【あかし、ジェンダー平等の推進に関する条例パンフレット、テキスト版】 1ページ(表紙) 一人ひとりが自分らしく生きられるあかし あかし、ジェンダー平等の推進に関する条例、パンフレット 〔イラスト:表紙全体に性別や障害の有無にかかわらず、様々な人が笑顔で明石のまちで過ごしている風景〕 2ページ あなたは将来なりたいものや、やりたいことはありますか。 誰かの〔こうしないといけない〕という言葉や思いに苦しんだり、本当の自分の気持ちを閉じ込めたりしていませんか。 あなたの人生は、あなたのものです。 あなたや周りのみんなが、性別などにとらわれず、個性を大切にして、自分らしく生きていける社会を目指すために、 この〔ジェンダー平等推進条例〕ができました。 これからジェンダーについて一緒に考えていきましょう。 この本の登場人物 【ジェン】 明るく元気な女の子。野球が得意で、人の前で話すことと、食べることが大好き。 〔ジェンのイラスト〕はつらつとした印象の女の子が笑顔で立っている。お団子頭に緑のパーカー。薄いピンクのズボンに白い靴を履いている〕 【ダー】 ジェンの家の隣に住む、心やさしい男の子。スポーツは苦手。お菓子作りが得意。 〔ダーのイラスト〕真面目で優しそうな印象の男の子が笑顔で立っている。おかっぱ頭にオレンジのチェックシャツ。薄い紫色のズボンに水色の靴を履いている〕 【インクルちゃんとワケナイさん】 やさしいまち明石の住人。ジェンとダーのご近所さん。 〔インクルのイラスト〕ひょうきんな表情の白いネコ。笑顔で走っているようなポーズをとっている 〔ワケナイさんのイラスト〕中性的な印象の大人、横縞の虹色の服にズボン姿。ビーチチェアに座り、笑顔でパンフレットを読んでいる 【この本を読む前に・・・あなたはどう思う?】 〔長方形の枠の中に10個の内容が箇条書きされている〕 次の1〜10の項目について、あなたはどう思いますか? この本を読む前に、そして読み終わってからもう一度、考えてみてください。 (以下、箇条書き) 1,家のことはお母さんがするものだ。 2,女の人は総理大臣になれない。 3,男の人は泣いちゃいけない。 4,男の人はスカートをはかない。 5,野球は男の子がやるスポーツだ。 6,女の子は赤のランドセルを使うべきだ。 7,働くのは、男の人だ。 8,人形遊びをしていたら、男の子が〔入れて〕と言ってきたので、ことわった。 9,男の人は女の人を好きになる。 10,女の子が〔オレ〕というのは変だ。 〔水色の枠〕 エスディージーズにも掲げられている〔ジェンダー平等〕 エスディージーズは国連で採択された世界共通の目標で、誰一人取り残さないという理念のもと、17のゴールが設定されています。 ジェンダー平等の実現も、5番目のゴールとして掲げられていて、すべての人が自分らしく生きられる社会を目指すうえで、重要なテーマの一つに位置づけられています。 〔エスディージーズのアイコン〕〔エスディージーズのターゲットナンバー5〕〔ジェンダーを実現しようのマーク〕 〔イラスト〕本の絵の中に〔条例〕と書いてあるマーク このマークのところに、各ページの内容が、条例のどこと関連しているかが、書いてあるよ! 3ページ テーマ〔ジェンダーって何?女だから?男だから?〕条例第3条第1項関係 〔まんが〕 1コマ目(庭のウッドデッキでのシーン。野球バットを肩に乗せたジェンが登場) ジェン:おーいダー。一緒に野球に…あれ?どうしたの? おちこんだ様子で体操座りのダー:しょんぼり 2コマ目(おちこんだ様子のダー。熊のおもちゃをもっている) ダー:だいじにしてた、おもちゃがこわれちゃって 3コマ目(ダーの回想。ダーをしかるおじいちゃんと、涙目のダー) ダー:そしたら、おじいちゃんに〔男がなくな!〕って怒られた ジェン:あらら 4コマ目(体操座りのダー。やさしく寄り添うジェン。ダーの頭をなでるインクル。) ダー:僕はなぐさめてほしかったのにさ。グスっ インクル:だよね 5コマ目 戸惑う表情のジェン:私もおばあちゃんから〔女の子なんだから、野球なんかやめて、ピアノでもしたら?〕って言われた。 