第2回(仮称)あかしインクルーシブ条例検討会 ユニバーサルデザインの街づくり部会 議事概要 場所 明石市役所議会棟2階第2委員会室 日時 平成30年11月12日(月)14:00-17:20 1 開会 2 部会長挨拶 3 第1回検討後の市の取組について(資料1)  (オブザーバー)   明石駅前南の東側ロータリ2番と3番、西側ロータリ10番の停留所にバスが寄せづらいと、前回の検討会で委員の方からご指摘を受けた件について、現場確認したところ、共通しているのがカーブを曲がってすぐに停留所があるということであった。東側2番と3番の停留所については、バス停の形状とロータリ真ん中の植栽帯を見直すことで検討する。西側10番の停留所については、一般車両が駐停車しておりバスが寄せづらくなっており、10月末に明石警察署と神姫バスと道路安全室が現場で立ち会って検討した。その結果、停留所の東の溜まり場に駐停車出来ないようにポストコーンと啓発看板を設置して一般車両が停められないように対策をした。今後、経過観察していく予定である。 4 条例の構成案(資料4 事務局より説明) 5 第2回検討会の進め方(資料5 事務局より説明) 6 意見交換(課題抽出の補足)  (委員)   災害看護に取り組んでおり、今は明石市の望海地区を中心に街歩きを実施している。望海地区は道が狭く、歩道と車道の境がはっきりしない場所もある。実際に歩いたときに、地図では車いすの避難ルートが表示されているが、実際は坂が急であったり道幅が狭かったりして避難所までたどり着けなかった。要支援者の人を誰が助け出すのかなどを具体的に自治会の人達と考えているが、なかなか方策が見つからない。  (オブザーバー)   追加資料「市内小中学校の避難所のバリアフリー状況」について説明  (委員)   改善をする際に、例えばスロープにしても大掛かりな工事が必要なのか、簡易なスロープで対応できるのかなど、状況に応じてすぐに解決できる場合、そうでない場合の検討が必要だと思う。  (部会長)   避難所がある体育館と同じ棟に多目的トイレがない小学校は、別棟にあるのか、もしくはその小学校自体にないのか教えてほしい。  (オブザーバー)   追加資料は体育館がある棟に限定して作成している。小学校自体には多目的トイレがある学校が多い。  (部会長)   避難する立場からすると体育館がある棟に多目的トイレがあるのがベストだが、無ければ別棟にあるという情報が欲しい。避難所に行ったが学校自体に多目的トイレが無いという状況が一番困る。学校全体の多目的トイレの有無がわかる資料が欲しい。  (オブザーバー)   現在トイレの洋式化を含めて改修を進めている。その中で多目的トイレがなかったり、多目的トイレはあるが必要な棟になかったりする場合は、整備するよう考えている。一覧表は作成できる。  (委員)   市内の小中学校の避難所バリアフリー状況について、トイレ、スロープ、エレベーター全て大切だと思うが、聴覚障害者のバリアというのがここには書かれていない。例えばコミュニケーションをとるための筆談ボードが避難所に設置されているかどうかの情報が欲しい。また、避難所に届いた救援物資がどんな物があるのかといった情報を文字や絵で聴覚障害者がわかるようにして欲しい。   追加資料に書いてあるのは物理的なバリアだが、情報のバリアについても例示をして欲しい。   あと避難所に手話ができる人がいるかどうかという情報も併せて教えてほしい。  (オブザーバー)   現在コミュニケーションボードの作成を進めている。本格導入時には、当事者の意見を聞いてわかりやすく使える物を導入していきたい。手話ができる人の配置については、状況に応じて考えることになる。これも当事者の意見を聞いて、合理的な配慮ができるように考えていく。  (部会長)   駅に筆談ボードが設置されていても、駅員がロッカールームにしまってしまい、肝心なときに使えないことがあった。避難所に設置する場合は、わかりやすい場所に掲示して置いておくなど設置の仕方も含めて丁寧な対応をお願いしたい。  (オブザーバー)   避難所の小中学校に備蓄物資を置いているため、案としては、そこにコミュニケーションボードを備えておき、避難所開設要員の職員が設置するのが一番現実的であると考える。  (副部会長)   2つ教えてほしい。1点目は、避難訓練は基本的には地元組織がやるもので、市がプログラムをつくり強制するものではない。その中で障害者や高齢者の避難訓練を実施している町内会はどれくらいあるのか。