資料3 課題と具体的取組について ◇総合相談支援体制の整備 これまでに出た主な課題 ◇各部署での初期相談の受け方、その後の振り分け方などの役割分担が、案件を重ねるにつれ、ずれが生じている。 ◇連携がうまくいかない要因として、情報をオープンにできないということがある。一方でオープンにした場合、守秘義務を守る担保をどのように図るかも大きな課題。 ◇安心して相談できるよう、相談を受ける側は関心を持って理解することが必要。当事者だからといって、自分自身の困りごとや課題が何かということを明確に把握しているわけではない。 検討会で出た方向性・取組案 ・各部署が一緒に研修を受ける。(第1回)、研修会での顔合わせ(第2回) ・各部署間で信頼関係を持つ場を定期的に作る。(第2回) ・共通連携シートの作成(第2回) ・個人情報保護を緩やかにしつつ守秘義務を担保できるようにする。(第2回) ◇福祉人材の育成及び確保 これまでに出た主な課題 ◇事業所の人材不足が深刻。数の不足はもちろんだが、確保した人材が定着しないことも問題。 ◇実情として育成まで手が回っていない。特に小規模事業所等は研修する時間もない。 ◇福祉人材が不足する中で障害分野に係る福祉人材は少数。定着のためにもやりがい、スキルアップ、ステップアップが実感できないといけない。 ⇒これらの要因から当事者が制度上のサービスを満足に利用できていない。 取組内容(案) 福祉人材に対する研修の実施 ≪対象者≫障害福祉サービス等事業所に勤務する職員 ≪内 容≫倫理的な側面と技術的な側面の両面から研修内容を体系化する等、障害福祉に関する研修プログラムを構築する。 取組の理由、課題、工夫など ◇利用者に質の高いサービスを提供するためには、福祉人材の育成、確保に加えて定着が大きな課題である。 ◇上記研修を実施することで、職員の意識や知識の向上につなげる。また、他の事業所等の職員と一緒に話し合うことで、自身が抱える業務上の悩みの解消にもつなげる。 ◇業務の忙しさから、そもそも研修に参加すること自体が困難なケースがある。事業所等の理解が得られるしかけ作りが必要。 ◇キャリアアップにつながるよう、バッジや表彰状などでインセンティブを持たせるような仕組みを検討する。 ◇障害者に対する就労支援 これまでに出た主な課題 ◇単に雇うか雇わないかの二択ではなく企業側とのマッチングが必要。 ◇特に外見から判断しにくい知的障害者、精神障害者、発達障害者などへの企業側の理解がまだ十分でない。 ◇市が障害者を採用する場合、採用された後に働き続ける仕組みを作るなど、民間企業の模範となるように環境整備をしっかり行うことが求められる。 取組内容(案)@ 障害者の就労体験の場の設定 ≪対象者≫一般就労を検討している障害者等 ≪内 容≫企業に協力してもらい、一定期間障害者を受け入れてもらう。 取組の理由、課題、工夫など ◇現在も「トライやるウィーク」の障害者版を「チャレンジウィーク」として開催し、就労を検討している障害者等に対して、体験の場を作る取組を実施。 ◇働く側にとっては力試しといったスタンスで参加しやすいし、雇用する側にとっても障害者への理解を深めるきっかけになる。 ◇この取組を拡大継続することで就労の前段階としての受け皿を確保する。 取組内容(案)A 市が雇用する障害者の定着支援 ≪対象者≫市が雇用する障害者 ≪内 容≫採用した職員の適性を見極め、業務遂行に当たってそれぞれの特性に配慮しながら定着を支援する仕組みを作る。 取組の理由、課題、工夫など ◇就労してもなかなか定着できない現状がある中で、まず市が模範となって定着を進める取組を実施する。 ◇職域・活躍分野が限られている現状があり、これらの拡大が求められる。 ◇困ったとき相談できる場所や相手がいるなど、誰もが働きやすい職場環境をいかにして作れるかがポイント。 ◇インクルーシブ教育の推進 これまでに出た主な課題 ◇特別支援学級、普通学級の選択については、保護者の思いをまず受け止めるが、ハード面やマンパワーの面で追いついていない部分がある。 ◇義務教育終了後のフォローが大切。支援者と教員が連携して、早くから進路を先導できるかがポイントとなる。 ◇低年齢のときから障害のある子もない子も一緒に過ごす場をどう作ればよいか。 ◇児童を一体的に支援するために、教師と支援者の連携が必要となるが、現状ではそれぞれが行っていることを知る機会がない。 取組内容(案)@ 基礎的環境整備としての、看護師・特別支援教育指導員・介助員等の人的配置 ≪対象者≫医療的ケア児、重度重複障害児、発達障害児、知的障害児等 ≪内 容≫個別的な支援が必要な子どもが円滑に学校生活を送れるよう、必要な看護師や特別支援教育指導員・介助員等を学校に配置する。 取組の理由、課題、工夫など ◇医療的なケアが必要な子どもの人数が増加している。 ◇通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする子どもの割合が増加している。 ◇通常の学校における医療的ケアについては、医療行為であるため認められておらず資格のある看護師にしかできない。 ◇多様な子どもたちが安心して学校生活を送り、充実した学びが経験できるようにするために人的な支援が必要である。 ◇看護師等の人材不足の中、必要な人数の確保が困難。 ◇他機関に委託するための多額の予算(人件費)が必要。 取組内容(案)A 合理的配慮に基づいた、誰ひとり取りこぼさないインクルーシブな学校づくり ≪対象者≫学校園に通うすべての子ども ≪内 容≫障害の有無や境遇等に関わらず、アセスメントに基づく個別に最適化された学びを全ての子どもに提供できるインクルーシブな学校づくりを行う。 取組の理由、課題、工夫など ◇発達障害等の特性や生徒指導上の課題などにより、十分な学びの機会を得られていない子どもたちがいる。 ◇誰ひとり取りこぼさない教育を実現するためには、子どもたち一人ひとりの状況をきめ細やかにアセスメントし、必要に応じて適切なトレーニングを含む教育的支援を行う必要がある。 ◇切れ目のない子ども支援のためのシステムを構築する必要がある。 ◇環境整備(ICT、エレベーター等の整備)に係る多額の予算が必要。 ◇地域生活関連施設の整備等、移動手段の確保 これまでに出た主な課題 ◇従業員の意識。「障害者が来ない」という考え方をなくさなければいけない。  ⇒ソフト面をどのように啓発していくか。 ◇実際に歩くと坂が急であったり道幅が狭かったりして、目的地までたどり着けないことがある。 ◇ビル自体がバリアフリー化されていても、テナントが高級感を出すために店内に段差を設けていることがあり、その場合車いすでは入れない。 取組内容(案)@ 民間建築物のバリアフリー化事例の公表 ≪対象者≫民間事業者 ≪内 容≫小規模店舗や既存の店舗などの民間施設において、取り組んでいる事例の公表 取組の理由、課題、工夫など ◇公的助成制度の活用事例などから、優良事例を整理し、民間事業者のバリアフリー化に対する理解促進を図る。 ◇どのような施設に、どのような取組が求められるのか(ハード面、ソフト面)を把握し、それらを踏まえた事例の整理をする必要がある。 ◇民間事業者に実際にバリアフリー化を進めてもらうインセンティブが必要。 取組内容(案)A 合理的配慮の提供支援に係る公的助成制度の拡充 ≪対象者≫商業者など民間事業者、自治会等 ≪内 容≫助成対象物の拡充、助成金額の増額等を行う。 取組の理由、課題、工夫など ◇制度創設から3年が経過し、制度利用店舗も延350店舗を超えた。 ◇飲食店従業員などに対するユニバーサルマナー研修の実施補助などソフト部分への拡充を求める声がある。 ◇市としてさらにやさしいまちづくり、インクルーシブ社会の実現に向けた取組を進めるために、基礎となる環境整備をより一層進めていく。 ◇当事者ニーズを確認し、本当に必要なものに対して制度を適用させることが必要。 ◇災害時要配慮者の支援 これまでに出た主な課題 ◇避難行動要支援者名簿の利活用方法。名簿を受け取ったもののどう使っていいかわからないという意見が多い。 ◇災害時においては、お互いを知らないと助け合えない。普段から地域でコミュニケーションを取ることが大切である。 ◇災害時に、情報障害の方に情報をどのように伝えるか。 ◇当事者のことがわからなくて、支援方法がわからない。 ◇まず自助が大切だが、避難所に行くなどその後の行動が一人で取れない人をどう支援するか。 ◇地域で防災訓練をする際に障害者が参加しにくい。参加してもらって様々な障害者がいることを知ってもらい、支援方法について考える機会を増やしていく必要がある。 