事前アンケートまとめ ※地域づくり協議会の委員(障害当事者、事業者、市民委員など)を対象に2025年9月に実施した  アンケート結果です。 1.障害があることで不便なことや工夫をしていることなどを、どのように周りの人に伝えていますか?  希望する介助や必要な情報を説明など、口頭で伝えるが、相手に正しく伝わらず、こちらの意としない対応や行動をされることもある。そんな時は、相手を否定したり、批判したりせず、言葉を尽くしてこちらの望むところを伝える。(視覚障害)  店で買い物や食事をするときなどに、店内の移動や情報提供などについて、どんなサポートをしてほしいか口頭で具体的に伝えている。何度も繰り返し行くことで、顔を覚えて積極的にサポートしてくれる店もある。(視覚障害) 手話通訳・要約筆記・スマホの音声アプリ・遠隔手話通訳・筆談用具などが必要。 身振りや手話やメモなどで、耳が聞こえないことを相手に伝える。      (聴覚障害)  ヘルプマークをカバンにつけて、見えるようにしている。周りに伝えるのは難しい。  まだまだ知らない人が多いと思う。 (肢体不自由)  外出の際にはヘルプマークをつけ、困りごとが起こったときには、親が周りの方に説明やお願いをしている。                        (知的障害・支援者)  自治会の清掃等に一緒に参加したり、民生委員の方に会って子どものことを知っていただくようにしている。                         (知的障害・支援者)  就労支援の場において、入職時に企業へ「支援計画」、「プロフィール表」や「就労パスポート」などご本人の特性をまとめた物をお渡ししている。プロフィール表には、障害内容や苦手なこと、自分で対処できる範囲、配慮をお願いしたい内容などを記入して  いる。内容はご本人と一緒に考えたり、難しいときは支援者が記入した内容をご本人に確認していただいている。                            (支援者)  ・単語で伝える(1〜2語文)  ・指さしや手引きをする(してほしいこと・ところへ誘導する)  ・絵カード・写真などを提示・選択するときに活用する  ・声を上げるなど行動で示す(不調のサインなど)  (知的障害・支援者)  障害のある人一人ひとり、必要な配慮は異なるので、どのような場面で困っており、どのような配慮が必要か、よく話を聴くようにしている。障害当事者に確認をした上で、周りの人(応募する会社など)に具体的に伝えることができるようにしている。                            (事業者)  家族として、精神障害者の娘が居るが、中々外に出ることができない。やっと、移動支援の方と一緒に直ぐ近くのコンビニに行ったり、喫茶店でソフトクリームを食べたりできるようになった。 近所の知っている方に会うと挨拶はできるが、なかなか一人で外出することができない。通院時は、必ず同行している。幻聴が聴こえて、外から色々と悪口を言われているように感じる。  気持ちは皆さんと話しを楽しくしたいと思っているが、一歩が踏み出せない状況が10年位続いている。夜寝るときは、特に不安になり大声を出したりするので、二重ガラスの窓の構造にしている。 以前は、自分の辛さを分かって欲しいと外に出て、近所の方に話をしそうになったので、鍵を掛けるようにしたが、最近は落ち着いた様子。やっと送迎付きの作業所が見つかり、週に2回ほど通所が出来る状況まで改善したが、作業所内では他の通所者と話しをしたいがなかなか話せない。他の人と自分とを比較して、劣等感を感じているようだ。作業所に通所する際に、日報を作成してできるだけ本人の調子を説明して配慮していただけるようにしているが、一人だけ配慮して欲しいと言うのも厚かましいかと思う時もある。日報には作業所からも本人の今日の調子がどのような様子であったかを記載し、できるだけコミュニケーションができるようにしている。 精神障害者の場合は、毎日のルーティンが非常に大事で、そこから外れる場合は、必ず事前にその理由を説明して納得していただくことが必要。幻聴や勘違いで約束の時間が変更となると急に機嫌が悪くなるのでヘルパーさんや訪問看護の方には、訪問 日や時間の変更は、出来るだけ早い目に事前に連絡するように依頼している。               (精神障害・支援者) 2.障害のある人の支援に関わるときに、どんなことに気を付けていますか。   どのような配慮をしているか具体的な例があれば、あわせてご記入ください。 体調に気をつけながら休憩を取るようにしたり、車の乗り降りに台を使ったりするなど気を配っている。                                    (支援者) 言葉で全て理解するのは難しいので、わかりやすい単語を使い、ゆっくり説明するなどしている。急ぐことも苦手なため、時間に余裕をもって行動する。説明にイラストや写真なども活用している。                    (知的障害・支援者)  遠回しな言葉は理解できないので、ストレートに話す。その人が理解できる言葉で話す。「〇〇したらダメ」より、「〇〇しようか」と肯定文で話す。目線を合わせる。命令口調で話さない。                               (知的障害・支援者)  その方の特性に合わせて、対応している。知的障害の方には簡潔に伝える。  理解していただけたか確認しながら伝える。文章で案内する時はルビを必要に応じて振る。面談時に、面談の内容や結論を簡単にまとめた用紙をお渡しする。アドバイスをする際は、なるべく具体的な行動を伝える。 (「遅刻をしないように」→「朝7:35分の電車に乗りましょう」) (知的障害・支援者) 普段の言動を観察する(得意・不得意や傾向を知る)むやみに声をかけず様子を見守る。どうしてほしいか、まず本人に確認する。初めての方は挨拶など簡単なやり取りにとどめ反応をうかがう。                                 (支援者) どんなことに配慮が必要なのか支援者が勝手に判断せず、ご本人からお話を聞いたり、教えていただくよう心がけている。 (支援者) わかりやすく丁寧な話し方だけでなく、親近感と安心感を与える表情や態度にも気を付けている。信頼関係が構築できなければ、話を聴くことはできないので、悩みや不安を理解することはできないと思う。                          (事業者) 障害のある方と接する際、まずは、その方のお話しを目を見て、しっかりと聞くことを心がけている。その人がどのように考えているか、どのような辛さを感じているかを理解しようとしている。(共感が必要なため) 安易に説明しようとしないように傾聴を基本にしている。本人の人格を尊重して、自分でどのように対処しようとしているかをお聞きしながら、ご本人の決定を支援することを基本としている(自己決定権の尊重)。失敗となっても、なぜ失敗となったのかをその人の責任としないで、今後どのようにして行こうかを話しながら、進めて行きたいと思っている。(一緒に考えていく。並走の考え方) 最近は色々なネットワーク、福祉サービスがあるので、利用方法の説明などの支援などをするようにしている(自分で考える習慣)。(障害年金の取得、障害手帳の取得、生活保護の申請方法等など)                         (精神障害・支援者) 3.障害のある人との関わりにおいて、@応対するときに配慮していることA当事者との対話や交流で気づいたことがあればご記入ください。 @ 歩行に障害がある場合はそばに立ち、転倒の危険がないよう付き添う。 会話のなかで何が必要かを聞き取る。 A 障害があってもみんな明るく、言葉がうまく話せなくても楽しく会話をされている。 交流の大切さを知った。                         (身体障害・支援者) @ 特別扱いせず、自然に応対するように心がけている。 A 「こうでなければならない」を手放すことで、人との違いを、負い目ではなく魅力的な個性ととらえれば、毎日を楽しむことができる。 (知的障害・支援者)  困っていらっしゃいますか?お手伝いが必要ですか?など、その方が手助けを必要と思っておられるのか、そうでないのか確認する。        (知的障害・支援者) @ 障害のある人と会話するときは、少しゆっくりと話し、相づちを打つなどして話しやすいよう心がけている。 A (仲間の一人が)意見をしっかり持っていて時には意見をもらう。       (支援者) @ 事業所の建物は築47年が経過し、バリアフリーに対応していないので、職員は、車いすの介助など積極的に対応するよう心がけています。 A 何をご要望・要求されているのかを遠慮せずにはっきりと伝えていただき、意思疎通をはかれればと思う。                                (事業者) @ 障害のある人とのお話しでは、色々な悩みや要望を聞くことがある。その際は、何故そのような悩みがあるのか、要望があるのかを出来るだけ詳細に聞くようにしている。その結果、その障害者の本当の悩みの内容が分かるからです。できるだけ自分の意見は言わずに、相手の立場を尊重して聞くようにしている。 (精神障害・支援者)                         A 当事者の要望や悩みを聞くと、障害があるからそのような要望や悩みがあるのではなく、人間として誰もが感じる悩みであり、要望である場合が多いと感じる。一方、障害そのものからの悩みや要望もあるので、先ずは、ご本人の悩みと要望を真摯に傾聴して、ネットワークによる繋がりや福祉サービスに繋げることができないか?等をと考えて相談にのっている。障害者の方との信頼関係が構築されるので、又相談に来ようと思ってもらえると思う。相談にのることによる信頼関係が本人にとっても宝物になれば有難いと思っている。 (精神障害・支援者) @ 過剰な応対をしてしまわないようにしている。 A 「〇〇しましょうか。」と声をかけたところ「大丈夫です。」と断られることもあるので、「お手伝いしましょうか。」と声をかけ、障害当事者からどのような手伝いが必要か確認した方がよいと感じた。                               (事業者) @ 障がい者の方に限ったことではないが、人間は「大丈夫?」「何かお手伝いできることはある?」と聞くと、「大丈夫です」と回答することが多い。  だから<if、困っていたらお手伝いしよう>ではなく、<must be、困っていることが  あるはずだ>と想像して、質問を投げかけるようにしている。  ex.何か飲み物はいりますか?→お茶とお水、どちらの方がいいですか?  お怪我はありませんか?→どこが一番痛みますか? A 心身に不調がある方にとって、その不便は「日常」であり、僕たちがお声がけをするときに「大変ですね」と同情的なニュアンスの語尾を用いてしまうと、かえって嫌悪感を示されることがある。                                  (事業者) 4.障害のある人と市民や事業者が建設的に対話をするために、どんなサポートや環境があれば良いと思いますか。 趣味や娯楽、サロン・ワークショップなど。交流の機会を積極的に増やして欲しい。 (視覚障害) 明石駅周辺のお店をよく利用するが、何度か利用して顔なじみになると、障害やサポートの方法を理解して積極的にスタッフが声掛けをしてくれるお店や、世間話などをしながら温かく丁寧に接してくれるお店があり、とてもありがたい。他方で、何度か通って介助が必要と伝えても、忙しいときには対応できないためか、スタッフに声をかけても無視される場合もある。対応が難しい場合は、「少し待ってくださいね」や、状況を教えてもらえると助かる。どちらも相手の立場を考えた声掛けや状況判断が必要になると思う。      (視覚障害)  ・質の高い手話通訳者を増やす。(ろう者と意思疎通ができるレベル)  ・当事者抜きでの対話を控え、様々な声を汲み取れるように体制を整えてほしい。  ・市民・事業者が、当事者に寄り添えるようにしてほしい。  ・予約等で電話リレーサービスを利用した際ガチャ切りされたことがあるので、制度が   あることを認識していただきたい。   (聴覚障害)    困っていることがあるときは、気軽に声をかけられるような雰囲気、環境があればよいと思う。まだまだ「障害のある人と市民」は難しい問題かもしれないが、少しずつ理解が深まればよいと思う。             (肢体不自由)  軽度の知的障害者は一人で外出することも多い。コミュニケーションもある程度とれるので、周りの人が障害に気づかないこともある。ただ、災害や事故などの不測の事態が起こると、パニックや対応できないことがある。そのような様子の人を見かけたら、見守りや声掛けなどをしてもらえると助かる。交通事業者や警察などには、お世話になることが多いと思うので、職員の方々に知的障害のある人のことを知ってもらえる機会があれば良いと思う。                                (知的障害・支援者) 「障害を知る・障害のある人が身近にいる」ことが重要だと思う。小学校の頃から、障害者は支援学級や支援学校に分類され、健常者と呼ばれる人たちと関わる機会はほとんどない。みんなと同じようにできることを良しとした教育を受けてきた今、大人たちも障害のある人たちを「普通ではない人たち」と認識している方が多いのではないか。障害のある人がいてあたりまえな世の中になるために、「みんなが通える」公立小学校を設立していただきたい。子どものころから障害のある人が身近にいて、それぞれの個性を尊重し、自分ができることでお互いに助け合う環境になれば、みんなが生きやすい世の中になると思う。ぜひ明石に、分け隔て「みんなの学校」の設立をお願いします。              (知的障害・支援者) 障害のある人といっても一人一人の困り事は違うので、障害のある人から、「ここを助けて欲しい!」