驚くインクル:え? 6コマ目(野球のユニフォーム姿で、バットを構えるインクル) インクル:おんなの子は、野球したらあかんの? 7コマ目(腕を組み、悩んだ様子のインクル) インクル:女やから、男やからってだけで〔こうじゃなきゃあかん!〕って言われるのはなんか、モヤモヤするわなぁ ジェン:私は野球が好きなのに ダー:悲しいときはなきたいヨ 8コマ目 猫の友達を思い浮かべるインクル:どっちかにあてはめるんやなくて〔その人らしさ〕を大事にしたらええんとちゃうの?性格も一人ひとりちがうし 9コマ目 大きく両腕を広げるインクル:うちはジェンとダーが〔こうしたい!〕って気持ちを大切にしたらええと思うで!にゃーん インクルを見上げるジェンとダー 10コマ目(インクルが左手でジェンと握手。右手でダーと握手) ジェン:ありがとうインクル!なんだか、とっても気持ちが軽くなった! ダー:僕も インクル:それは良かった 11コマ目 ダーに手を振るジェン:じゃあ私野球行ってくる! ダー:僕も思いっきり泣くよ!わーん ダーにハンカチを渡すインクル 〔説明文〕 ジェンダーとは、〔女性・男性はこうあるべき〕という社会の中でつくられたイメージや、役割分担のことです。 消防士と言われると男性を、保育士と言われると女性を、イメージする人も、いるかもしれませんが、 こうした仕事や役割と性別は本来関係ありません。 最近では、女性の消防士や、男性の保育士も増えてきています。〔女だから〕とか〔男だから〕と決めつけずに、 自分らしく生きていけたらいいですね。 〔写真〕 女性消防士が消防車の前で笑顔で立っている。 〔横長長方形の枠〕 あなたの好きなこと、趣味を自由に書いてみよう 4ページ テーマ〔家のことは誰がする?〕条例第3条第3項関係 〔まんが〕 1コマ目(青空のもと、公園でジェンとダーがキャッチボールしているシーン) ダー:昨日、お父さんと一緒にクレープをつくったんだ レジャーシートでくつろぐインクル:クレープええな! 2コマ目 人差し指を立てるダー:お父さん、ふだん料理しないけど、がんばってたよ インクル:やるやん! 3コマ目 ボールを投げるジェン:私んちはいつもお父さんが料理してるよ ボールを取り損なうダー:そうなの? 4コマ目 取りそこなったボールを拾うダー。ひたいに少し汗をかいている:家のことってお母さんがやるもんだと思ってた 5コマ目(再びキャッチボールを再開するジェンとダー) ジェン:後片付けとかお皿洗いはお母さんがやってる! ダー:そっか…みんなで手分けしてやってるんだね 6コマ目 左手を勢い良く上げるインクル:はい。はーい!うちは料理はサッパリやけど、洗濯はめっちゃ得意やで! 7コマ目 直立のダー。向かってくるボールに気づいていない:洗濯だったらお父さんもやってたかも! 傍で飛び上がるインクル:ええやん!家のことは誰がやるってきまりはないで! 8コマ目 再び取り損なったボールを追いかけるダー:できる人がやればいいんだね 腕を高く上げるジェン:私もお手伝いがんばろっと 〔説明文〕 日々の生活の中で〔男は仕事、女は家庭〕というような、性別を理由にした役割分担について、思い当たる場面はありませんか? この性別による役割の決めつけや、思い込みは社会の中にまだまだ残っていて、それによって自分のやりたいことができなかったり、傷つけられたりする人がいます。 これまであたりまえ、と思われてきた役割分担やルールについて、一度考えて見直してみませんか? 〔緑の横長の長方形の枠に、14個の内容が箇条書きされている〕 家のこと、誰がやってる? あなたの家では、誰がやっているかな?カッコの中に書いてみよう! 家族みんなにとって、どんなバランスが良いか、一緒に相談してみてね! 1.ごはんをつくる 2.お弁当をつくる 3.ゴミの分別・ゴミ出し 4.掃除機をかける 5.トイレ掃除 6.洗濯物を干す・たたむ 7.買い物に行く 8.子どもにごはんを食べさせる 9.子どものおむつ替え 10.子どもをトイレに連れていく 11.こどもをお風呂に入れる 12.こどもと一緒に遊ぶ 13.子どもを寝かしつける 14.