資料3 1ページ 第3回 ジェンダーと防災に係る専門委員会議 当事者を交えたワークショップ等で見えてきた課題 (障害者・要配慮者の防災対策) 2ページ 障害者・要配慮者の観点からの防災対策 ワークショップの開催結果 4/25(月)に、障害当事者を交えたワークショップを開催しました 4/25(月)十六時〜十八時 参加者 計32名 障害当事者(肢体、聴覚、視覚、精神、知的)10名及びその支援員 地域関係者(民生委員等) 学生(神戸学院大学、明石高専) 上記の他、事務局(市役所職員)、手話通訳者等が各グループに参加 議論したテーマ ・災害が起きた!どこにどうやって逃げるか ・避難じょ生活、何がこまるか ・自宅で避難する時、どんなことに困るか 3ページ ワークショップの様子 市役所からの取組みを説明(取組説明の様子の写真) 各グループ毎にディスカッションをしました(ディスカッションしたときの写真) 困ることに対して、地域や自分で何がサポートできるかも、話し合いました 4ページ ワークショップの様子 各グループ毎に最後にひとこと(発表している写真) 神戸学院大、明石高専の学生の皆さん、元気に発表してくださいました。 当日は、学生引率の学生本塚座長、地域関係者として大野委員にもご参加いただきました(本塚座長、大野委員の写真) 5ページ 主なご意見(災害が起きた時にどこに逃げるか?何が困るか?) 障害があるかたは、そうでないかたに比べて自宅での避難を選ぶ傾向が強い。 一部複数回答有り 自宅に避難する人 16名 そのうち自宅に避難する障害のある人 5名 避難じょ・学校に避難する人 20名 そのうち避難じょ・学校に避難する障害のある人 3名 高台に避難する人 6名 そのうち高台に避難する障害のある人 1名 その他と答えた人 7名 そのうちその他と答えた障害のある人 0名 6ページ テーマ、避難じょへの避難 7ページ 障害のある人は避難じょに行くまでにも次のような困難がある。 (視覚障害者の意見)いつも通っている道路が通れれば避難できるが、陥没・瓦の落下や電柱倒壊等がある場合、迂回路を使う必要があり、一人で避難は困難 (肢体障害者の意見)道路が陥没していたら車いすでの避難は困難 (聴覚障害者の意見)市内アナウンスや掛け声が聞こえない。深夜の豪雨などはオトに気付かないため、災害が起きていること自体を認識できない不安 (精神障害者の意見)移動手段が困る。車を利用したいが渋滞することを心配 自分たち、地域、行政で次のようなことができるのではないか? 近所同士が車に乗りあって避難する 学生・体力のある人は、住民の荷物や人を運ぶサポートができる 地域での情報の共有・伝達 懐中電灯や防災バッグを準備しておく 8ページ 避難じょで何が困る? 障害のある人は避難じょでも次のような困難がある。 (視覚障害者の意見)トイレや更衣室にたどり着きやすいよう、体育館に避難するなら入口付近の場所だと助かる (視覚障害者の意見)福祉避難室があれば利用したいが、具体の想像がつかない (知的障害者の意見)盗難被害が心配、困りごとの相談を誰にしてよいのか不安、普段と違う環境でパニックになってしまう (肢体障害者の意見)トイレに時間がかかるため、周りに迷惑をかけないか不安 (精神障害者の意見)同居家族が足が悪いため、トイレのバリアフリー対応(ポールがついている、介護人も入れる大きさなど)を希望する 障害者以外からも次のような心配の声があがった。 高齢者はトイレが昼夜問わず近いひとが多いので、十分なトイレの数があるか、また夜でもトイレに行きやすい環境かが不安。 更衣室やできれば簡易なものではなく個室が良い。 介護食や処方やくが必要なため、避難時の対応が心配。 子どもやペットを連れていると騒がしくしてしまうため心苦しい。 9ページ 避難じょでのお困りごと、自分達、地域、行政で何ができるか? 知的や精神障害は一見すると周りに見えづらい。本人の「説明書」のようなものを用意しておいたり、大声やだどうに対する周囲からの理解があると安心できる。また指示は単純にするなど、伝えかたの工夫も必要。 見回りなど、避難者同士で役割分担をすれば行政の負担が減る。学生も地域に貢献できるので役割を割り振ってほしい。 情報伝達を一つの方法だけでなく、音声・文字・絵など多様な方法で行う。 