全国的にはあまり実施していない。堺市は頑張っていて、ほとんどの場所で視覚、聴覚障害者が入っている。車いす体験もやっている。   2点目は、避難所運営はほとんどの場所で市職員や教員が行っているが、普段からバリアフリー避難を含む総合的な訓練をどれくらいやっているか。  (オブザーバー)   1点目の避難訓練の地元での実施については、要支援者名簿を配付している自治体を対象にアンケート調査を実施したところである。現状では64の団体から回答があり、そのうち16の団体が避難訓練時に要支援者へ参加の呼び掛けをしている。呼び掛けを受けて、実際障害者が参加しているところもあるが、参加の数については統計として取れていない。  (オブザーバー)   2点目の避難所に配置される職員への訓練の実施状況については、障害者への対応方法など、総合的にはまだまだ課題が多い。   避難所で他の市民と過ごせる人は過ごしてもらい、難しい人には福祉避難室、福祉避難所に移ってもらうように考えている。職員に対してそのような考え方を訓練で広げていければと考えている。  (副部会長)   市職員や教員など公的な立場の人は、自分の持ち場にとらわれず誰もが避難所のリーダーになる可能性があるということを知っておいて欲しい。  (委員)   学校が閉まっている夜間や土日に災害が起きたときに、最初に避難所を運営する人は誰か。  (オブザーバー)   各避難所の開設要員として市職員3人を充てている。鍵開けについては、鍵を持っている学校の先生やコミュニティセンターの職員に開けてもらい、開設要員の3人が開設する流れをつくっている。開設要員は徒歩かバイクですぐ駆けつけられるようにしている。  (副部会長)   全国的に要支援者名簿が障害者の全国組織等に公開されていない。しっかりした組織から支援に来ている人にも公開されない。明石市ではどう考えているか。  (オブザーバー)   平常時の名簿と災害発生時の名簿を用意している。平常時の名簿は登載を拒否した人は載せておらず、災害発生時の名簿は該当者全てが載っている。そして、各コミュニティセンターに災害発生時の名簿を配置している。要支援者の名簿は災害時には組織等に配ることにしているが、ボランティアにまで配るかどうかの議論は詰められていない。基本的には支援する団体には本部で判断して渡せるようにと考えている。  (オブザーバー)   災害時には、名簿はボランティア団体に対しても基本的には渡すことを考えている。一方で個人情報でもあり、空き巣に入られ、流出するリスクなどの問題があるので慎重にルールを設けたうえで渡していければと考えている。  (副部会長)   今の話を聞いて安心した。プライバシー上の問題なので無制限に出していいものではないこともわかる。この問題を解くカギは机上ではわからない。私の経験では県内外の団体と災害時を想定して普段からコミュニケーションが取ることが大事である。最低限名前と顔がわかっていれば渡しやすい。  (委員)   普段からコミュニケーションをどう取るかが大事であり、災害時を想定して避難する過程をシミュレーションすることが必要である。また住民の声を聴くと、怖いから逃げようと思わないという意見も多い。そういった人も安心して避難所に避難してもらうためにも、普段からのコミュニケーションは必要である。望海地区では視覚障害者や車いすユーザーと一緒に定期的に活動している例がある。そんな活動が全市に広まってほしい。  (部会長)   避難計画を策定するのも大事だが、策定した後に避難計画に基づいて実際行動できるのかという検証や、いざというときに避難所に行ってみようと思える普段からのつながりが大事である。そのような機運が高まっていく条例であればいいと思う。 (10/21「あかしユニバーサルモニターとの街歩き」に参加した委員の感想)  (委員)   視覚障害者の立場から参加した。全体的に視覚障害者にとって情報を得る手段が整っていないと感じた。建物の中のトイレで、配置図を点字で書いているがその点字自体を見つける方法は何かといった点や、そもそも点字を利用しない視覚障害者がかなり増えてきているという現状もあり、点字では情報を得ることができないという点が大きな問題だと感じた。   また車道と歩道の間に兵庫方式という波型の溝を掘ったものを埋め込んでいるが、これまで私はそのことを知らなかった。それを知った後数人の視覚障害者に聞いてみたが、その人たちもほとんど知らなかった。一方最近歩行訓練を受けた人は知っていた。