(仮称)あかしジェンダー平等の推進に関する条例 骨子案 1.目的   この条例は、ジェンダー平等の推進に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、ジェンダー平等を推進するための基本的施策を定めることにより、性別等(性別、性自認及び性的指向をいいます。)による不平等がなく、多様な市民それぞれが自分の意思で生き方を選ぶことができ、もってすべての人がその個性と能力を十分に発揮することができる社会を実現することを目的とします。 2.基本理念  ジェンダー平等は、次の事項を基本として、実現されなければならないものとします。  @ すべての人が個人として尊重され、性別等にかかわらず、その個性と能力を十分に発揮することができる環境が整備されること。  A すべての人が性別等による差別的取扱いを受けることがなく、また性別等に起因する暴力が行われることがないこと。  B 性別による固定的な役割分担等を反映した社会における制度又は慣行を見直すこと。  C すべての人が社会における構成員として、家庭、職場、学校、地域社会その他のあらゆる場(以下「あらゆる場」といいます。)において、意思決定過程に参画することができること。  D すべての人の性と生殖における健康と権利が尊重され、生涯にわたって自分らしい生き方を選択できること。 3.関係者の責務・役割等  @ 市の責務   ア 市は、基本理念にのっとり、ジェンダー平等の推進に係る施策を実施するものとします。   イ 市は、あらゆる施策を検討し、及び実施するにあたっては、ジェンダー平等の視点に立って行うものとします。   ウ 市は、ジェンダー平等の推進に係る施策の実施に当たっては、当該施策にかかわる多様な当事者の意見を聴くとともに、市民、事業者、地域団体等との連携に努めるものとします。   エ 市は、職員のジェンダー平等に関する意識を高めるため、必要な研修等を実施するものとします。  A 市民の役割   ア 市民は、基本理念に対する理解を深め、あらゆる場においてジェンダー平等の推進に努めるものとします。   イ 市民は、市が実施するジェンダー平等施策に協力するよう努めるものとします。  B 事業者の役割   ア 事業者は、基本理念に対する理解を深め、事業活動を行うに当たっては、積極的にジェンダー平等の推進に係る取組を行うよう努めるものとします。   イ 事業者は、市が実施するジェンダー平等施策に協力するよう努めるものとします。   ウ 事業者は、すべての従業員が職場における活動と家庭生活における活動を両立することができるよう、必要な環境づくりに努めるものとします。  C 財政上の措置    市は、ジェンダー平等施策を推進するため、予算の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるものとします。 4.性別等に起因する権利侵害の禁止  @ 何人も、あらゆる場において、性別等に起因する差別的取扱いその他の性別等に起因する人権侵害を行ってはならないものとします。  A 何人も、あらゆる場において、セクシュアル・ハラスメント又は婚姻、妊娠、出産若しくは介護に関するハラスメントを行ってはならないものとします。  B 何人も、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)、パートナー若しくは交際相手である者又はあった者に対する身体的、精神的、経済的、又は性的な暴力行為を行ってはならないものとします。  C 何人も、性自認又は性的指向の公表に関して、本人に対し強制し、又は禁止してはならないものとします。  D 何人も、本人の同意なくして性自認又は性的指向を公表してはならないものとします。 5.意思決定過程におけるジェンダー平等  @ あらゆる意思決定過程におけるジェンダー平等    ジェンダー平等である社会を実現するには、市、議会、協働のまちづくり推進組織その他のあらゆる分野における意思決定過程において、ジェンダー平等が推進されなければならないものとします。  A 特別職の職員   ア 市長は、定数が2名以上である行政委員会等の委員その他の特別職の職員の選任に当たっては、当該特別職の職員が男女同数(定数が奇数であるときは、男女の差が1人であることをいいます。)となるように努めるものとします。   イ 議会は、特別職の職員について、その権限に基づき、選挙、議決又は同意をする場合においては、男女同数となるように配慮するものとします。  B 市職員   ア 市は、職員の採用に当たっては、男女比率に配慮しなければならないものとします。   イ 市は、職員の監督職又は管理職の任用に当たっては、年齢を踏まえた男女比率に配慮しなければならないものとします。  C 審議会等   ア 市は、審議会等の委員を選任する場合は、男女比率に配慮するなど多様性を取り入れた委員構成とするよう努めるものとします。   イ 審議会等の委員構成その他の必要な事項については、明石市市民参画条例で定めます。  D 議会    市は、ジェンダー平等の観点から、議会における男女比率を踏まえた必要な施策を実施するとともに、すべての議員が議会活動を円滑に行うことができるよう、環境の整備に努めるものとします。  E 協働のまちづくり推進組織   ア 協働のまちづくり推進組織は地域における重要な意思決定に係る組織であることに鑑み、特にジェンダー平等が推進されなければならないものとします。   イ 市は、協働のまちづくり推進組織におけるジェンダー平等を推進するために必要な施策を実施するものとします。 6.ジェンダー平等の推進に向けた基本施策  @ 防災及び災害における取組   ア ジェンダー平等の視点に立った防災及び災害に係る取組は、発災時、避難生活時及び復旧・復興時等の段階ごとに検討され、市、市民、地域団体等の連携のもと、実施されなければならないものとします。   イ 市は、女性、乳幼児、高齢者、障害者等多様な属性の市民に配慮して、避難所の運営を行わなければならないものとします。   ウ 市は、地域の防災活動に多様な人材が主体的に関われるよう、必要な施策を実施するものとします。  A 教育における取組   ア ジェンダー平等である社会を実現するには、ジェンダーに関する無意識の偏見や固定的な性別役割分担意識に捉われることなく教育が行われなければならないものとします。   イ 市は、子どもたちの年齢に応じ、ジェンダー平等の推進に係る適切な教育を実施するものとします。   ウ 市は、子どもたち、保護者、教職員等に対し、ジェンダー平等を推進するために必要な研修等を実施するものとします。   エ 市は、教育分野に携わる者の男女比率に配慮するとともに、教職員が家庭と仕事を両立できるよう環境整備に努めるものとします。  B 家庭及び社会における取組   ア 家庭生活におけるジェンダー平等を実現するためには、固定的な性別役割分担意識に捉われることなく、家事、育児、介護をはじめとする家庭生活における活動を行うために必要な環境が整備されなければならないものとします。   イ 社会におけるジェンダー平等を実現するためには、職場、学校、地域をはじめとする社会における活動を、円滑に実施するために必要な環境が整備されなければならないものとします。   ウ 市は、市民が家事、育児、介護をはじめとする家庭生活における活動と職場、学校、地域をはじめとする社会における活動を両立して行うことができるよう、必要な施策を実施するものとします。  C 職場における取組   ア 市は、民間企業等の模範となるよう、市の職員が家庭生活における活動と職場における活動を両立して行うことができるよう、多様な働き方を推進するものとします。   イ 市は、民間の職場におけるジェンダー平等を実現するために、家庭生活における活動と職場における活動の両立に配慮した研修機会を付与するなど、だれもが働きやすい職場環境の整備を支援するものとします。   ウ 市は、家庭生活における活動と職場における活動を両立できるようにするために、職場におけるジェンダー平等の重要性及び当該両立に必要な制度等を、民間企業等へ啓発するものとします。  D 推進体制の整備    市は、ジェンダー平等施策を推進するため、必要な体制を整備するものとします。