資料2 ■課題整理(案) 〜各委員からの意見をもとに 【はじめに】 ○ 課題整理(案)では、各委員の意見全体について、主に以下のように課題として分類した。 1.コミュニケーション手段の理解と普及に関連する課題 2.既存の事業と施策の見直しに関連する課題 3.本市の関係部署における業務内容の見直しに関連する課題 4.その他のコミュニケーション支援に関連する意見 5.情報の利用等の環境整備に関連して ○ 上記1〜3の分類項目では、情報の利用等を含む各コミュニケーション手段にどのような課題があるかを抽出し、比較的短期間(1〜2年)で取り組みが可能と考えられるもの【課題A】と、中期・長期の期間(3〜5年)の検討を要するもの【課題B】に分けて一定の整理を行った。 1.コミュニケーション手段の理解と普及に関連する課題 (1)「手話言語」に関連して 【課題A】 ○手話及び手話言語に関する啓発セミナーの開催 ○手話を通じたろう者と聴者(市民)との交流によるコミュニケーションの方法を学ぶ場づくり 【課題B】 ○市職員が手話を学習する手引書の作成と研修の推進 ○学校教育・社会教育を通じた手話言語とろう者に対する理解の促進 ○公的施設の利用における手話によるコミュニケーション支援の充実 (2)「要約筆記」に関連して 【課題A】 ○啓発、普及活動の取り組み(市内の難聴者の会と要約筆記サークルの協力による「耳の日の集い」「聞こえのセミナー」の開催など) ○市行事(講演会・イベント・成人式等)における要約筆記の設置の推進 【課題B】 ○要約筆記者の養成、技能向上 ○啓発講座の実施(対象は中途失聴者・難聴者とその家族、聴覚障害に関心のある一般市民) (3)「点字・音読」に関連して 【課題A】 ○広報などにおける点字・音訳関連のサービス内容の周知。 ○視覚障害者との交流の場を通じた要望の聞き取り 【課題B】 ○視覚障害者となった人が点字習得の努力を続けられるシステムの構築 (点字習得のための継続学習が難しい人を支える仕組みづくり) ○音訳者の後継者育成と技能向上のための研修・養成講座の開催 (4)「ひらがな等の表記」に関連して 【課題A】 ○知的障害のコミュニケーションに関する理解を深めるセミナーの実施 ○行政が発行するパンフレットなどの「わかりやすい版」の作成(知的障害者や家族、支援事業所従事者や市職員でプロジェクトチームをつくり、お互いに意見交換をしながら取り組む) 【課題B】 ○紙媒体のもので音声案内ができないもの(特に案内表示や、新聞、説明書など)の「わかりやすい版」の作成を作成 2.既存の事業と施策の見直しに関連する課題 (1)「手話言語」に関連して 【課題A】 ○手話通訳者派遣の範囲の拡大(実施要綱の見直し) 【課題B】 ○ろう者の職員採用 ○設置手話通訳者の正規雇用 ○聴覚障害者相談員の正規雇用 (2)「要約筆記」に関連して 【課題A】 ○要約筆記派遣事業(個人派遣制度)の利用枠の拡大(実施要綱の見直し)   (3)「点字・音読」に関連して 【課題A】 ○音読(訳)による市広報の有償化 【課題B】 ○視覚障害者のニーズの掘起こしと、それに見合う点字(訳)・音読(訳)ボランティア養成の目標レベルの設定 ○音読(訳)養成講座修了者によるボランティア活動の有償化 (4)「ひらがな等の表記」に関連して 【課題B】 ○知的障害のある人のデザインパネルなど、視覚的な支援ツールによる意思疎通を図る方法の開発 3.本市の関係部署における業務内容の見直しに関する課題 (1)「手話言語」に関連して 【課題B】 ○窓口案内における電光掲示板の設置など、視覚的なガイド情報を提供でき る設備の整備 ○医療機関などの公共機関における手話通訳者の設置 (2)「要約筆記」に関連して 【課題B】 ○病院等に専門知識を持った要約筆記者の設置(専門性の高い内容のやりとりに対応できるスタッフの配置) (3)「点字・音読」に関連して 【課題A】 ○視覚障害者向け公文書・選挙公報その他の点字化 (双方向コミュニケーション) 【課題B】 ○音訳する前段階での文章化(例:ハザードマップなど) ○市役所からの発出文書に関する横断的な視点による音訳の計画的実施 ○「音読」による「音声案内」の設備の整備 (音声案内は、やりすぎるとさしさわりがあるため、音声案内専用のヘッドフォン又は視覚障害者の専用スペースを設けるなど) 4.その他のコミュニケーション支援に関連する意見 【課題A】 ○辛うじて文字を読むことが可能な弱視者には、拡大版も必要。 ○盲ろう者には、「指点字」による要約や会話が必要。 【課題B】 ○身振りや表情も意思疎通(コミュニケーション)のひとつであり、ALS(※)障害者等にも文字ボード、単語ボード等は必要。 (※)ALS:筋萎縮性側索硬化症。重い筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、極めて進行が速く、治癒のための有効な治療法は現在確立されていない。 ○いわゆる「言語」以外にも、絵図や写真・記号・サイン・ジェスチャー(見本の動きを示すなど)・表情など、様々なコミュニケーション手段がある。 ○話すこと、書くことへの支援。障害のある人が、思っていることを「伝える」ための支援も必要。 5.情報の利用等に関する環境整備に関連して  ○今回は、新しい図書館(明石駅前、平成28年12月開館予定)に関する意見があった。 【課題A】 ○図書館の運営指針として、視聴覚障害、知的障害などの情報の取得及び利用が困難な障害者(以下、「利用者」とする。)の自立と社会参加支援のためにサービスを積極的に行うこととする。 ○利用者へのサービスを適切に提供できるようにするため、利用者の意思の確認を行うことができる仕組みを構築する。 ○視聴覚障害者用の「視聴覚室」を設置し、点字ディスプレイ、音訳データ再生機・DVD再生機などを装備する。 ○書架を設け、点字・音訳書籍の新刊、字幕付きDVDなどを紹介する。 【課題B】 ○インターネットを使えない利用者が視聴覚室へ行けば点訳物、音訳物、D VD、ビデオ(わかりやすい版を含む)などを自分で選択して視聴できるようにする。 ○各年度ごとに、利用者のサービス実績を公表する。 以上