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更新日:2021年11月10日

子どもに伝えたい 私の一冊 (中学校長 編)

「子どもに伝えたい」をテーマに、中学校長オススメの本を紹介します。

子どもたちも、大人の皆様も、一度手にとってみてはいかがですか。

 明石市立魚住中学校 校長  前田 和孝 の一冊(2021年11月10日更新)

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『宮本武蔵 (八)』

吉川 英治 著(新潮文庫刊)

 

 今、二刀流と聞けば、少なくとも日本とアメリカでは大谷翔平という米大リーグ選手の名前が返って来るでしょう。しかし、大谷選手がプロ野球に入る前までは、おそらく二刀流といえば宮本武蔵であったにちがいないと思います。
私が初めてこの本を読んだのは、恥ずかしながら二十歳を過ぎた頃でした。宮本武蔵と言えば二刀流(二天一流)、巌流島、佐々木小次郎が定番ですが、私が惹(ひ)かれたのは、武蔵が剣を極めるために歩んだ修行の過程です。それは単に剣術の稽古に励んだのではないというところ。名を馳(は)せた剣術家との戦いを繰り返す一方で、兵法家であり、農夫であり、絵画・書・彫刻といった芸術家であり、建築・設計家でもあり、一見剣術とは何ら関係のない様に思える多種多様な道で才能を高めていったところです。
「一つのことに集中しすぎると視野が狭くなる。視野を広く持っていろんな角度から眺めなければいけない。」ということを学んだように思います。以来、広く浅くであってもいろんなことに挑戦し、「ちがった使い方はできないか?」という目で物や道具を見ることで、自分自身の人生が広がったように思います。
走って跳んで回って投げて打って捕って蹴って転んで・・・。幼・小・中時期にはいろんな経験が必要だと思います。サッカーだけ。野球だけ。・・・「〇〇だけ」に偏りがちな風潮がありますが、それを見直す一材料になってくれたらと思います。

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 明石市立望海中学校 校長  葛西 新吾 の一冊(2021年11月1日更新)

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『線は、僕を描く』

砥上 裕將 著(講談社 刊)

 

 私は、中学校から大学に至るまで運動部に所属していました。私生活においても、音楽や美術など芸術に関する事とは無縁でした。しかし、芸術に興味があり、楽器を演奏したり、絵を描いたりといった趣味を持つ人たちのことをうらやましく思っていました。
そこで、私も色々と挑戦はしてみるのですが、何をやっても長続きしません。不器用さや感性の無さにより、些細な壁を乗り越えられず、投げ出していました。そんな私ですが、この本と出会ったことで「芸術家」の世界を知ることができました。
この物語は、一人の青年が水墨画と出会い、偶然出会った有名な水墨画家に才能を見いだされ、その才能を開花させていく話です。
私がこの本を読んで感心したのは、人物以外に頻繁に登場する水墨画や、主人公が手法を会得するために苦悩する様子です。この二つの場面の文章表現は素晴らしく、読んでいくうちに自然とイメージができました。また、感性のない自分にとって、ものの見方を教えてくれた一冊でもありました。
芸術には興味はあるが、一歩踏み出す勇気のない人におすすめです。

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 明石市立大蔵中学校 校長  平田 高之 の一冊(2021年10月29日更新)

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『チコちゃんに叱られる!』

NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班 編(小学館)

 

少し前の発行ですが、ご存じNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」で紹介されたエピソードが本として書店に並んでいましたので、思わず買ってしまいました。
例えば、「なぜパンダは白黒?」「どうして北海道だけ「道」?」ですが、皆さんは答えが分かりますか?答えられなければチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られますが、私はほとんど答えられませんでした。
身近な疑問が多く掲載されていますので、小学生の皆さんにも興味を持って読んでもらえる一冊です。
もう一冊もかなり前になりますが「もしドラ」としてベストセラー、アニメ化・映画化もされた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という本です。
ドラッカーの『マネジメント』も読んだのですが、内容がかなり難しくて最後まで読むのに苦労したことを覚えています。こちらの本は、親しみをもって読みやすく中学生でも読んでもらえるのではないかと思い紹介しました。

