応できると思っています。所長については改めて原点に立ち返って、本来あるべき姿にしていく意味において、私が最も信頼する者に改めて所長になってもらったということです。

記者

検討会でも中間報告書の不十分さの指摘があり、その中で最初の県の保護についても妥当だったというところがあり、代理人弁護士からも指摘がありましたが、具体的に市長が不十分だと感じたところはどういったところですか。

市長

明石市としては県から引き継いだときに、もっとつぶさに精査すべきところを精査しなかった事案、その延長線で即時抗告すべきでないのに即時抗告をした、面会を月1回程度しか対応しなかったあたりは、明石市長としてすでに謝罪申し上げ反省している点であります。加えてすでに県の対応についても、少なくとも28条の申立てはすべきでなかったと思っていますし、県の対応についても反省すべきだと考えており、私は県も検証してご両親に謝罪すべきだとすでにお伝えしている立場です。

記者

1回目の委員会の中で、面会が基準なく従来通りの職員の認識でやってきたというところで、一定の基準を示してほしいことをおっしゃっていました。委員会の答申もまだ出ていない中で、面会が原則自由という方向性は認識されていたと思いますが、今回こういう形で面会の確保をすることに、委員会への答申が明確な基準を設ける中で、齟齬が出ると思いませんが、そういったものが出てくるまでに方向性を打ち出すということをどう考えていますか。

市長

その辺りは先日の検討会でも一定の方向性を共通認識だと確認していますし、検討会の前も後も個々の委員と連絡を取り合っている状況にあります。面会は本来、制限は必要最小限であるべきというテーマで一致しておりますので、そういった意味では委員会の報告と方向性は一致しているという認識です。

記者

例えば小さな子どもであれば、親が望んでいるということを聞かされれば、本人の希望に関係なく会いたいと言ってしまうという判断の難しさがあるとおっしゃっていました。今回この面会機会の確保というのは子どもにとって原則自由とありますが、この中での細かい条件についてどのように考えていますか。リスクの判断や、子どもが会うことによって主導など、整合性はどう考えていますか。

市長

そこも大変重要なテーマで、最大のポイントは誰が判断するのが原則なのかだと思うんです。これまでの児童相談所の実務の運用は行政が判断する、つまり行政が子どもにとっての幸せというものを判断するというたてつけでできていて、今もそうです。本来はそうではなく、子どもの幸せは子どもが決めるべきものであり、子ども自身が本来の意思があってその意思を最大限尊重する。その時にその意思が表面的な言葉と心がずれることがあります。だからこそ児童相談所には高度な専門性を有する心理職がいて、その心理職がしっかりと子どもの心の声を把握する必要性があると思います。そういった中で子どもが望む状況であれば、それをアレンジするのが行政の務めだと思います。子どもに対するリスクを回避すべく、一定のリスクがあるのであれば、当然立ち会いとかガラス越しとか、いろんな工夫はあるわけです。行政が会わすか会わさないかを判断するのではなく、子どもが会いたいのであれば会わす前提に立って、子どもにまつわるリスクというものを行政が回避するという発想の転換をしないことには、いつまでたっても子どもの為と言いながら、子どもは会いたくないだろうと言って、会わせていないという形の運用が続いているという認識をしていて、ここは発想の転換をする必要があるという判断です。

記者

リスクがあればガラス越しで面会をさせるという前提で工夫をしていく、そういうリスクも従来通り判断し、吟味した上で対応するという意味ですか。

市長

そうです。例えば乳幼児の場合には意思確認は難しいわけですが、一般論で言いますと乳幼児の場合に何のリスクがあるのかということなんです。連れ去るリスクというのであれば連れ去られないように職員が立ち会うなり、二重に鍵を閉めて中で会ってもらえばいいだけですし、立ち会っているところで子どもに危害を及ぼすようなことはされると思いません。もしそんなリスクがあるのであれば、ガラス越しなどで顔を見ることだけでもできるわけですから、そこはリスクを回避する方向で行政が努力すべきであって、リスクを理由に会わさないという運用は改めるべきだという立場です。