携帯の充電切れは致命的なので、乾電池の予備や電池式充電器があると安心。 10ページ テーマ、自宅での避難 (在宅避難) 11ページ 在宅避難を選ぶ当事者の声 (視覚障害者の意見)阪神大震災の時にも自宅で避難した (視覚障害者の意見)盲導犬がいるので避難じょに行けない (視覚障害者の意見)マンション高層階に住んでいるため、エレベーターが止まらないか不安 (肢体障害者の意見)火事以外の場合は自宅に避難する (知的障害者の意見)阪神大震災の時、親が避難じょをいやがった 自分たち、地域、行政で次のようなことができるのではないか? マンション住民同士、声掛けをする 聴覚障害者のことを考慮して、フェースシールド(マスクだと読唇ができないため)や筆談ボードを準備しておく 障害者が住んでいることを伝えるマークを家の外につける。 ブロック塀をフェンスに置き換える 12ページ 在宅避難で何が困るか? 在宅避難で困ること・・・ (複数の人からの意見)正しい情報がタイムリーに入手できないと困る (視覚障害者の意見)処方やくが入手できないことが不安 (肢体者の意見)断水によるトイレ・洗濯・食事が自分一人でできるか不安。知り合いがいないと心細い (肢体者の意見)体調不良時にどこに相談したらよいか不安 (聴覚者の意見)外部や知り合いへの連絡をどのようにとって良いかわからない 障害者以外からも次のような心配の声があがった・・・ トイレが使えなくなったらどうしたらよいのか。 携帯の充電やシルバーカーの充電ができないと困る。 処方やくが切れた後に入手できるのか不安。 ストックしていた飲み水や食料が無くなったらどうすればよいか。 病院や物資に関する情報が必要 13ページ 在宅避難時のお困りごと、自分達、地域、行政で何ができるか? ■ご近所同士の「きょうじょ」■ 地域での情報共有をしあえれば、お互い安心できるのでは。 各家庭ごとに足りないものがあれば、近所同士でシェアしたり貸したりすれば良いのではないか。例えば、食料やポケット充電器。 子どもの預かり合いやマンション内での声掛けなどをしたら安心できる。 物資を取りに行けない人の分は、近所同士で取りに行ってあげてはどうか。 ■自分で備える「自助」■ 備蓄物資を常に家に置いておくように工夫する(水・食料・カセットコンロ・非常用バッテリー等) お風呂の残り湯を流さずとっておく。 ■行政の取組み「こうじょ」■ 災害発生時の情報提供について、多様な市民に配慮した方法へ変更してはどうか。 14ページ テーマ、何ができるか? 15ページ 災害に備えて日ごろからできること お互いを知る関係づくり(個別避難計画の作成促進) 災害リスクの高い明石川流域をはじめ、沿岸部等の地域で順次、個別避難計画の作成に取り組み、成果や作成上の課題等について意見交換する場を設ける。 各地域でのモデル的取り組みの実施 各地域で実施している避難訓練はイベント型(炊き出し、消火訓練等)が多数を占める(18校区中15校区がイベント型)。イベント型の場合、まち協のコアなメンバーが中心となった訓練となり、普段地域に関りが薄い層が参加しづらいケースもある。障害の有無や年齢・性別に関わらず、多様な住民が参加し、地域内の交流を深め、防災意識を高めるような、防災訓練をモデル的に実施する。 (例) 避難じょ開設ワークショップやシュミレーションゲームを実施、子連れでも参加しやすいよう一時預かりを実施、小学校の生徒と共同で防災訓練を実施、 等 16ページ 災害が起こったときに 避難じょ運営の工夫 第1回専門委員会議の議論も踏まえつつ、障害者でも安心して避難じょで過ごせるためのポイントを、避難じょマニュアルに盛り込む。 避難者も協力して役割分担できるような工夫をする(例:行政側で役割分担カードを作り、それをみて各避難者が自身が請負う役割に立候補する) 避難者名簿を、避難じょに避難している人のみを対象にするのではなく、在宅や車中避難者も含めて避難者名簿を作成する運用に変更する。 避難者名簿の様式を見直す(例:避難場所、障害がある場合はその種別、授乳アセスメント状況など必要な項目を追記)。 情報提供の工夫 情報提供内容の拡充(例:二次災害、警報、避難指示に留まらず、給水や物の配給状況なども情報提供する) 情報提供方法の工夫(例:誰でも情報が把握・検索しやすいWEBシステムの構築)