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 明石市立朝霧中学校 校長  吉田 甲 の一冊(2021年10月15日更新)

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『よこいしょういちさん』

 かめやま えいこ 文と絵(ゆいぽおと)

 

 「横井庄一」さんって、知っていますか?
太平洋戦争が終結してもそのことを知らされず、帰国することもできずに戦地であるグアム島のジャングルで潜伏していた元日本兵のお話です。
食べるものもなく、着るものもなく、家財道具も一切ありません。ジャングルの中で手作りの道具を使い服や食器などをつくり、戦火におびえながら「日本に帰るんだ」という強い気持ちを持って一日一日を過ごされていました。
日本に帰ることをあきらめかけていたある日、現地の人に発見され帰国することになります。そのときすでに28年の月日が流れていました。このことは戦争を忘れかけていた日本人の心を強く打ちました。この本は挿絵が切り絵で描かれているモノクロの絵本になっています。それが絶妙に文章とマッチしています。
多くの世代が戦争経験のない今、戦争のありのままの姿を知るために、大人の方が子どもたちと一緒に読んでいただきたい作品です。

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 明石市立野々池中学校 校長  安保 泰博 の一冊(2021年10月14日更新)

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『新装 ぼくを探しに』

S・シルヴァスタイン 著/倉橋 由美子 訳/アドファイブ 装丁(講談社)

 

 大学生の時、この本に初めて出会いました。読み終わった時、ボロボロと涙がこぼれていました。それ以降、何度も何度も読んでいます。読むたびに、毎回違った気持ちになります。読み終える時間も10分だったり、1時間だったり。すごく単純な絵と文だけど、いっぱいいっぱい考えさせられる絵本です。
 「何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを 探しに行く」
こんな言葉から始まるパックマンのようなぼくの物語。時に歌いながら、時に虫と戯れながら、足りないかけらを探し続けます。いろんな出会いでぼくは様々な大きさや形のかけらを加えてみるものの、しっくりしません。     
何かが足りないと不満ばかり吐き出す時期もあります。満たされないことを他人のせいにしては、誰かを傷つけることもあります。でも、結局求めていたものは、ぼくはぼくだということ。頑張りすぎている人や迷っている人、立ち止まっている人に読んでほしい一冊です。きっと、前を向く力が湧いてきますよ。

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 明石市立大久保北中学校 校長  山脇 裕 の一冊(2021年10月1日更新)

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『生きる証 三浦靖雄画文集』

三浦 靖雄 著(春秋社)

 

早産で産まれた作者の三浦さんは、脳性小児麻痺(まひ)にかかり、3歳までは歩くこともできませんでした。高校卒業の頃には、進行性筋ジストロフィー症の症状が現れはじめます。その後も症状は進行しますが、口に筆をくわえて書画をしたため、「身障者の母」と言われた大石順教尼の影響を受けて、足の指の間に筆や彫刻刀を挟(はさ)み、動植物や石仏などをモチーフに次々と作品を生み出しました。ただ、一つの作品を作るのにも、ものすごい努力が必要であり、多くの時間がかかりました。しかし、思うようにいかない身体に鞭(むち)打って、一つ一つ丁寧に仕上げられました。私は、「龍」と「かに」という作品が好きです。すべての作品から、そのものへの限りない想いが伝わってきます。三浦さんは、
 「この画文集はつたないものですが、一人の人間としての生きざまを描いたものです。
 心の中に、魂の中に、本当の人の心を見てほしいのです。」と言われています。
東京2020のオリンピックやパラリンピックでは、たくさんの人たちが活躍されましたが、三浦さんも同じくらいすごい人です。
この本は現在絶版となりました。学校や公共図書館等で探してください。

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 明石市立二見中学校 校長  矢野 毅吉 の一冊(2021年9月22日更新)

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『羆嵐』

吉村 昭 著(新潮文庫刊)

 