子どもを病院に連れていく 〔アンコンシャスバイアスについての説明〕 アンコンシャスバイアス。〔無意識の偏ったモノの見方〕のこと。他にも〔無意識の思い込み〕〔無意識の偏見〕〔無意識バイアス〕等と表現されることもあります。 国の計画では、アンコンシャスバイアスによる悪影響が生じないよう、男女双方の意識改革と、理解の促進を図ることとしています。 5ページ テーマ〔仕事と家庭の両立を、みんなで〕条例第6条、21条、22条関係 〔まんが〕 1コマ目(ダーの寝室で、ダーがしんどそうにベッドで寝ているシーン) ドアをそっとあけるお父さん:ただいまー。ダーは大丈夫? 寝ているダーに、心配そうに寄り添うお母さん:おかえりー。食欲はあるんだけど、熱が高くて… 2コマ目 中腰になるお母さん:明日、病院に連れて行った方がよさそうね お父さん:そうだね… 3コマ目(リビングでのシーン) テーブルでパソコン作業するお母さん:今夜はカレーよ キッチンでカレーをよそうお父さん:ありがとう 4コマ目 テーブルに座って、カレーを食べるお父さん:明日はプレゼンだったよね? お母さん:そうなの 5コマ目 お母さん:はぁ…せっかく準備したけど、課長に代役をお願いしなくちゃ お父さん:大丈夫!病院は僕が連れていくよ! 6コマ目 お母さん:え?いいの? まっすぐな目をしたお父さん:午前中は休んで、昼からはテレワークにするよ! 7コマ目 お父さん:ようやく任された、大事なプロジェクトだろ? お母さん:うん 8コマ目 グッドサインをするお父さん:明日は任せて ガッツポーズのお母さん:ありがとう!頑張るわ! 〔まんがをはさみ説明〕 いろいろな働きかたがあります かつては、みんなが通勤して、職場で仕事をすることが、あたりまえでしたが、今では、時間や場所にしばられない、いろんな働きかたがあります。 〔短時間勤務〕週3くらいで働きたいな 〔時差出勤制度〕早い時間から始めて、早く退社できたらいいな 〔在宅ワーク〕家でリモートワークがしたい 〔地域限定勤務〕今住んでいるところを離れたくないから、転勤がない仕事がいいな 仕事を休んで、安心して育児に参加できるようにしたり、職場以外の場所でも、仕事ができるようにするなど、仕事をする環境を整えていくことも大切ですが、 それぞれのおうちでの役割分担を、見直していくことも大切です。 〔まんが再開〕 9コマ目(次の日。ダーの部屋のシーン) ドアを開けるお父さん:ダー、ご飯食べれそうか? ベットから起き上がるダー:うん…おなか減った 10コマ目(リビングのシーン) お父さん:お昼はカレーだぞ!昨日お母さんが作ってくれた! ダー:やったー! 11コマ目(お父さんのスマートフォン。お母さんからのラインの画面) お母さんからのメッセージ:熱はどう? お父さんのメッセージ:少し落ち着いたよ お母さんからのメッセージ:プレゼン大成功 12コマ目 お父さん:お母さん、仕事うまくいったみたい ダー:僕もカレー食べたら、元気になってきた!カンパーイ (お父さんとダーがコップで乾杯。2人ともあかるい表情) 6・7ページ テーマ〔大切なことは誰が決める?〕条例第3条第4項、第9条から第18条関係 〔まんが〕 1コマ目(庭のウッドデッキのシーン) けん玉をしているダー 庭に入ってきたジェン:ねー聞いてよ! ダー:どうしたの? 2コマ目 右腕を高くあげ、人差し指を上に、得意げな表情のジェン:私、将来、総理大臣になることにした! インクル:すごい! びっくりした表情のダー:え? 3コマ目 少し困惑した表情のダー:やっぱりジェンはすごいな。女の子なのに。 ジェンとインクル:ん?女の子関係ある? 4コマ目 複数の男性政治家の顔を思い浮かべるダー:だって…女の総理大臣って、聞いたことないし、エラい人たちも、だいたい男の人だから… 5コマ目 腕を組み、考え込むインクル:う〜ん。でも、男の人と女の人が、同じくらいの数おるのに、男ばっかりって、なんかへんな感じ… 6コマ目 心配そうなダー:ジェンが女の人で初めての総理大臣になったら色々と… インクル:ダー、心配なん? 目をつむりながら話を聞いているジェン 7コマ目 左腕を高く上げるジェン:今までが男の人だからとか関係ないよ! 