先ほどの災害の話も含めて視覚障害者が情報困難者だということを改めてわかってほしい。   災害が起きた場合、視覚障害者のほとんどが家から動かない。なぜなら災害で道などが自分が知っている記憶の情報とは異なっているかも知れないという不安があるからだ。特に一人暮らしの方は動かないという選択をする。要支援者名簿を活かして視覚障害者に情報を提供できるように考えてほしい。  (委員)   例えば横向けにしている看板を縦向けにするだけで車いすが通りやすくなることもあるし、多目的トイレのボタンの配置を変えるだけで押しやすくなることもある。ハード面の整備だけを考えるのではなく、このようなソフト面で補えることも含めて考えてほしい。  (委員)   電柱に巻いている防護用のクッションかと思っていたものが実はギザギザのプラスチック製のものだったということが、街歩きをして印象に残っている。車いすユーザーや視覚障害者がそれにぶつかり、怪我をしているという話も印象的だった。また、駅前から市役所に行く道中に白線で歩行帯の表示がある場所があったが、狭い箇所や電柱が立っている箇所もあり、歩行帯の意味がないと感じた。  (委員)   市役所の近くにある横断歩道で青信号の時間を延長するためのボタンがあるが、「青信号延長用押しボタン」とはっきり表示しているのが良い。大阪は同じボタンに視覚障害者のマークがあるだけで、ボタンの効果について何も書いていない。また、そのボタン付近では小さな音が鳴っていてどこを押せばいいのかがわかるし、さらにボタンを押すと音の速さが変わり、青信号の時間を延長したことがわかる。しかし信号が青に変わったときに、青になったことを知らせる音が鳴らない。これではせっかく青信号の時間を延長しても、いつ青に変わったかわからず、渡れない。街歩きのときにも、同じグループの視覚障害者がボタンを押して音が速く鳴ったことで青信号に変わったと勘違いしていた。かえって危ない。これも街歩きをして、実際使ってみてわかったことだ。   後、明石公園の櫓がある高台に車いすトイレがあったので、車いすでも上がれると思い、ボランティアの方に聞くと上がれると回答があった。東側の文化博物館のエレベーターを使えば櫓のあるところまで行けるのだが、そのことを公園の警備員、当日明石公園で行われていたフェスティバルのスタッフや市職員にも聞いたが5人の内1人しか知らなかった。地図を見るとエレベーターのマークはあるが、それが櫓のある高台まで繋がっているとは読み取れない。表示の問題はとても大きくて、せっかくエレベーターがあるのにそれが活かされていないのは残念。B-1グランプリもここで開催するなら、上からの眺めも見たいと思う。案内表示の大切さを感じた。  (委員)   観光・ユニバーサルツーリズムの視点からは、駅や駐車場から面的に街のダイナミズムを感じられたらいいと思った。例えば魚の棚で玉子焼きを食べて、古い町並みを見て、海に行って、明石海峡大橋を見ながらカフェでコーヒーを飲むといったことが誰でも体験できたらすばらしい。また、産業観光も含めて古い商店街が外国人に評価が高く、外国人を取り込むために明石の街のダイナミズムを紹介できる多言語のマップがあれば面白いことができる。 7 意見の整理〜条例イメージの共有〜  (1) 民間施設  (委員)   民間施設の具体的な取組としてユニバーサルマナー研修を商業施設や商店街が団体で受講したいと申し出があった場合、一定人数の検定費用を助成してもらえればと思う。予算の確保や制度改正等、すぐには難しいと思うが例えばモデル的に効果を測る形で考慮してもらえれば事業者も積極的に参加しやすい。  (事務局)   これについては条例制定を待つのではなくできることから実施していきたいという意味も込めて資料に盛り込んだ。すぐには難しいかもしれないがご希望に沿った形で検討していく。  (委員)   駅前ビルでは前回の検討会での意見を踏まえて、点字化した館内パンフレットを現在作成中である。また、商業施設のトイレ内にいるときに災害が起きた場合、館内放送で非常放送が流れるが聴覚障害者に知らせる方法がないという意見を踏まえて、発光の設備も整えたいと考えている。  (委員)   試行錯誤の中で今後より良くしていくために、どういった工夫ができるか。スロープなどの助成制度を利用している店は、協力的な店である。そのような店と協力して、目に見える形で進めていけば、より具体的になってくると思う。  (委員)   ユーザビリティに関していえば、大阪市では建物のバリアフリーは結構進んでいるが、ビルに入れてもビルの中にあるレストランに入れないことがときどきある。ビルが建ったときはバリアフリーだったものでも、店子が変わるときに高級感などを出すためにわざわざ段差を付けたりする。靴を脱いで上がる店だと車いすでは上がれない。また回転寿司屋に多いが、テーブルと椅子が固定されている店だと車いすユーザーはカウンターでしか食べられない。店の形もどんどん変わっていくので、車いすユーザーが入れるだけでなく普通に食事ができる店という意識を持つことが大事。それがないと、改装や改修するときに障害者の人を排除する仕組みになりがち。大型の電動車いすユーザーでも店の中に入れるのか、入れなかったとしても外で食べられるのかという視点も大事だと思う。  (2) 公共空間  (委員)   駅前ビル3社が共同して、観光協会の協力を得て、明石駅前のトイレマップを作成予定。駅前にはたくさんのコンビニはあるが、これらのコンビニにはトイレがない。この3施設でトイレの利用できる時間などがわかりやすいトイレマップを作成し、観光協会や各商業施設の窓口に設置できればと考えている。誰でもトイレとして、障害者も利用できるトイレも明記する予定である。  (部会長)   トイレマップをつくることを通じて、情報提供をすると同時にさらなる整備の広がりにつながる。  (委員)   「駅周辺は整備されているが、それ以外の道は人がすれ違えない狭い道もある。」との意見と重複するが、公共空間でみんなが安心して歩ける道路の整備も重要だと考える。  (オブザーバー)   道路整備は予算が限られている中でなかなか難しいが、バリアフリー計画でしっかり位置づけ、力を入れたいと考えている。  (委員)   先ほど明石中央体育会館エントランスの修復工事の話があった。スロープやトイレはもちろん必要だが、聞こえない者にとっては、文字による表示を見て情報を得ることができるかどうかが重要である。このような文字情報は、聞こえない者だけでなく外国人が見てわかるとなお良い。また、公共施設の受付ではほとんどが筆談対応だが、手話ができる受付担当がいればありがたい。   三田市では20年ぐらい前にバリアフリーマップを市が作った。マップに車いすトイレやスロープの表示はあるが、筆談マークや手話マークの表示がない。そういった情報があればそこに行ってみようと思う。神戸市の公共施設の案内でも、車いすトイレやスロープの表示はあるが、聴覚障害者に関するソフト面の表示や配慮はなかなかない。明石市ではハード面だけでなくソフト面、特に手話で案内できる受付の人などの人材の配慮ができればよいと思う。  (オブザーバー)   明石中央体育館について案内板やサインは設置の予定である。先ほどの意見を踏まえ、ユニバーサルデザインの視点で考えていく。手話や筆談については、情報の発信の方法や内容を改めて考えていく。  (3) 交通・観光  (委員)   「おもてなし」がすばらしい街にはどうすればなれるのか。情報提供でいえばマップをつくることが定番だが、車いすユーザーの移動の円滑化に特化している感じがある。しかし想定している利用者を聴覚障害者や視覚障害者も含めてもっと幅広く捉え、マップを作成すべきである。また、ユーチューブで取り上げて事前に情報を持った状態で来てもらうなどメディアミックスな展開ができればとても良い。あとマップは作ってからのメンテナンスが重要になってくるが、それは手間とお金がかかってくる。使い勝手のいいマップや適切な情報提供について、多くの旅行会社や飲食店と議論しながら作っていければ、いいものができると思う。  (委員)   明石市、観光、バリアフリーという3つのワードでインターネット検索すると、ヒットするのが市役所のバリアフリーについてで、観光客にとってはあまり意味がない。   大切なのは観光客が行きそうな魚の棚、明石公園、文化博物館などの情報である。情報の内容も役所的な内容だと行きたいと思わない。車いすユーザー、聴覚障害者、視覚障害者などが実際に行ってみて、良かったところや良くないところの情報が必要だが、それを行政がするのはなかなか難しい。本当はその情報を知り、行ってみたくなるような生の情報が大事である。先日この近くのスーパー銭湯に行ったが、そこは露天風呂まで完全バリアフリーだった。しかし、その銭湯がどこまでバリアフリーかということがホームページを見てもよくわからなかった。実際に行った人の情報がすごく役に立つ。生きた情報は刻一刻と変わるので、変化に対応できる情報があれば非常に良い。