資料2 合理的配慮の提供を支援する公的助成制度について 市では、平成28年4月に国の障害者差別解消法と同時に施行した障害者配慮条例に基づき、「合理的配慮の提供支援に係る公的助成制度」を創設しました。この制度は、民間事業者や自治会等が障害のある人への配慮を提供するための環境整備に係る費用を助成するだけでなく、制度利用を通じて事業者等の障害理解の促進を目指すものです。 1制度を利用できる団体(助成対象区分) (1) 商業者など民間の事業者 (2) 自治会など地域の団体 (3) その他市長が認める団体 2助成の対象になるもの(対象経費区分) (1)コミュニケーションツール作成費(上限額:5万円)点字メニューやコミュニケーションボードの作成費、チラシの音訳経費など (2)物品購入費(上限額:10万円)筆談ボード、折りたたみ式スロープなどの購入費 (3)工事施工費(上限額20万円)簡易スロープの設置や手すり取付などの工事施工費 【実績】経費区分 内容 28年度 29年度 30年度 コミュニケーションツール作成費 点字メニュー 22件 3件 5件 物品購入費 ポータブルスロープ 9件 4件 13件 筆談ボード 112件 112件 53件 工事施工費 手すり取付 4件 2件 13件 段差解消 2件 0件 3件 誘導マット設置 1件 0件 1件 合計 150件 121件 88件 ※予算措置は、平成28年度、29年度は350万円、平成30年度、令和元年度は400万円 3制度を利用した事業者へのアンケートの実施(平成30年6月)アンケート回答数163件/245件 1.助成制度を利用したことで、何か変化はありましたか?(複数回答可) 合理的配慮の具体的なイメージができた 34件 障害のない人にも喜ばれた 24件 障害のある人とも積極的にコミュニケーションできるようになった 34件 特に変化なし 77件 その他 11件 ・点字メニューと筆談ボードのことをフェイスブックで紹介したら、障害のある方から店に来てみたいとお問い合わせいただき喜んでもらえました。 ・今まで紙に書いていたものがボードになったことで、同じボードを使っている患者さんは親近感を持ってくれたよう。 ・もともとブギーボードは使用しておりましたが、お客様に見えるように提示しておりませんでしたので、見えるように置くことで多くのお客様により安心してご来店いただけると感じました。 2.障害のある人への応対について、困っていることはありますか?(複数回答可) どのように声をかけたら良いのかわからないことがある 65件 障害のない人以上の特別なサービスを求められ対応できないことがある 17件 障害のことをご本人に尋ねていいのかわからない 49件 その他 23件 ・よくお店にお越し頂いている方を、バス停やタクシー乗り場までお連れしています。時々、店が混み合っている場合に対応に困ることがあります。 ・いつも通りの接客を障害のあるお客様にもしていくことが大事だと考えているので、困っていることはないです。 ・基本的には障害のある人、ない人にかかわらず同じような対応をすべきと思いますが、実際あまり経験がないため不安な思いもあります。 ・声かけが大事とスタッフへ教えています。困ってはいませんが、私たちの心がけが大事と思います。まだまだ足りないので。 【障害当事者の感想】 ・外から見たときに合理的配慮があるお店なのかが分かると入りやすい。 ・何度も行くうちに、店員さんが顔を覚えてすぐに筆談ボードに書いてくれるのでありがたい。 ・お店が混雑しているときなどは、対応してもらうのに気を使うことがある。 【今後の取り組み】 市民や事業者向けの研修・啓発や市民タウンミーティングの場で、この助成制度を積極的に紹介・説明し、さらに周知を進める。また、制度の利用にご協力いただいている商業者の方々からの紹介などを通じて利用の申請が広がり、助成制度が普及し定着していけるように取り組んでいきたい。