8コマ目 強い意志を感じる表情のジェン:だって、男の人にしかできないことじゃないでしょ?大事なのはその人のやる気と能力のはず! インクル:そやんね ダー:たしかに… 9コマ目 家の塀から顔を出し、登場したワケナイさん:世界には、女の人がリーダーっていう国が、いくつもあるよ! インクル:ワケナイさん! 10コマ目 ワケナイさん:だから夢をあきらめる必要ないよ! ジェン:だよね! ワケナイさんとジェンがハイタッチ 11コマ目(ワケナイさんが、思い浮かべている、色々な人のイメージ) ワケナイさん:大事なことは、男の人だけじゃなく、女の人も一緒に考えて、決めていかなきゃね 12コマ目(ワケナイさんが、思い浮かべている、様々な障害当事者のイメージ) ワケナイさん:もちろん、障害のある人とか、できるだけいろんな人の意見を聞いて、決めることが大切なんだよね 13コマ目 ジェンの背中に飛び乗るインクル:なんやったら、大事なことは、うちが決めたろか? ジェン:イイネ!ネコの総理大臣もありかも 腕組みをしているダー:インクルならなれるかも… グッドサインを送るワケナイさん 〔トピック1〕 世界の中で、日本ってどれくらいジェンダー平等が進んでるの? ジェンダー平等のレベルを示す一つの指標が〔ジェンダーギャップ指数〕。これは国の経済・教育・政治参画などについて、男女平等レベルを数値化したもので、2022年の日本は146かこくちゅう116位。主要先進国では最下位でした。 〔グラフ〕 ジェンダーギャップ指数(GGI)2022年 スイスの非営利団体〔世界経済フォーラム〕が公表。男性に対する女性の割合(男性の数値分の女性の数値)を示しており、0が完全不平等、1が完全平等。 ジェンダーギャップ指数0.908で、146か国ちゅう1位のアイスランドと、0.650で116位の日本について、経済参画・教育・健康・政治参画の4分野で比較している。 教育・健康については、ほぼ両国とも1に近い数値である。 経済参画については、アイスランド0.803に対して、日本は0.564と、約0.2ポイント差がある 〔インクルのイラスト〕 経済参画の数値が低いのは、女性管理職の少なさや、男女の所得格差が原因なんだって。働く環境のジェンダー平等も進めていかないとね。 政治参画については、アイスランド0.874に対して、日本は0.061と、約0.8ポイントの差があり、日本の数値が圧倒的に低い 〔インクルのイラスト〕 日本では、政治に関わる女性が少ないんやね 〔カタツムリのイラスト〕 世界では女性がリーダーを務めている国もあるよ! 〔説明〕 日本では、初代総理大臣からずっと男性が続いています。 でも、特に女の人が総理大臣になれない、というルールはありません。 世界では、国のリーダーを務めた女の人の数が、100人を超えています。 〔トピック2〕 大事なことは、女の人も一緒に考えて!防災編 例えば、災害時の避難所運営のことを、男の人ばかりで考えていると、 避難所生活の中での、女の人のニーズや困りごとが想定できないため、 女の人が、生活しづらい環境になってしまいます。 避難所での女の人の困りごと 困りごと1 〔イラスト〕男性が生理用品を渡す窓口に立っていて、困った表情の女性2人 生理用品がほしいけど、配布しているのが男の人なので声をかけづらい 困りごと2 〔イラスト〕男性が洗濯物を干している傍で、困った表情の母とその娘 男女別の洗濯物干し場がないので、下着が干せない 困りごと3 〔イラスト〕間仕切のない、敷物の上で着替えようとするが、不安な表情の女性2人。おなかがすいて泣いている赤ちゃんを抱っこしながら、困った表情の女性 人目に着かず着替えたり、授乳できるスペースがない 困りごと4 〔イラスト〕暗闇の先にある仮設トイレ 夜間は灯りがないので、屋外の離れた仮設トイレに行くのが不安 〔縦長の枠〕 安心して避難生活がおくれるように 〔写真〕市の防災会議で女性が発言しているようす 市の防災会議で、これからの女性の困りごとについて話合いました。これからは、女性も男性も安心して利用できる避難所をつくっていきます。 