記者

先ほど内部検証のやり直しのところでおっしゃっていましたが、県による28条の申し立ては誤りだったと、市長の立場を我々は考慮しますが、その医者が虐待の疑いがあるという判断をし、見解を出した時に、それを覆すすべが現実にあると思われますか。

市長

思います、全然難しくないです。私も刑事弁護していましたが、例えば刑事弁護の場合には、した行為そのものについて罪に問うか否かという論点です。一時保護はそうではなくて、行為があろうがなかろうが、子どもにとって必要であればどうするかというふうに論点がずれるんですけど、重なるところはあります。本件の場合には当該100%虐待と言った医者は直接子どもを診察していません、紙だけです。紙だけで100%虐待だと言えるわけがありません。その子どもに対し、一定何らかの行為をする、行為をする前提としての心の動き、すなわち動機が通常あることが一般的です。加えて一定の行為が見られる場合には、それに付随する関連的な行為があることもあります。揺さぶり症候群などでの無罪判決が次々と出ていますが、そことも関連していると私は思っています。

記者

面会機会の確保ですが、調整をする場合というのは、子どもから言うのか親から言うのかどちらでしょうか。

市長

そこは子どもからです。もちろん乳幼児の場合は子どもから発せられませんから、基本的に親からにならざるを得ません。親からの申し出を踏まえて対応することになりますが、原則子どもの権利ですから、子どもの権利としての通学、面会を行政がしっかりと保障していくというのが大前提だと思っています。

記者

従来子どもから、親と面会したいけど実際には月1回や2回でしかできないという、そういった実態はあったんでしょうか。

市長

全国そうです、今もそうです。

記者

親が面会したいと言っているのではなく、子どもが面会したいと言っていることもあるということですね。

市長

実務の全国の運用はそうです、今もそうです。何も変わっていません、残念ながら。

記者

明石市の中で、子どもから申し出が何回あって実際面会は何回でしたという記録が残っていたりしますか。

市長

まず今の児童相談所の実務に、子どもから申し出を聞く文化がありません。だから子どもの声を聞く文化になっていません。

記者

現状として子どもが親に会いたいというニーズがあるというのは、何を持って言われていますか。

市長

子どもに聞けばいいだけです。

記者

聞いた結果、実際にこうだからというのは特に明石市としてはないんですか。

市長

そこは迂闊でした。私自身強い思いを持って昨年4月に児童相談所を立ち上げた認識でありましたが、施設整備については個室対応をしたり、職員の数も国基準の2倍配置したり、専門性の資格のある者を配置した部分はあるつもりでした。通学についても通学をしないのではなくて、できるところには意識高く持ってスタートしました。ただ実際は国の手引きやガイドラインに基づいて運用がなされ、経験の蓄積というのはこれまでの全国の実務の児童相談所の運用を参考にしてなされてしまうんです。これは何とかしたい、せめて子どもの声を聞けるようにと思って一時保護所を作ったにも関わらず、子どもの声を聞くというマニュアルになっていないので、子どもの声を聞くことなく日々が過ぎてしまっていたということが最大の問題です。私としては今回新しい課を新設することによって、その担当者が日々子どもの声を聞いて、本来学校に行きたい子が多いでしょうから、どうしても行きたくない事情がない限りは学校に送り迎えする、会いたい友達、会いたい親がいるのであれば連絡をして調整してあげるというイメージで考えています。これは人を付けて発想を大転換しないと始まらないと判断しました。国や県の運用を漫然とするのではなく、本来あるべきスタンスに立って運用を再スタートしたいと思っています。

