当事者から学んだこと〜障害理解の研修アンケートから〜 障害当事者を講師とした研修会のアンケートから抜粋 ○視覚障害者の体験談、アイマスク体験、点字の演習などからの気づき(市職員)  ・見えない方の気持ち「選ぶ楽しみ」への気配りの大切さを学べた。また見えないことの怖さと見えないから感じる太陽光の暖かさや風の気配が感じられて世界が広がったように思う。点字を自分で打つことができて感動した。情報の伝え方、言葉選びを教わりたい。  ・視覚障害者の情報を得ることの難しさは現実的に想像したことがなかった。また先天性と後天性視覚障害の方ではコミュニケーションでの理解度に差があることはお話を伺うまで実感したことはなかった。  ・見えない方には必要な情報を「上手に伝える」必要があり、それには日々の練習が必要になると思います。イメージが膨らむ伝え方を考えたいです。 ○聴覚障害者の体験談、手話体験などからの気づき(市職員)  ・いざ、耳に障害のある方と会話をする機会がある場合、なかなか対応できない自分がいると思ったため、基本的な手話を学んだことにより相手に不快のないように対応できることや、相手の気持を考える余裕も生まれると思った  ・さまざまなコミュニケーション手段があっても、それはお互いの意識が向いていないととても難しいことだと思った  ・自分にとっては当たり前のことが、聴覚障害者は気づけないと危険なこともたくさんあると知った  ・分かってもらえなかったり、時間がかかって迷惑がかかるからと伝えたいことをあきらめてしまうという話を聞いて悲しくなった ○小学校手話体験教室から(市内の小学校4年生)  ・僕は普通のように耳で聞いているけど、聞こえない人は大変だから、手話は大切なんだと思いました。手話を教えてくれた皆さんに感謝したいです。  ・耳の聞こえない人は聞こえる人に手話で話してもわからなくて自分の言いたいことがうまく伝わらないからすごく大変だとわかりました。  ・耳が聞こえなくても手話を使えば心が通じ合えることがわかりました。いろいろ不自由なこともたくさんあるとわかりました。みんなが手話を知っていたら耳の聞こえない人も不自由なことはないのかなと思いました。 【当事者から話を聞くことの効果】 @ 機能的な障害の理解ではなく、当事者の環境や状態によって個別性があることを知る A 社会の中での不便さや理解してもらえないことによる悲しみや苦しみを知る B 自分が日常的に当たり前と感じていることが障害により当たり前ではないことを知る  →障害者手話言語等コミュニケーション条例の理念である「相互の違いの理解」         研修後の気持の変化を行動の変化につなげる ○今後、こう対応したい(市職員)  ・支援の仕方については間違った認識でした。障害者の方にとっては日常の不便さの中に自分の好みや自分の考えに伴った手順などがあり、何もかも効率性を求めるだけでは喜びや満足感は得られないのだと認識しました。支援する場合は相手の細かな意思をお聞きしてから行うことにします  ・できる限りの情報を提供して、対象者本人が意思決定するという私たちがあたり前にしていることを当たり前にしてもらえるように接していきたいです。  ・視覚障害のある方に情報説明することも、ためらわずにしたいです  ・聴覚障害者のニーズに合ったコミュニケーション方法で対応したい  ・聴覚障害を知ることによって、他の障害を持っている人にもさらに伝わりやすい方法がないかを今後も考えたい  ・音のない世界の人は、どう思い、どう行動するのかということに思いを馳せる心の余裕も大切と感じた  ・補聴器をつけている人が聞こえているとは限らないということを学んだので、今後窓口に来庁された際も返答の様子によって、筆談やジェスチャーを組み合わせるなど対応を変えていこうと思う  (小学生) ・手話をあまり覚えていなくても、口話や空書などを使って一生懸命伝えるようにして助けたいです。 ・放送とかが流れて聞こえてなさそうだったら教えたいと思いました ・手話の意味を考えたりするのが楽しかったのでいろいろな手話の本を読んで、もっと手話のことや意味を知って家の人と使ってみたいと思いました ・怖がらず、覚えた手話を使って、口で話すのと同じように話したいです。相手が気持ちよく話せてきちんと気持ちが伝わるように精一杯頑張りたいです 【よりよいコミュニケーション環境をつくるために】 @ 障害のある人とどのように自分が接してきたかを振り返る A 何を改善する必要があるか、何から改善できるかを考える B 職場の同僚や友人、地域の人と情報を共有し、一緒に取り組む C 常に当事者の声や様子を把握し、意見交換できる関係をつくる 振り返り→検討→共有→意見交換→環境の整備を繰り返し、やさしい街づくりへ