  「熊が里に降りてきて人を襲った!」
最近増えたこんなニュースの見出しを見るたびに、この小説を思い出します。
1915年(大正4年)12月、北海道の小さな開拓村を襲った日本獣害史上最大の事件(三毛別羆事件)を、作者は持ち前の「歴史を正しく伝える」姿勢のもと、綿密な取材と歴史考証によって見事に浮き彫りにしています。村を襲った賢く凶暴な熊と対比し、あまりにも弱い人間との戦いを中心に、自然の偉大さ、人間の崇高な姿と醜い姿・・・。そして、ただ一人熊に立ち向かう猟師の勇気と悲哀など、様々な人間模様が描かれます。
中学生になったら文庫本やノンフィクションも読んで欲しいと普段から願っていますが、その入門にもぴったりの一冊です。
読後には、北海道の開拓の歴史、野生生物と人間の暮らしのあり方など、いろいろ考えさせられる作品です。史実から多くのことを学び、自らの考えを深めていきましょう。

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 明石市立錦城中学校 校長  谷郷 昌弘 の一冊(2021年8月23日更新)

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『李陵・山月記』 

中島 敦 著(新潮文庫刊)

 

「中二病」をこじらせて大人になってしまったおじさんの与太話。というのは冗談が過ぎますが、当たらずといえども遠からずです。「臆病な自尊心(自分には力があると思いたいが、他人に否定されるのが怖い)」と「尊大な羞恥心(恥をかくのが怖くてわざとえらそうにする)」は、ゆれ動く青少年期に誰もが経験することでしょう。自我に目覚め、そして自分について悩み苦しむことは古来より人間に共通することです。
『山月記』は中島敦の代表作で、漢文調の美しい文体が特徴です。短編ですぐ読めてしまうのですが、単に虎になった男の猟奇譚で片づけるのはもったいなさ過ぎます。自分を見つめ直し、ありのままの自分を受け入れることの難しさ。でも、ご心配なく。人はみな、自分の心に折り合いをつけ、乗り越えようともがきながら今を生きています。あなたにできないはずはありません。

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 明石市立大久保中学校 校長  村崎 和幸 の一冊(2021年8月20日更新)

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『あと少し、もう少し』

瀬尾 まいこ 著(新潮文庫刊)

 

 舞台はとある中学校の陸上部。寄せ集めのメンバーと頼りない先生の元で、中学校最後の駅伝大会に臨む中学生たちの物語。
これまでいたベテラン顧問が異動になり、代わりに着任したのは頼りない美術教師。部員を集めるも、メンバーは元いじめられっ子や態度の悪い生徒など頼りないメンバーばかり。果たして県大会を目指すメンバーたちの行方は?
思春期真っただ中にあるからこそ、一人ひとりに抱える葛藤があり、自身のそれと向き合っていく様子に感動します。
駅伝という競技を通じて、人と関わり合う中で右往左往しながら心を成長させていく中学生たちの姿に、胸が熱くなります。

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 明石市立江井島中学校 校長  植垣 文夫 の一冊(2021年8月17日更新)

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『兵隊さんに愛されたヒョウのハチ』

祓川 学 作/伏木 ありさ 絵(ハート出版)

 

高知県高知市にそびえ立つ高知城近くの複合施設「オーテピア」の最上階に「高知みらい科学館」があります。そこには「高知の自然と生きものゾーン」に「生きものと人間のかかわり」コーナーがあり、一頭のヒョウのはく製が展示されています。
「人に愛され、人とともに生き、人を勇気づけ、そして、人に命をうばわれたヒョウの「ハチ」。はく製になった今も、私たちに大切なことを教えてくれています。」と記されています。「大切なこと」とはなんでしょうか。愛されたはずなのに、命をうばわれたとはどういうことでしょうか。
今から79年前の昭和17年(1942年)5月30日、中国の山中で保護されたヒョウのハチは自分を大切に育ててくれた旧帝国陸軍歩兵236連隊第8中隊第3小隊(高知県)の兵隊さんたちと別れて、中国大陸から恩賜上野動物園(通称:上野動物園)にやってきました。当時、上野動物園にいたジョン、花子、トンキーの3頭のゾウの名前はみなさんも知っている人が多いのではないでしょうか。ハチに降りかかる運命もトンキーたちと同じくむごいものでした。
暑い8月が来るたびに私たちは戦争について考えさせられます。戦争のもたらす災厄は人間だけに降りかかるものではありません。動物も草も木も豊かな自然環境でさえも失われていきます。一頭のヒョウの数奇な運命に出会うことにより戦争のむごさや平和の尊さについて考えさせられる一冊です。