記者

面会についてはどのようにお考えですか。

市長

面会も子どもが会いたければ、連絡をつけて調整してセットすればよいと思います。

記者

その根拠はありますか。

市長

大原則、人は自由な生き物です。親が例えば食事を作らなくて、ネグレクトで栄養のある食事が必要だという観点から一時保護したお子さんについて、一時保護したからといって誰とも会ってはいけませんという運用がおかしいのであって、その子どもが仲の良い友達と会いたいのであれば会えるように調整するのが本来の姿です。それを子どものためにということを言い訳にして、すべての権利制限を黙認してしまっている日本社会の運用が問題だと多います。根拠どころか人間は自由であって、理由なくして人間の連絡や面会を遮断することはできないと思います。

記者

こども通学・面会等支援課の3名の職員は、子どもとの調整を行い、実際に面会のアテンドするのはケースワーカーや臨床心理士になると思うのですが、そこの人員は強化するのでしょうか。

市長

ケースワーカーや専門職は国基準の2倍人員を配置していますので、職員の数が足りていないとは思っていません。ただ問題意識がリスクです。誰も悪い人はいないんです。みんな子どものためを思っているんです。子どものためを思うがゆえに、もし学校でいじめられたらどうしようとか、何かあれば困るという心配ごころ、子どもを傷つけたくないという一心で無理しなくて良いという判断になっています。運用の原則をしっかり打ち立てて、通学も朝の7時台からしますから、担当者も日常業務がある中で朝の7時台や夕方帰宅時の対応を考えると当然増員は必要だろうと思います。学校との連絡調整とか警察との連絡調整なども必要な場面はありますので、そういう意味では担当課がしっかりとそこを受け持つ、しかしながら実質的には当該子どもの担当職員などでしっかり対応していけるような体制を早期に築きたいという思いです。

記者

今回子ども目線で児童相談所改革をするということですが、今回の施策というのは国の児童相談所のあり方に一石を投じるものだと思います。国に今回の施策を受けて期待することは何かありますか。

市長

たくさんあります。児童相談所については抜本的に発想を切り替えないといけないと思います。歴史的に見ると児童相談所というのは元々、戦争が終わっていわゆる食べ物がない戦災孤児を保護するところから始まっています。そこから始まったにも関わらず時代が変わる中で、2000年に児童虐待防止法が議員立法でできました。大変不幸です。本来こういう重要なことは議員立法ではなくしっかりとした省庁が責任を持つ形で作るべきでした。ところが議員立法でできたために十分な予算が追加されることなく、それまでの機関である児童相談所に虐待任務を負わせる形でスタートしてしまったのが一番の不幸です。その後、障害者虐待防止法や高齢者虐待防止法も制定されましたが、それらにつきましては基本的に市町村責務です。つまりそういった虐待という家庭に近いことは生活に近い行政、すなわち市町村が本来責任を負うという形で、高齢者虐待防止や障害者虐待防止というのは位置付いているんです。もっと大変な子どもの分野については原則都道府県の業務についたままで、都道府県もしくは政令市だけが責任を負い、中核市でやりたいところだけやったらいいというような状況がまだ続いています。都道府県なので子どもの虐待の対応をしたくても、都道府県はその子をめぐる住民票や家族関係すら把握できません。地域の様々な方とも繋がっていません。そんな遠い都道府県で子どもの虐待を早期に把握し、継続的な支援をすることは極めて困難です。もっと身近なところが児童虐待防止のテーマについて本腰を入れて取り組む必要があるにも関わらず、いまだに進んでいないのが現状であると思います。こういったことを含めて、抜本的に子どもの命を守る子どもの未来をしっかりと応援していくような社会に変えていく必要性は今なお強いというか、ますます強まっていると思います。

記者

面会がこれまで月1回にされてしまっていた一番の理由は、最初の原則みたいなものが職員間で認識されていなかったからなのか、職員そのものの数、例えば面会には立会いが必要で、ローテーションを回すのが難しかったからとかその辺の理由はどうでしょうか。