取組内容(案)@ 家具転倒防止器具の助成 ≪対象者≫避難行動要支援者名簿登載者のうち希望者 ≪内 容≫個人宅の必要な場所1、2か所程度に器具の無料取付けを行うとともに器具に係る費用の助成も行う。 取組の理由、課題、工夫など ◇大規模災害での「自助」「共助」「公助」の比率は、7:2:1の割合であると言われ、「自助」は非常に重要 ◇地震の際、家具等の転倒による犠牲者が多い。 ◇まず「自助」がなされないと「共助」「公助」につながらない。 ◇特に必要性が高い名簿登載者に器具の無料取付けを行うだけでなく、器具に係る費用の助成まで行うことにより、きめ細やかな支援ができる。 ◇必要な名簿未登載者の名簿への登載の促進につながる。 ◇現在の名簿登載者は11,000人。取付けまで対応できる件数が限られる。 取組内容(案)A 要配慮者の避難支援取組に対するアドバイス制度 ≪対象者≫避難行動要支援者名簿を受け取っている自治会等 ≪内 容≫名簿の活用状況を確認し、必要に応じて要配慮者の避難支援の方法についてアドバイスを行う。 取組の理由、課題、工夫など ◇名簿受取者は増えつつあるが、どのように要配慮者の避難支援をしたらいいかわからない自治会等が多く十分な活用ができていない。 ◇要配慮者の避難支援に取り組みたいけれど名簿の活用方法がわからない自治会等に働きかけることで、名簿の有効な活用につながる。 ◇名簿活用の担い手(災害時の支援の担い手)というのが地域にとって重たい側面がある。活用方法のアドバイスぐらいがハードルも低く受け入れられやすい。 取組内容(案)B インクルーシブな防災訓練の実施 ≪対象者≫各小学校区 ≪内 容≫市が障害当事者と地域をつなぎ合わせ、将来的に地域主体で誰もが参加できる防災訓練を実施するきっかけを作る。 取組の理由、課題、工夫など ◇地域ごとに防災訓練は行われているが、障害当事者の参加が総じて少ない。 ◇地域の障害当事者と他の地域住民が接する機会が少なく、互いにどのように接すればいいかがわからない。 ◇まずお互いを知る機会を作り、気づきを得たうえで、次のステップに進んでいくのが効果的。 ◇全小学校区で一斉に進めてもこれまでの経験値や経緯、背景が異なるため、差が生じる可能性が高い。モデル地区を設定し、先行実施する中でノウハウを得て、他の小学校区に順次広めていく。 ◇最終的に全小学校区に広げていくこと、また単発で終わらず継続的に実施していくためのしかけ作りが必要。 ◇ユニバーサルツーリズムの促進 これまでに出た主な課題 ◇点字メニューや筆談ボードの設置等、バリアフリー対応した店の情報が、当事者や市外から来た人に届かないと活用できない。 ◇駅を出てすぐに周辺状況が把握できるような、わかりやすい案内表示やサイン、バリアフリーマップがあるとよい。 ◇初めて明石を訪れた障害者にとって、バスに乗るためには、路線や乗り場の案内が必要で、ハードルが高い。 取組内容(案)@ 誰もが明石を楽しむためのユニバーサル情報の提供 ≪対象者≫すべての市民、明石を訪れる観光客 ≪内 容≫誰もが明石を楽しめるよう、様々な手段で情報を提供する。 取組の理由、課題、工夫など ◇今年度末に供用開始予定の「(仮称)ユニバーサルツーリズムセンター」において、利用者のニーズにあったユニバーサル情報を提供する。 ◇市内の観光地、交通機関、飲食店等のバリアフリー情報についての継続的な情報収集が必要。 ◇センターでの情報提供に併せて、案内標識、バリアフリーマップ等による分かりやすい情報提供も必要。 ◇関係機関、事業者と連携しながら実施する必要あり。 取組内容(案)A 誰もが楽しむことのできるモデルルートの開発 ≪対象者≫すべての市民、明石を訪れる観光客 ≪内 容≫障害者、高齢者等も含め誰もが楽しむことのできるモデルルートの開発 取組の理由、課題、工夫など ◇障害者、高齢者等配慮が必要とされる方が安心して外出・観光を楽しむことができるモデルルートを開発し、外出・観光を促進する。 ◇どのような施設に行きたいか、必要とされる配慮は何かなど、当事者ニーズにあったルートにする必要がある。 ◇市内の観光地、交通機関、飲食店等のバリアフリー情報について情報収集し、開発する必要がある。 ◇関係者、事業者と連携しながら実施する必要あり。