明石市ジェンダー平等の実現に関する検討会 第1回(2022年1月28日) 委員提出資料3 提出委員氏名 しん きよん ジェンダー平等を実現するためには、多様な人材が意思決定の場に参加することが求められる。とりわけ、日本では政治や経済分野におけるジェンダーギャップ(男女格差)が大きいのが問題と指摘されている。 多様な人材が意思決定に参加すると、多角的な視点から政策課題を検討することができ、同質グループによる意思決定の偏りやリスクが解消される。新しいアイディアや提案によってイノベーションが起きやすい。 意思決定の場に多様性を反映させるためには、性別、年齢、外国籍、性的マイノリティー、障がい者など、これまで意思決定に参加できなかった社会グループのメンバーが参加しやすくなるための仕組みが必要。 明石市における意思決定の場として想定されるのは、以下のとおり。 (1)行政機関の管理職、特別職 (2)審議会 (3)市議会 (4)企業 (5)まちづくり・地域団体          1 目指すべき議会のあり方  ・市民の多様なニーズや利害関心を汲み取る能力  ・市民の声に応答するための政策決定や予算配分  ・民主的で開かれた議会活動による政治への関心(投票率を含めて)の向上  ・社会の鏡のような代表性(市民の代表の属性に著しい偏りがない)を確保   →多様な議員を選出することが一つの答え 2 明石市議会の現状   明石市議会は女性議員が30%、兵庫県で5位。ただ会派による格差はある。   1兵庫県 小野市  7人/16人 43.8%   2兵庫県 宝塚市 10人/26人 38.5%   2兵庫県 川西市 10人/26人 38.5%   4兵庫県 伊丹市 10人/28人 35.7%   5兵庫県 明石市  9人/30人 30.0% 3 議員の多様性を確保するための諸外国の地方選挙制度の事例  (1)フランス(パリテ原則による「男女ペア候補」制度)   ・県(departement)議会:選挙区(canton)毎に男女がペアの代表2人を選出   ・立候補の時から「男女ペア」を一つの段位として出馬   ・当選:有権者25%以上の投票+過半数を得票した男女ペアが当選→過半数得票ペアがなければ12%以上の得票した男女ペアのみで決選投票   ・立候補の方法に法的拘束力があるため当選者においても男女半々(1999年には男性が90.8%)。  (2)韓国(パリテ・クオータ併用制度)   ・市町村議会:比例代表・中選挙区並立制   ・比例代表拘束名簿に女性候補者を50%以上+奇数に女性を配置   ・中選挙区候補者には全国の候補者のうち30%を女性に(努力義務)+国会議員の小選挙区毎に市町村議会選挙の候補者の最低1人は女性に義務付け。   ・有権者は2票   ・女性議員は30.8%(そのうち7割が比例から当選)  (3)台湾(女性の議席確保制度)   ・中選挙区・単記比移譲式投票制度   ・4分の1ルール:選挙区定数が4名以上の選挙区において当選者4名毎に1人は女性になるように保障する。例えば、定数4名の当選者全員が男性の場合には、4位の男性候補者は落選、次点の女性候補者が繰り上げ当選   ・県・市の女性議員は32.1%(6つの大都市は35.8%)  (4)ルワンダ(国政選挙:多様な社会グループの議席確保制度)   ・女性議員を最低3割保障   ・若者、障がい者枠   ・地域や団体から推薦   ・国会の女性議員は61.3% 4 考えられる選挙制度  (1)ペア候補制度(定数が30人のままと想定した場合)   ・2名*15ペア(投票数順で当選)=30人   ・どのようなペアにするのか:男女性別、性自認、年齢、障がい・・・   ・有権者は候補者ペアに1票、当選は得票数順  (2)議席確保制度   ・予め男性議席、女性議席、障がい者議席数を定めておく方法    @ 男女半々の議席+一定数の障がい者議席案(15+15+2)     →男女別異なる候補者名簿を作成、有権者はそれぞれに1票ずつ2票を投じる     →男女別名簿にそれぞれ障がい者候補者を含む方式、あるいは別枠で議席を確保    A 性別中立的クオータ:一つの性別が6割を超えないように上限を定める案     →例えば、現行投票制度をそのまま維持し、得票数で男性が当選者の6割(18名)に達した場合に、次点の女性候補者が繰り上げ当選する。あるいは女性が6割を占めた場合には男性が繰り上げ当選。 <参考>市区議会のうち女性議員の比率が40%を超えるのは13自治体(市区平均は16.8%)1。 1北海道 江別市 12人/25人 48.0% 1東京都 東村山市 12人/25人 48.0% 3埼玉県 新座市 12人/26人 46.2% 3東京都 武蔵野市 12人/26人 46.2% 5東京都 清瀬市 9人/20人 45.0% 6兵庫県 小野市 7人/16人 43.8% 7北海道 留萌市 6人/14人 42.9% 7東京都 狛江市 9人/21人 42.9% 9愛知県 大府市 8人/19人 42.1% 10東京都 豊島区 15人/36人 41.7% 11東京都 文京区 14人/34人 41.2% 12東京都 小平市 11人/27人 40.7% 13茨城県 牛久市 8人/20人 40.0% 13東京都 中央区 12人/30人 40.0% 1 町村の平均は11.3%(内閣府市区町村女性参画状況見える化マップ 2022年1月16日閲覧)