例えば、魚の棚で明石焼きを食べるために車いす1人で入れる店があるかといった生の情報がほしいと思う。  (委員)   店の前にスロープはあってもその先の扉を開けることができず、中にいる店員に入りたいと伝えたいが、気がついてくれない場合がある。普段から店員に気を配っていただくなどソフト面の対応の向上が必要だと思う。  (委員)   明石駅前バス停留所についてだが、前回の検討会後にスロープの設置しにくい場所を市に聞かれ、10番、2番、3番の停留所であることを回答した。またバス車内においては、筆談対応できるようにメモ帳と鉛筆を順次用意していっている。このように、できることからやっていっている状況だが、駅前が開発されて2年近く経つがいまだにバス乗り場の場所を聞く人が多数いる。今は駅構内にある定期券売り場の係員が案内している。多くの看板を設置しているにもかかわらず、わかりにくい状況である。市や障害当事者と連携して、良いものができればと思っている。  (副部会長)   既存の公共交通手段が利用できない人たちには、街がいくらバリアフリー化されていても意味がない。移動サービスはバリアフリーの枠組の中には入りにくいが、ユニバーサルデザインの枠組の中では1番重要なものとなる。明石市では、たこバスが使えない重度障害者のためにタクシー代の助成をしたり、福祉有償運送を拡充したりといった施策を積極的に行っているか。  (オブザーバー)   障害者を中心とした移動手段として、公共交通機関では神姫バス等含めてノンステップバスを導入している。たこバスについては、大きいタイプは車いすで乗れるが小さいタイプは乗れないものもある。状況に応じて、バスの大きさを選んでいる。タクシーに関しては福祉タクシーの利用者に助成をしている。福祉タクシーの事業者は20数社あり、福祉有償運送の登録事業者も3社ある。課題としては、利用者の意見を聞いてどのように改善できるかということである。「ユニバーサルデザインまちづくり実行計画」をつくる方針もあり、移動手段の改善について交通部局や福祉部局と考えていく必要がある。  (副部会長)   自分が参加している公共交通会議では、福祉タクシー、福祉有償運送、住民助け合いはほとんど検討していない。それは間違いなので、これらについても是非検討して欲しい。  (部会長)   資料に「移動手段の確保の方針につき整理したうえで規定する。」とあるが、その中身として切れ目のない移動の確保がキーワードだと感じた。  (4) 災害  (委員)   公的な施設として総合福祉センターとふれあいプラザあかし西の2か所が福祉避難所になっている。聴覚障害者が避難した場合の情報保障として「アイ・ドラゴン」というものがあり、手話と字幕を付加した番組を放送する「目で聴くテレビ」を視聴するために必要な機器である。災害が起きたときはテレビを消していてもランプが点いて、これから非常災害の放送をするということがわかり、災害情報を得ることができる。ただ、福祉避難所に配置されているのは20%くらいしかないという現状がある。不十分な状態なので明石の福祉避難所にも設置してほしい。  (オブザーバー)   「アイ・ドラゴン」は総合福祉センターとふれあいプラザあかし西ともに設置している。チューナーはあるので、電気が通っていれば見ることはできる。  (委員)   1番新しいものは「アイ・ドラゴン4」でインターネット使用に変わっている。もし新しいものになっていなければ変更をお願いしたい。  (オブザーバー)   近年買い替えたという記憶があるので「アイ・ドラゴン4」で間違いない。  (委員)   アスピア、パピオスなど大きな施設のトイレは、多くが建物の端にある。最近は案内表示に従えば何とかたどり着くようになっているが、トイレから出るときに、正面に壁があり左右どちらに行けばいいかわからなくなることがある。災害時に障害者は左右どちらに行けばいいか余計にパニックになりやすいので、トイレから出たところにも「こちらが店舗」のような案内があれば、パニックにならずにすんなり行きやすい。  (部会長)   資料4の第5章補則に情報保障の項目が入っているが、どの障害種別の方からも情報の大切さの指摘があった。あと当事者評価はソフト面、ハード面どちらも質が上がっていくという重要な内容である。これらを踏まえると、情報保障や当事者評価は横断的な課題として総則の最後に置くべき内容であると感じている。