資料3 当事者参画制度について 経緯  これまで5回の検討会を重ね、様々なテーマについて話し合ってきました。  その中で、「実質的な当事者参画」「情報保障」「関係機関等との協力及び連携」という「インクルーシブ社会の実現」に向けた核となる大きな3つのポイントが明らかになってきたところです。  特に「実質的な当事者参画」については、検討会の中でも多くの意見が出され、制度化がポイントと言われています。  そこで明石市では、条例制定に先立って2020年度から「当事者参画」を制度として位置付ける予定です。  今回の検討会では、事務局案を踏まえ、この制度がより良いものとなるために意見交換を行い、今後条例の一つの核として運用していきたいと考えています。 ≪参考≫これまでの検討会での主な意見 ・非常に多様な社会ニーズや身体的条件、家庭や社会条件それらを反映させるには1人でも多くの人が集まって考えるような当事者参画を進めていきたい。(第3回) ・当事者参画は、担当者のやる気の有無で行われるべきものではなく、仕組みとして作っていく必要がある。当事者参画のシステム化がポイントとなる。(第3回) ・当事者参画を理念から仕組みづくりへ。企画段階でどう当事者が入っているか。いろいろなイベントに当事者がどれぐらい参加しているか。半ば義務的になるようなそういったことを含めた当事者参加が必要。(第3回) ・インクルーシブを市民に伝えたり、条例の理念を広げて行ったりするには、当事者自身も積極的に社会に参加する必要がある。(第5回) 検討会での検討事項 今回の検討会では、主に次の2つのポイントについて意見交換をします。 @制度の運用を広げる工夫 ⇒せっかく制度を作っても、利用されなければ「絵に描いた餅」。多くの人に「利用したい!」と思ってもらうためにはどんな工夫が必要でしょうか? ⇒「こんな制度であれば自分なら利用したいと思う。」という観点からも、ご意見をいただきたく思います。 A対象事業の範囲 ⇒当事者参画が必要な事業や施策とはどんなものでしょうか? ⇒これまで当事者の意見を伝えて(聴いて)いればよかったと感じたことはありますか? ≪参考≫ 事務局の考える制度のポイント @当事者とのコミュニケーションにより進めることで、市民の当事者理解を深める契機とする。 A参画に対して謝礼を出すことで、当事者の社会参加の契機とする。 B企画段階から当事者の参加を得ることで、事業開始・施設供用開始時点での不備を減らす。 事務局の考える事業のスキーム @対象事業 当事者の参画が必要と考えられる事業全般 1.ハード面(施設・道路の新築、改修など) 2.ソフト面  例えば公的助成制度の拡充の際に当事者ニーズを事前に把握するなど、事業や施策を展開する際に、そのニーズや効果を測るために当事者から意見を聴く。 A登録対象者 1.障害当事者  様々な障害種別の障害当事者に登録してもらい、シチュエーションに応じた当事者に参画してもらう。 ≪STEP UP案≫ 2.障害当事者以外の市民  施設などに使いにくさを感じやすい人は、障害当事者以外にも想定される(高齢者、乳幼児、子どもを持つ親、LGBT当事者など)。これらの方にも登録してもらい、参画してもらう。 3.有識者  建築・福祉部門の市職員(職員で対応できない部門については外部の専門家)に登録してもらい、特に建築物の新設や改修の際に専門家としての意見をいただく。またソフト事業にこの制度を適用する場合は、その事業の専門家に意見をいただくことが考えられる。 B制度の運用を広げる工夫 1.費用負担について  ア 事業者などの制度利用者の費用負担を無料とし、制度の利用しやすさを図る。  イ 公的助成制度の利用ができる場合は、周知・啓発を図り、その利用につなげる。 ≪STEP UP案≫ 2.制度利用証明書の交付等について 事業者などの制度利用者のインセンティブを図るため、一定の基準を満たしている者(改修等により後日基準を満たす者を含む。)について、店舗等に貼るステッカーを渡す、市のHPで公開するといった施策を実施する。