8ページ テーマ〔じぶんらしく生きる〕条例第1条、第3条第5項、第5条関係 〔マンガその1〕 1コマ目(海岸で海を眺めるジェンとダーのシーン。そばで寝そべるインクル。) ジェン:ダーは将来何になりたいの? ダー:う〜ん… 2コマ目 少し照れた表情のダー:まだわからないけど、お菓子作りを手伝うのが好きだから… ジェン:あっ、パティシエ? 3コマ目 笑顔のダー:そう!自分の作ったものを〔おいしい!〕って言ってもらえると嬉しいんだよね! いろんなお菓子を思い浮かべるジェン:私はたべるの専門だからなー 4コマ目 少し悩んでいるような表情をしているジェン:おばあちゃんからは〔料理ができないと、お嫁に行けないよ〕って言われるの 5コマ目 ジェン:でも私、結婚したいと思わないんだよね 6コマ目(世界中を飛び回るジェンのイメージ) ジェン:それよりお仕事したり一人で外国を旅してみたいの ダー:一人で? 7コマ目 少し困惑した表情のダー:一人だと寂しいような… ジェン:私は全然そう思わないけど… 8コマ目 ジェンとダー:インクルはどう思う? インクル:ん?そやなあ 9コマ目(明石焼きを食べているワケナイさんのイメージ) インクル:ワケナイさんは、結婚してへんし、子どももおらんけど、毎日楽しそうにしてはるで 10コマ目 にこやかなジェン:インクルと一緒だからじゃない? にこやかなダー:家族みたいなものだもんね インクル:まあそやな。でも… 11コマ目 インクル:一人でも、誰かと一緒でも、その人が楽しかったら、ええんとちゃうの? 12コマ目(駅に向かうジェンとダーとインクル) インクル:ジェンとダーが〔こうしたい!〕って気持ちが一番大事やな! 晴れやかな表情のジェンとダー:そうだね! 〔説明〕 あなたの人生は、あなたのものです。 自らの意思で責任を持って〔自分らしく生きる〕ことが大切です。 その人生の中で、誰かを好きになるかもしれないし、ならないかもしれない。 結婚するのかしないのか、誰かと一緒か自分一人か、子どもを産むか産まないか。 〔自分らしく生きる〕ことは、いろいろなかたちがあります。 そして、家族のかたちも一つではありません。 いろいろな家族のかたちがあります。 〔説明〕 リプロダクティブ:ヘルス:ライツ〔性と生殖に関する健康と権利〕 〔リプロダクティブ・ヘルス〕は、性や子どもを産むことに関わる全てにおいて、 身体的にも、精神的にも、社会的にも、本人の意思が尊重され、自分らしく生きられることをいい、 〔リプロダクティブ・ライツ〕は、生殖に関わることについて、十分な知識を得られ、 妊娠・中絶・出産について自分自身で選択し、決められる権利のことをいいます。 〔こんな制度もあるよ〕 パートナーシップ・ファミリーシップ制度に関するホームページへのリンク 9ページ テーマ〔じぶんらしく生きる〕 〔マンガその2〕 1コマ目(ジェンのおばあちゃんとワケナイさんがテーブルでお茶を飲んでいるシーン) おばあちゃん:ジェンが男の子ばかりの野球チームにいるの。女の人らしく、しなくて大丈夫なのか心配で ワケナイさん:う〜ん。そうですね 2コマ目(グラウンド) ワケナイさん:一度見てみましょう 野球の審判:試合開始します 3コマ目(ジェンが打ったり、走ったり、チームメイトと喜んだりしているシーン) 顔を紅潮させるおばあちゃん:あの子、あんなにどろんこになって。あんなに楽しそうにして。 インクル:こんなに夢中になれることがあるって、素敵ですよね。 4コマ目(ジェンのチームが負けたシーン) 審判:アウト。試合終了 チームメイト:負けちゃった ジェン:悔しい。次の試合は勝とう 5コマ目 チームメイトのみんな:練習頑張ろう。おー! おばあちゃん:〔女の子らしさ〕より大事なことがあるんだわ 6コマ目(おばあちゃんがジェンの傍に行くシーン) おばあちゃん:ジェン! びっくりした表情のジェン:おばあちゃん!? 7コマ目 ジェンの手を両手で握るおばあちゃん:あなたの頑張っていること応援する! (周りのみんなが祝福) 〔説明〕 ジェンダーとは、社会の中でつくられた、男女のイメージや、役割分担のことですが、〔社会〕とは何を指すのでしょうか?