情報保障や当事者評価を軸にして「心のバリアフリー」や「ユニバーサルデザインの街づくり」の各則を展開していくといった、情報保障や当事者評価が大きな課題だということがわかる条文の作り方をしてもらえればと思う。  (委員)   災害に関していえば、普段のバリアフリー状況、普段からの障害者と健常者との地域での交流など普段の問題が災害時に特に顕著になる。そういう視点で災害に関しても取り組んで欲しい。また、気になったのが小中学校は選挙のときの投票所にもなっていると思うが、そもそも投票所自体がバリアフリーになっているか。  (オブザーバー)   私の経験になるが、以前従事した投票所では車いすユーザーが投票に来たら従事者で持ち上げて入ってもらっていた。その次の選挙からは選挙管理委員会でスロープを作って置くようになった。同じような取り組みは他の投票所でもされていると考えている。   あと普段の交流が災害時の取組につながるといった話があったが、要支援者名簿には登載率があり、高齢者は95%平常時の名簿に登載されている。しかし、特に精神障害者は登載率が低い傾向だ。登載されていないと、自治会に名簿を配っても要支援者が名簿に載らないといった問題がある。今後の課題である。自治会からも自治会に加入していない要支援者にどう接したらいいかわからないという意見がある。  (部会長)   今回多くの意見をいただいた。これを次回の中間まとめにつなげていく。今後の検討スケジュールを事務局からお願いする。  (事務局)   その前にユニバーサルモニター制度について補足説明をする。市としてもハード整備を含む様々な施策を展開するに際し、障害当事者の意見をもらうことや街歩きのように障害のある人もない人も一緒に行うことが重要かつ必要であると考えている。今後ユニバーサルモニター制度を継続するのか、より進化した別の形に変容させるのかは未定だが、障害当事者の参加については、今後も進めていきたい。 (資料7「今後の検討スケジュール」説明)  (副部会長)   多くの意見が出た。これを絞り込んで条例化を含め形にしていきたい。前半のバリアフリーチェックで共通して言えることが当事者の目でチェックすることの大切さ。チェックによりまだまだ課題があることがよく分かった。例えばバスロータリーの話は、市職員、バス会社の社員で気づくことではと思うが、なかなか気づけない。当事者に見てもらって浮かび上がってくる。当事者参加、参画は皆が一体になって良いものにするというために絶対に必要なことである。   また、市から実行計画の今後の方針の説明があったが、今回は時間の関係で詳しく話ができなかったがおそらく次回以降に議論になると思う。   その後の全体の議論をまとめると、まず情報問題である。明石市もバリアフリーに関してはそれなりに進めているが、バリアフリー化しても使われなければ意味がない。その第一歩が情報である。今回議論はなかったが、バリアフリーが進めば、逆にこの先10%勾配の坂道がある、この先階段があるといったバリアに関する表示の方が目立つことになる。バリアフリー情報の提供では行けるところだけを探すことにつながるが、ほとんどが行けるところになり、逆に行けないところを探すという段階に早くしていきたい。情報問題についてはたくさんのご意見をいただいた。情報障害の方には特に必要な情報を提供することが大切だと痛感した。視覚障害者など障害種別に応じた発信方法があると思う。   次に民間の力は動くとすごいということに感動した。民間の力を信頼するとすごいことができるという他市の好例もある。   災害の話では、聴覚障害者、視覚障害者などの災害時の情報障害対策や車いすユーザーの災害対策について、無理だという人は今でもいる。明石市は、特に頑張らなければいけない。   民間施設について、あらゆる店は改装する際にはバリアフリーにしてほしい。古い店舗等で段差がある店でも店員のソフト面の対応があればよい。海外では「障害をお持ちの方は呼び鈴を押してください。」ということがポピュラーになっている。これは極めて現実的な対応であるが、この話をするとバリアフリー化をしていないことを認めるのかと議論になる。ただ現実としてすぐに変えられない店があるから既存不適格の制度があるのであって、次善の策としてソフト面の対策はもっと広めてもいいのではないかと思う。   最後に、最近東京都が全てのホテルに最低限のUDルームを設置する方針を出した。これは明石だけの問題ではなく県の条例で急いで対応しないといけない。明石はホテルでも店でも全ての人が来ることができるまちにしたい。