市長

理由は数多くあると思いますが、最大の問題は子どもの声を聞く文化がないというところ、子どもの声を聞き、子どもの思いを叶えるという発想そのものの欠落だと思います。加えて職員にとっては手間暇かかりますから、そういった形も含めて無理することはないと言うか、行政判断でお恵みとして会わせてあげているような運用がなされてきたと思います。そこは根本的に行政が独自の判断で会わせてあげるという発想ではなく、本来は子どものために安全を確保して、食事や栄養を確保するのが一時保護所ですから、だからといって学校に行かせないとか誰にも会わせないということが本来許されていいはずがないと私は思います。

記者

これまでの実際の運用として、面会する場合は基本的に、必ず立会いの人は付けるというのが原則になっていますか。

市長

今はその運用だと理解しています。ただ例えば今回のケースは乳児院に入ってもらって、普通に会ってもらったら良かったと思います。それ以上の制限をする必要があったのかと思います。逆に言うと子どもからすると会いに来てもらえない方が思いは複雑ですから。子どもに会いたいと言って会ってくれる親がいる方が、それこそしっかりと親子関係を作っていただければ良い話で、それをするのが児童相談所だと思いますので、今回明石市もそれができていなかったことは市長としては申し訳なく思っています。

記者

今あくまで前提は子ども本人が面会を望んでいるケースに限るということで、かつ毎日というのはA君1人が毎日というのも可能だということですか。

市長

そうです。私もしょっちゅう一時保護所に行っていますけど、ふらっと行って子どもたちと一緒にご飯を食べていますけど、なんてことないです。もちろん、親が目の前で虐待すれば別ですけれども、例えば精神的にしんどくなってぼーっとしてしまい、食事を作れない親から子どもをお預かりする形で一時保護をして、栄養のある食事を三食提供しているというような状況であれば、親が毎日決められた時間に子どもの顔を見に来るんだったら、今日もお越しくださいました、どうぞ2階に上がって下さいと言って子どもと会えばいいだけのことであって、何も難しいことはないと思います、私からすれば。お母さんが少し居て帰りますと言って帰っていくという中で、お母さんも少し生活を立て直していただいて子どもをちゃんと迎えられる環境が整えば、お母さんの下で一緒に暮らしていただくと。明石の場合にはそういった困難ケースの場合に親子で暮らせる部屋も作ったんです、3年前に。通常の児童養護施設ではなくて、明石で作った児童養護施設には親子で暮らせる部屋も2部屋作って親と子どもが一緒に暮らしながら自炊もできるし、自炊ができなくても施設の食堂からも持っていけるような部屋を二部屋。そういった部屋を活用すれば、今みたいなケースの時には何度も顔を合わせながら、途中からその部屋で親子で暮らしてもらって、お母さんの心の波が落ち着いて大丈夫と思ったら、本来のご自宅に帰っていただくということを予定して作ったつもりです。市長として思いを込めて作りましたけれども、残念ながらほとんど運用されていなかったのも、実際の運用が国の決めたマニュアルや県がやってきた実務運用に引っ張られてしまったので、市長として本来あるべき姿を目指したはずなのに、明石市の児童相談所も他の児童相談所と変わらない児童相談所になりかねない状況を懸念して、改めて体制を強化し、子どもにとって望ましい児童相談所作りをもう一回頑張りたいという思いです。

記者

面会の対象というのは 基本的には親を中心に、親類や友達も含めてということですか。

市長

そうです。

記者

通学ですが、基本的には今の運用では、必ず送迎をしているんですか。

市長

全てしているわけではなく、状況次第です。最初は担当者が付き添って送迎、その後担当者が付かずに車だけで送迎、その後は自分で歩いて行くケースもありますから、全てそうではありません。リスク管理との兼ね合いの問題であると思います。