それは、私たち一人ひとりのことです。誰かの可能性を狭めたり、誰かを傷つけたりすることがないよう、みんなで一緒に話し合いながら、一人ひとりが自分らしく生きられる、明石を目指していきましょう。 〔写真〕小学校でジェンダーをテーマにした研修をしている様子 小中学校にジェンダー教育推進校を設置して、自分の心や体を大切にするために、必要なことや、ジェンダー平等のテーマに関するいろんなことを学んでいます。 〔説明〕 子どもを支える大人のみなさんへ 子どもたちの権利は、私たち大人が守らなくてはいけません。私たちの考え方や言葉が、子どもたちの中に〔あたりまえ〕として根付いていくことも少なくありません。そしてそれが、将来的に子どもたち自身の選択にも影響を与えるかもしれません。すべての子どもたちが、自分らしさを大切にして、生きられる社会を、みんなで一緒につくっていきましょう。 〔横長の枠〕 〔どんな自分になりたい?〕あなたのこれからのことを書いてみよう (これからやりたいこと、将来の夢など) 10ページ テーマ〔男の子は女の子が好き?〕条例第8条第4項関係 〔マンガ〕 1コマ目(ダーの部屋のシーン) ジェン:今日は外で遊ばないの? ジェンの背中を押すダー:いいから座って 2コマ目 座ってジュースを飲むジェン:いただきまーす。 ダー:実は僕… 3コマ目 不安そうなダー:好きな人ができたんだ お菓子を食べているジェン:そうなの?誰? 4コマ目 少し恥ずかしそうな表情のダー:同じクラスの丸丸くん ジェン:へぇ。男の子なんだ。 5コマ目 困った表情のダー:やっぱり変かな? あっけらかんとした表情のジェン:え? 6コマ目 ダー:男の子は普通は、女の子を好きになるんだよね… ジェン:ううん!そうとは決まってないよ。 7コマ8コマ目 笑顔のジェン:私のおばさんも、女の人と一緒に暮らしてるよ びっくりした表情のダー:そうなの? ジェン:私が大好きな野球も〔ジェンらしくていいね!〕って応援してくれるの ダー:そうなんだ 9コマ目 ダーの両肩に手を置くジェン:ダーがダーらしくいられるってことが大事だよ 10コマ目 ジェン:ダーが男の子を好きなら、私はそれでいいと思う ダー:そうだよね 11コマ目 安心した表情のダー:うん 12コマ目 ダーと肩を組むジェン:応援するよ! ダー:ありがとう 乾杯する2人:カンパーイ 〔説明〕 男の人がみんな、女の人を好きになるわけではありません。異性を好きになる人も、同性を好きになる人も、男の人も女の人も好きになる人も、誰も好きにならない人もいます。また、自分がどんな性別だと感じるか、どんな性別をあらわすかも人それぞれで、一人ひとり違っています。この好きになる性、思う・感じる性、あらわす性の3つの要素の組み合わせを、ソジーといいます。 〔イラスト:ソジーのキャラクター〕 〔説明〕 ソジーを知って、ソジトモになろう! 自分のソジーも、みんなのソジーも大切にできる人のことを、あかしでは〔ソジトモ〕と呼んでいます。あなたもぜひ、ソジトモになってね! 〔ソジーを知ってソジトモになろう:YouTube動画の二次元コード〕 〔説明〕 カミングアウトとアウティング(暴露) 〔カミングアウト〕とは、本人が自分の性のあり方を、伝えたい人に、伝えたいタイミングで、打ち明けることであり、 〔アウティング〕とは、カミングアウトを受けた人が、本人の同意がないままに、その人の性のあり方を、他の人にばらしてしまうことです。 相手がだれであっても、勝手に判断して、他の人に伝えてはいけません。 11ページ テーマ〔どんなことが差別なの?〕条例第3条第2項、第8条関係 〔マンガ〕 1コマ目(ジェンの家のリビングのシーン。お母さんはテレビをみながら洗濯物を畳んでいる。お父さんは台所で料理をしている。) テレビの音声:医学部の入試で、女性が不利になるような得点調整をしていた、いわゆる不正入試事件について 2コマ目 ひきつづきテレビの音声:大学側に損害賠償を命じる判決が出ました… お母さん:当然の判決よね 3コマ目 困った表情のお父さん:女性ってだけで、不利になるなんて、ひどいよね 4コマ目 困った表情のお母さん:いまだに〔女の人は結婚・出産で仕事を辞める〕って決めつけているのよ。