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 明石市立衣川中学校 校長  山田 祥千子 の一冊(2021年8月11日更新)

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『情熱力。アスリート「上野由岐子」からの熱いメッセージ』

上野 由岐子 著(創英社(三省堂書店))

 

 2021年7月27日、東京オリンピック2020のソフトボール決勝戦の相手は、2008年の北京オリンピックで対戦したと時と同じアメリカ。手に汗にぎる大接戦の末、日本代表は2大会連続の金メダルを獲得しました。アメリカの最終バッターを打ち取ったピッチャーは13年前と同じ、上野由岐子選手でした。試合後のインタビューで「夢はあきらめなければ叶う。」と話していました。
その力のことを上野選手は、「情熱力」と言っています。中学生の時に「オリンピックに出て、メダルを獲る。」という夢を持ち、努力を重ねたのだそうです。また、「自分が頭で考え、肌で感じたことこそが、自分の財産、血となり肉となり、自分を向上させる。」とも述べています。
この本は、北京オリンピックの後2009年に書かれた本です。けれども、今回の東京オリンピックで見せてくれた上野選手の熱い思いは、今も昔も全く変わらないものがあります。いや、同じ思いをあきらめずに持ち続けたからこそ、今回の金メダルがあったのだと改めて感じました。
あなたも、自分の夢に向かって、勇気を持って挑戦してみませんか?
この本は現在絶版となりました。学校や公共図書館等で探してください。

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 明石市立魚住東中学校 校長  赤松 弘一 の一冊(2021年7月30日更新)

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  『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』

  山極 寿一 著(家の光協会)

 

力が強く、恐ろしそうなゴリラ。しかし実際は、賢くて争いを好まない仲間想いの優しい生き物です。この本を読んでみると、情報化社会の中で毎日忙しくストレスにさらされて生きている私たちは、大切なことを見失っていることに気づかされます。
アフリカのジャングルで長年ゴリラのそばで暮らし、研究してきた著者は、ゴリラを通して人間というものを見直し、そこからよりよい生き方について問いかけています。
言葉をもたないゴリラが仲間との絆を深め、平和に暮らす姿からいろいろなことを教えられる一冊です。

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 高丘小中一貫教育校 明石市立高丘中学校 校長  西口 恵 の一冊(2021年7月21日更新)

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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

岩崎 夏海 著(ダイヤモンド社)

 

本を読むことが苦手な人、また、受験勉強を頑張っている3年生にビタミン剤としてこの夏に出会って欲しい一冊です。
幼なじみで親友の夕紀に代わり、公立高校の弱小野球部のマネージャーを買って出たみなみは、ドラッカー著の経営書『マネジメント』と出会います。練習にほとんど参加しない部員とともに、はたして都立程久保(ほどくぼ)高校は甲子園に出場できるのでしょうか?
野球を嫌い、憎んでいたみなみがなぜマネージャーになったのか?「真摯さ」とは?親友の夕紀は?と、読み進めていくうちに、いつしかあなたも程高野球部の応援団に。「9回裏、程高攻撃。ツーアウト一・二塁。祐之助が弾き返したボールはライナーで・・・、相手二塁手は、タイミングを見計らって、ジャンプ・・・」。気がつけば、ページをめくるスピードが速くなりますよ。
作者の岩崎氏は放送作家でもあり、秋元康氏と親交が深くAKB48のプロデュースにも携わった人です。
是非、夏の高校野球にちなんで手に取って欲しい一冊です。本との良き出会いを!

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 小学校長・幼稚園長・教育長 編

 


 


 

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