第1回(仮称)明石市手話言語及び点字・ひらがな表記等障害者のコミュニケーション手段を促進する条例検討委員会 日時:平成26年9月19日 金曜日 午前10時から12時 場所:明石市役所本庁舎804会議室 (議事概要) 1 条例の趣旨説明についての質疑 ・背景のところで、「手話言語のみに特化せず」とあるが、現時点で成立している5自治体の条例はほぼ手話言語に限定した内容である。幅広くコミュニケーション支援をしていく方が望ましいと考えるが、それによって手話言語の部分が薄まるのではと懸念している人もいるのではないか。 →(事務局)ご指摘の内容については、明石ろうあ協会も懸念されている。市としては包括的な条例を目指すが、手話言語の部分については別立てで規定した上で、他自治体の手話言語条例にも劣らない内容としたいと考えている。 ・今回の条例制定の意義は強い。障害者差別解消に関する条例の前にコミュニケーション支援の条例づくりに取り組んでいけることは意義がある。今回の条例を理念条例に終わらせるのではなく、具体的施策まで言及するような実効性のある条例にしていく必要がある。 →(事務局)条例の作り方そのものを検討していきたい。4回の検討委員会を通じて委員から意見を出してほしい。 ・コミュニケーションはお互いの意思の疎通ということ。そのための様々なツールはあるが、知的障害者には手段の前にコミュニケーション能力の壁がある。その能力が低いのが知的障害の特徴(障害によっては高い人もいるが)。いろんな手段を与えてもらっても使いこなせないという現実があることも忘れないでほしい。 →(事務局)条例の仮称にも「手段を促進」という言葉はあるが、それだけでは足りないとは認識している。明文化は難しくても、手段以外の部分についても内容に入れていきたい。        障害者基本法の中の「意思決定の支援」ということが規定されている。その部分も含めて、条例化の中で検討していきたい。 2 委員からの意見 ・条例の仮称に要約筆記と音読が入っていない。名称が長すぎるのも良くないとは思うが、不平等感のない、全体をまとめた表現にしてほしい。 →(事務局)仮称であり、決定ではない。条例名称にすべてを網羅するのは難しいが、委員の意見を聞いた上で検討していきたい。        ただし、「不平等なくまとめる」ということに関して、手話言語は音声言語とは別に明記する必要がある。 ・ 聴覚障害者の相談員について、ろう者は相談員として配置されているが難聴者の相談員がいない。数年来、市にも要望しているが、かなえられていない。相談員に難聴者とろう者が平等に入るべき。 →(事務局)相談員制度は県の制度から市の制度となり、相談支援ということが取りざたされる中、検討課題は多い。今後検討していきたい。 ・市民図書館で新しい書籍の点字版はじめ、視覚障害者用書籍等の充実を望む。 →(事務局)点字図書においては点字化に時間がかかるなど、視覚障害者が情報収集に苦労されていることは認識している。明石駅前再開発構想の中にもある新しい市民図書館の中にも点字図書の部分についても配慮をということで検討してもらっている。 ・ 各委員の意見を読んで、改めて自分が関わる分野以外にもいろんなことがあると痛感した。日本には差別が厳然とあると感じる。今回の条例検討をチャンスととらえ、差別をなくしていきたいという気持ちを形にしていかないといけない。 当事者の方たちと一緒になって、情報も思いも共有して、この条例をきっかけに、市民全体が差別をなくす方向を目指していかないといけないと強く感じる。 →(事務局)差別事例について、本検討委員会で十分議論できないない部分は来年度に予定している差別解消条例の検討に引き継いでいこうと考えている。 (上記以外の意見等) ・新しい駅前図書館には音訳のデイジーCD視覚障害者など墨字の印刷物を読むことが困難な人々のためのカセットに代わるデジタル録音図書の国際標準規格。)を置けるようにしてほしい。 ・事前ヒアリングについては自分の専門の項目以外にも積極的に意見を出させてもらった。コミュニケーション手段の支援を整えていくことに意識的に取り組む我々が、社会的弱者への配慮をもって共生していく社会を目指して様々な施策を検討していく必要がある。 ・様々な障害程度があることもあり、知的障害自体がわかりにくいものではあるが、知的障害に対する世間の理解がまだまだ足りない。障害者施策は進んできて いる一方、障害者のグループホームを建設しようとすると地域から反対運動が起きる実態がある。 ・明石の実情と規模にあった条例化を望む。 ・これからは「手話言語を認める」ということだけでなく、他の障害の方ともお互いのことを理解し合ってともにがんばっていきたい。