それがさべつなのよ。 5コマ目 お父さん:そういう決めつけって、医療の世界以外にも、まだまだあるよね お母さん:そうよね〜。私も仕事を続けるのに、どれだけ苦労したか・・・ (お母さんが独身時代、結婚、出産、仕事復帰で苦労した場面のイメージ) 6コマ目(テレビ画面に、医学部不正入試、街の声はというテロップと、2人の若い女性が映っている) お父さん:今回のは、続ける以前にスタートラインにも立たせてもらえなかったってことだもんな… 7コマ目 強い意志を感じさせる表情のお母さん:やりたいことがあるのに、女の子ってだけで…そんなこと、あっちゃダメだと思う 8コマ目(お父さんとお母さんが向かい合うシーン) お母さん:ジェンにはそんな思い、絶対させたくない お父さん:僕たちが、変えていかないとね 9コマ目(ジェンが家に帰ってくるシーン) ドアの音:ガチャ 笑顔のジェン:ただいまー!おなかへったー! 笑顔で迎えるお母さん:おかえり! 笑顔のお父さん:今日はオムライスだよ 〔説明〕 医学部不正入試事件とは? 〔女性である〕ということを理由に、不正に減点し、女性にとって不利な採点を行った事件。2018年東京医科大学の不正入試が発覚したことをきっかけに、次々と全国の医学部入試で、差別的な不正が明るみになった。〔医者は重労働だから女性には務まらない〕、〔女性は結婚や出産で仕事を辞めたり、当直を外れたりするだろう〕、といった決めつけで、女性を不利に扱うことは差別にあたります。 〔説明〕 〔差別と聞くと〕どんなイメージを思い浮かべますか?女性差別など分かりやすい差別だけでなく、形として見えにくいものもたくさんあります。〔これまでそうだったから〕という決めつけで、無意識に誰かを排除してしまうことも差別です。私たち一人ひとりが、〔女だから〜〕、〔男だから〜〕という決めつけをしないことが、差別のない社会の実現につながります。 〔説明〕 差別以外にも 条例における〔性別等に起因する人権侵害〕は、差別だけでなく、不当な制度や慣行、セクシャルハラスメントなどのハラスメント、DV、カミングアウトの強制や禁止、アウティングなど様々なものを含みます。 12ページ テーマ〔みんなが自分らしく生きられるまちへ〕 〔まんが〕 1コマ目(教室のシーン) 先生:今日は手紙のほかに、パンフレットを配りまーす 生徒たち:がやがや 2コマ目 ジェン:一人ひとりが自分らしく生きられるあかし…へぇ… 3コマ目 先生:新しい条例に合わせて作られたパンフレットで、みんなも楽しみながら読めるようになってます 生徒:おおー、ほんとだ!マンガも載ってる。 4コマ目 笑顔の先生:大切なことがたくさん書いてあるので、みんなしっかり読んで、まわりの人にも教えてあげてください 5コマ目 先生:先生もこのパンフレットを読んで思ったことがあります 生徒たち:どんなことー? 6コマ目 先生:まずは、このクラスのみんなが自分らしく過ごせるように、していきたいと思います。みんなと一緒に! 先生とハイタッチする生徒たち 突然教室の窓を開け登場したインクル:先生も自分らしくな! 【結びの言葉】 この本を手に取ってくれてありがとう! ジェンダーに関わる課題はたくさんあるけれど、一人ひとりが自分のこととして、考えていくことで社会は変わります。みんなが自分らしく生きられる、ジェンダー平等社会を一緒に目指していきましょう! 〔イラスト:ジェンがみんなの前で演説している姿、好きな人に自分の作ったクレープをごちそうするダー、ダーの壊れた玩具をなおすおじいちゃんの姿など、まちのみんなが、自分らしく、楽しそうに過ごす姿が描かれている〕 【お問い合わせ先】 明石市政策局インクルーシブ推進室 〒673-8686 明石市中崎1丁目5番1号 TEL:078-918-6037 FAX:078-918-5136 MAIL:inclusive@city.akashi.lg.jp 編集・発行/明石市 イラスト/そやま まい 2023年4月