記者

これまで 通学が5割ぐらいにとどまっていた理由というのは、送迎をやる人が少ないからなのかその辺の理由はどうでしょうか。

市長

いくつか要素はありますが、「朝7時台に誰が送っていくのか」というテーマは当然あります。車で送って行くんだったら公用車があるのかということもあるんです。それこそ、一時はお迎えだけに公用車を出した時期もあったようで、そうすると単にその子を迎えるためだけに午後3時半に市役所の職員の運転手と公用車が1日、そのためだけにいるようなケースがあったみたいで、そうすると公用車の使い方としてそれはどうなのかという議論もあったようです。そういう意味では、私としては反省しているのは、やっぱりそこの仕組みづくりをしっかりしないと、全国に事例がないので、結局明石でやろうとしても運用がうまく回らないと、そこまでしなくてもいいのではないかとか、職員の負担感という中でどうしても減少傾向にあったと理解しています。加えて、もっと大きい理由はリスクです。もしもの時に学校に親御さんが取り戻しに来たらどうするかとか、子どもが心無いことを言われていじめられるのではないかなど、いわゆる子どものためを思う子どもの安全を思うが故の、無理しなくて良いのではないか的なことがかなり影響したとは思います。

記者

さきほど5割の話があったと思いますが、その5割は希望者の中の5割なのか、入所している子どもの中からですか。

市長

通学対象者の5割という理解です。

記者

では、その中で通学を希望していない子も中には入っているということですか。

市長

もちろんそうです。全員が全員希望するというわけではないので。学校でいじめとか、学校におけるいろいろな中での状況の場合は、元の学校に行きたくない子どもは当然いますので、100%の子どもが元の学校に行きたいとは限りません。

記者

職員の方の処分とかは考えているんでしょうか。

市長

処分などは全く考えていません。職員は頑張っているんです。難しいテーマは、職員は頑張っています。子どもの事も思っています。みんな頑張っているんですよ、頑張っているし子どものことを思っているんです。何が問題かと言うと、子どものことを思うがゆえにリスクを負わないことを選んでしまっているので、そのリスクというものに対してしっかりと、解決するとかリスク回避をするという発想に慣れていないんです。

記者

児童相談所としていろんなケースがあると思うんですが、一時保護とか処分措置とか、その後もありますけれども、今回の面会とか通学についてはあくまでもその一時保護中のことということでよろしいですか。

市長

それを言うと一時保護中だけではありません。一時保護も委託もありますし、一時保護の後の児童養護施設もあります。明石では、児童養護施設からも全員学校に通えるようにというかたちで、それは基本的にできていると認識しています。明石市内にも児童養護施設ありますが、近くの小学校とか高校などにもそこから通っています。それは基本的に、一時保護中も含めて、学校というものは子どもにとっての大変重要な居場所ですから、子どもから学校という場所を奪うべきではないと、ちゃんとやるべきだと思います。

記者

面会も通学も全過程を通じてということですか。

市長

そうです。

記者

一時保護プラス、施設に入っているときも含めてということですか。

市長

そうです。人は自由な生き物ですから、制限はしてはいけないというのが大原則であって、当たり前です。家庭に事情があって子どもを保護したということは、子どものために子どもを保護しているだけであって、権利制限をしていい理由にはならないと思います。

記者

今回のケースだと3人の職員の方が一時保護中を含めて、マネジメントをするというイメージですか。

市長

そうです。後は、人数ではなくて発想だと思います。市長の強い意志と方針で子どもはすべからく学校に行く、そのためにベストを尽くすということが入れば始まると思います。

記者

明石の場合はどこまで明らかにしているのか分かりませんが、児童相談所と保護所が一体化しているというところがあって、児童相談所から学校に行く場合はかなりリスクがあるので、原則運用としては、一時保護所からの学校通学は基本は避けるということもあったと思うんですが、それは全くそういう発想にはないということですか。

市長

それはご指摘の通りで、未だに国は一時保護所の場所は言うなということです。だから、私は今喋っていますが、一時保護所がどこにあるかとか一時保護所について語らないように国はまだ指導をしています。つまり、子どもを隠すんですね。一時保護所という場所がないものとみなすような形の運用を国が求めていて、その理由は、子どものプライバシーの観点から、一時保護されていることが分かると子どもが辛いだろうという形も含めて、一時保護所を隠す運用です。私は一時保護所から胸を張って学校に通えばいいと思います。

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