と伝える方法を。(障害のある無しに関わらず、自ら発信できる人とできない人がいます。)周りの方々には、障害は身体、精神等いろいろなので、ひとまとめに「かわいそうな人」と思わないでほしい。小さな頃から、自閉症や知的障害の特性や接し方を学ぶ機会を設けてほしい。                        (知的障害・支援者)  話しやすい環境を整える。大勢だと緊張するので、少人数でグループトーク形式だと意見が言いやすい。環境づくりの視点として、障害者雇用の経験のない企業の方に対して、「障害とは」「それぞれの特性」について話をし、理解を促す。  (知的障害・支援者)  ・障害特性について学ぶ場  ・施設見学など普段のかかわりを知る機会・支援者との接点(困ったときの窓口に)  ・施設(支援スタッフ・利用者)の地域活動への参加(顔みしりの関係をつくる)  (支援者) 親族や仕事などで障害のある人と関わることがなかったら、知らないままのことが多くあると思う。障害ごとの特性や、どのような場面で困り、どのような配慮が必要か、市民や事業者が障害当事者の声を気軽に知ることが出来る機会が増えれば良いと思う。 (事業者) 障害者施設に、もう少し多くの健常者がボランティアに入ってほしい。そして、毎日の生活を見てほしいと思う。障害のある方のがんばっている姿を見ることによって、健常者にとって励みになると思う。      (支援者)  例えば、精神障害者からは、バス停等に置かれているベンチが雨の時や日照が強い時の対策として、屋根のついたベンチにして欲しいとの要望が出ている。又、線路下をくぐるような道(トンネル)の照明が暗くて歩くのが怖い場合がある。この場合、何処に要望を言ったら良いのか?分からないことが多いが、先ずは行政に要望書を出して、その行政からバス停のベンチなどの管理会社や坑道(トンネル)の管理会社に連絡して対応していただけるようなシステムになって欲しいと思う。又、様々な要望があると思うが、行政からの回答も文書による回答書をいただきたい。現状は、一障害者団体からの要望に対しては、文書回答をしていただけず失望している。兵庫県や国に要望した際は、文書による回答をいただいている。本来、各団体からの要望書に対して、行政は文書による回答をすべきと考える。 (精神障害・支援者) 現在、障害がない方も、障害があることが特別なことではないことを理解し、自分ごととして捉えることが必要だと思う。また、障害の有無に関わらず、1人1人の人間がそれぞれ尊重されることが、より社会を豊かにしていくという理解が広まると良い。そのような理解を広めるためにインクルーシブ教育というのは大切なことだと考える。                          (支援者)  「障害がある」ことのとらえ方を変える。どんな人でも、得意なこと・不得意なことがあり、できること・できないことがあると理解する。苦手なこと・できないことが少しでもできるようになるよう手助けすることは当たり前だと思う。  (支援者) 「障害のある人と市民・事業者が対話をする」という表現自体が、障害のある人を自分たちとは別の存在としてとらえており、障害を“自分ごと”として考えていない言い方だと思う。日本における障害に関する認識で不足しているのは、「障害のある人が暮らしやすい街は、誰にとっても暮らしやすい街である」という前提に立ち、「地域をより暮らしやすくするためには何が必要か」を考える視点。必要なのは“対話”ではなく、“共に考え、共につくる”という姿勢。行政がまずその方向性を明確に示さなければ、いつまでも障害への対応は「特別な配慮」にとどまり、障害が個人の問題として扱われ続けてしまう。したがって、「障害者と対話する場」を設けるのではなく、「誰もが暮らしやすい地域をつくるために共に考える場」として会を企画・運営していく必要があると思う。     (支援者) 気づいてもらえると嬉しいのが人間という生き物。とはいえ、「教えてくれ」と言って障がいの有無やその不便をすべて伝えてくれる人がいるとも限らない。ヒヤリハットと同様に、僕たちが日常生活を送る上でどんな「不便」や「障がい」があるのかということを可視化していく必要があると思う。また、それらの事例は画像や動画といったビジュアルで伝えていく工夫もあるのではないだろうか。「不便をわかりやすく示す」ことが、市民や事業者への啓蒙となり、結果的に、誰にとっても暮らしやすい社会が実現していくのではないか。また、そのような素材は紙媒体にとどまらないので、結果的に拡散などの協力を得て多くの方に浸透していく仕組みに繋がるようにも思う。  (事業者)