第5回(仮称)あかしインクルーシブ条例検討会 心のバリアフリー部会議事概要 場所 明石市役所議会棟2階大会議室 日時 令和元年8月8日(木)14:35〜16:05 1 グループディスカッションの報告 Bグループ 福祉人材のテーマについて話し合った。まず、現状の確認として、明石市は人口が増えているが全体としては減っている。労働人口も福祉業界だけでなく、全体で減ってきている。そんな中で、福祉業界として生き残っていくためのすべが必要というところを確認した。「確保」「定着」「育成」は3つセットで考えるべき。まず「確保」でいうと、新卒の学生をイメージしやすいが、どうやって自分が福祉業界で専門職として成長していけるかを見える化・見せる化していける業界にしていく必要がある。明石の特徴としては、小規模作業所がたくさんあり、B型事業所だけでも50か所近くある中で、1事業所が独自で研修をじっくりとやるのは難しい。明石市全体の障害福祉分野として戦略を練っていくことが重要。具体的な案としては、「倫理観」「技術」「知識」といった大きく分けて3つのカリキュラムが必要。また、確保の部分で言うと障害理解を深めていく機会が必要。市民大学であったり、小中学生であったり、市民に裾野を広げて、人材を確保していくことが必要。育成については、「価値」「倫理」「理論」「知識」の観点で、育成していく必要がある。受けさせなければいけない、受けさせたいと思えるようなインセンティブが働くような仕組みにしていく必要がある。現実的には難しいかもしれないが、バッジや表彰状を渡す、加算をつける、レベルごとに金銀銅をつけるなどモチベーションが上がり、それをキャリアアップにつなげていくような仕組みが必要。明石市として考えていくべきではないか。看護師、理学療法士など障害福祉分野や地域福祉分野で専門職として働くイメージを持てていない方もいる。そういう方にも働くイメージを持ってもらう機会を市として作っていく必要がある。それが結果的に、親亡き後困る障害者の行き場や、いろいろな方が行きやすいグループホームの前向きな展開などインクルーシブにも関係してくるような事業展開ができるのではないか。 Cグループ 障害者の就労体験の場の設定と定着支援について話し合った。障害者の就労体験の場として、中学生の「トライやるウィーク」に似た「チャレンジウィーク」を開催している。その取組について、結果的には市にチャレンジウィークをしてもらったらどうかということで話がまとまった。理由としては、市は、一般的に特定の仕事をしてもらうために採用しているわけではなく。したがって、面接する側も不透明なところがあって、何を目的に採用したらいいかわからない部分もある。実際にどんな職種があるかを洗い出し、メニュー化をしてチャレンジウィークに参加したい人が自分で選択しやすいようにする。そのためには、実際に働いている障害のある職員に困り感はなにか意見をしっかりと聞かなければいけない。チャレンジしたい内容が具体化できると作業所も送り出すために必要な支援が明確になる。市のそういった取組がモデルケースとなる。市と企業の仕事内容に大きな差はないと思われるので、市がモデルケースを作ることで、企業にもチャレンジウィークを提案しやすくなる。後、作業所側としても何人も送り出していると通所する人がいなくなってしまうのではないかと不安もあるので、しっかりした報酬の保障があると、安心してケアができるという意見が出た。 Dグループ 医療的ケアが必要な子どもの問題や低年齢から障害のある子もない子も一緒に過ごすというのが前回までのまとめに出ているが、そのあたりも押さえながら話し合った。まとめとしては、やはり小さいときから一緒に過ごすということが自然の形で当たり前という受け入れができる。学校では、ハード面もソフト面もそういう体制が取れればいい。そうなるとお金がかかるため予算措置が必要になる。ハード面でいうとエレベーターの設置とか、医療的ケアが必要な子どもであれば、看護師の配置、発達障害の子どもであれば介助員の配置など。また支援学級の担任のスキルアップのための予算措置も必要になってくる。そのあたりがどうしても課題となってくる。いろいろな環境が整って、子どもたちや親に自由な選択の機会が保証されるということが大事。一般市民の方はなかなか興味関心がないのではないか。家族など身近に障害者がいる場合は、どういう風に対応すればいいのかなど関心を持つが、一般的には興味関心がないことが多い。そういう人たちの中に情報を入れていくということがインクルーシブという考え方を広めるためには大事。市や様々なネットワークの中に障害に関するマニュアルは氾濫しているが、それが有効活用されていない現状が残念。学校や地域の行事などどんな場合でも当事者が一緒にその場にいることによって学び、配慮が生まれることもある。そういう意味で共に学ぶ機会を提供していくことが大事。 Aグループ 総合相談支援のテーマで、庁内各課が自分の課題として積極的に連携していく、共存していく、棲み分けるところは棲み分け、手をつなぐところは手をつなぐためには、情報共有が必要。その中で「総合」というところの難しさが話題になった。病院でも総合診療科の窓口が一番難しい。情報を収集・分析して、その方が何に困っているのか瞬時に見てわからないといけない。いろいろな障害や困っている理由を問わず、相談をどこに行ってもできる。様々な専門家を配置して、そこで相談することもできるし、ピア相談もできる。これらが重なり合っていくような仕組みができていったら良い。そして、相談で得られた情報の中から分析する能力を身につけ、学び合い、助け合うことが大事になってくるのではないか。 (部会長) 総合相談のテーマについては、明石が現に持っている総合相談の仕組みを前提にするのか、一般的な総合相談について考えるかによって進め方がかなり違う。ワンストップの仕組みを行政が作るとすれば、特定の部署に捉われず全庁的な相談体制を作るか、特定の部署が初期相談を受け持つスキルを身につけるかのどちらかしかない。それを踏まえてチームとしての展開を考えると、当事者もピアサポーターとして入る仕組みが組み込めると明石らしいいいものができる。 福祉人材の育成と確保については、リアリティのある話。どの事業所も困っている。それぞれの事業所単位でやれるものと無理なものがある。明石全体として市が責任をもって、倫理、技術、知識を高める人材の研修体系を組んでサポートしていく。市と社協で連携して、資格を持っている人たちなどをうまく市にすくい上げていく。評価する仕組みなども。事業所も大変。研修に行かせると事業所に人がいなくなる。研修に行くときに必要なお金の問題を考えて確保する。 就労のテーマもリアリティがある。「チャレンジウィーク」を市役所の全課が受けていく覚悟が必要。行政が業務分析をし、受け入れることができれば障害者をお受けする。本人が得意な部分と苦手な部分を把握し、苦手な部分についてはサポートしながら進める。まず行政が実践して、それを民間にも見せていく。 インクルーシブ教育については、ハード面・ソフト面の取組を踏まえて幅広い選択肢を提供しながら選択してもらう。気になっているのは選択するのは誰かという問題。親?意見表明権は本人にある。子どもの気持ちがどこまで優先されるか。今後3歳児以上の教育費が無料化される。思い切って3,4,5歳は統合教育をするというのはどうか。