ここから本文です。

更新日:2023年3月1日

生活習慣病と予防について

  1. 生活習慣病とは
  2. 高血圧とは
  3. 糖尿病とは
  4. 脂質異常症とは
  5. メタボリックシンドロームとは
  6. 生活習慣病の予防

1. 生活習慣病とは

不摂生不適切な食生活、運動不足、ストレス過剰、喫煙、過度の飲酒など、不健康な生活習慣が積み重なって発症する病気の総称です。初期には自覚症状がほとんどみられない高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などのほか、日本人の死因の上位を占める心疾患や脳血管疾患などが生活習慣病に含まれます。自覚症状が無くとも年に1回は健診を受けて、生活習慣病の早期発見・早期治療に結びつけましょう。自分の生活習慣を振り返り、予防に役立ててください。

2.高血圧とは

血圧測定心臓が収縮したときの血圧を収縮期血圧、心臓が拡張したときの血圧を拡張期血圧と呼びます。日本高血圧学会では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。
高血圧を放置すると、血管の壁が圧迫され続けて血管がもろくなり、心疾患や脳血管疾患、腎臓機能の低下を引き起こします。
医療機関で測ると血圧が高くなるタイプ(白衣高血圧)や、反対に医療機関で測る血圧が正常でも、家庭で測ると血圧が高くなるタイプ(仮面高血圧)があります。家庭でも血圧を測り記録を残すなど、普段から自身の血圧を把握しましょう。

成人における血圧値の分類

  診察室血圧 家庭血圧
分類 収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120    かつ    <80 <115    かつ    <75
正常高値血圧 120~129   かつ   <80  115~124   かつ   <75
高値血圧 130~139  かつ/または  80~89 125~134   かつ/または   75~84
Ⅰ度高血圧 140~159   かつ/または   100~109 135~144   かつ/または   85~89
Ⅱ度高血圧 160~179   かつ/または   100~109 145~159   かつ/または   90~99
Ⅲ度高血圧 ≧180  かつ/または  ≧110 ≧160  かつ/または  ≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140    かつ    <90 ≧135    かつ    <85

出典:高血圧治療ガイドライン2019

3.糖尿病とは

動脈硬化毎日の食事によって摂取した糖質は消化されてブトウ糖になり、吸収された後、膵臓から分泌されるインスリンによって細胞内に取り込まれます。しかし、インスリンの分泌量が低下したり、その働きが悪くなると、血液中に含まれるブトウ糖が多い状態(血糖値が高い状態)が続きます。これが糖尿病です。
糖尿病は、血糖値が多少高い程度(200mg/dl前後)では自覚症状はほとんどありませんが、300~400mg/dl程度まで高くなると、のどが渇く、尿の量が増える、傷が治りにくい、だるい、疲れやすい、食べてもやせるといった症状が現れます。糖尿病の放置や管理が不十分の場合は、血管が障害されて血流が悪化し、細い血管が集中している臓器に合併症が生じます。とくに眼の網膜や、腎臓、神経にある細い血管が障害を受けやすく、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を起こします。さらに悪化すると、大きな血管にも動脈硬化が生じ、心疾患や脳血管疾患の危険性が高まります。定期的に健診を受け、自身の血糖値を確認し、生活習慣を見直しましょう。

血糖値の基準値

  • 空腹時血糖:10時間以上の絶食後(水やお茶などのカロリーのない水分は除く)の血糖。
    正常値:110mg/dl未満
  • HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー):過去1~2カ月間の平均血糖値を示します。
    正常値:4.6~6.2%

糖尿病の合併症

  • 糖尿病性網膜症
    眼の網膜の血流が悪化し、視力の低下や、中には失明する場合もあります。また、白内障になる人も多いといわれています。
  • 糖尿病性腎症
    現在、人工透析になる原因の1位が糖尿病性腎症です。尿を作る腎臓の毛細血管の血流が悪化することで腎機能が低下し、蛋白尿がでたり、老廃物のろ過ができなくなり、最終的に人工透析が必要となる場合があります。
  • 糖尿病性神経障害
    症状の出かたはさまざまで、手足のしびれ、けがややけどの痛みに気づかないことなどが挙げられます。そのほか胃腸の不調、立ちくらみなど、さまざまな自律神経障害の症状が現れます。

4.脂質異常症とは

脂質異常症(高脂血症)とは、血液中のトリグリセリド(中性脂肪)やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多い状態、あるいは、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態をいいます。空腹時の血液中に、LDLコレステロールが140mg/dl以上、HDLコレステロールが40mg/dl未満、あるいは中性脂肪が150mg/dl以上の場合に脂質異常症と診断されます。
血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが多いと、血管の壁にコレステロールなどが沈着し、血液の流れが悪くなり、血管の弾力性もなくなるため、動脈硬化を悪化させます。
HDLコレステロールは、血管の壁に沈着したコレステロールを取り除き、動脈硬化を予防する働きがあります。LDLコレステロールが多いだけでなく、HDLコレステロールが低下すると動脈硬化が進みます。

5.メタボリックシンドロームとは

食べ過ぎ、偏った食事、運動不足などによって内臓脂肪が蓄積することにより、内臓脂肪型肥満が引き起こされます。内臓脂肪型肥満に、高血圧、高血糖、脂質異常が組み合わさり、動脈硬化が進行しやすい状態をメタボリックシンドロームといいます。

メタボリックシンドローム診断基準

メタボウエスト周囲径(へその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧、血糖、脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

【メタボリックシンドロームの診断基準となる、血圧・血糖・脂質の値】

  メタボリックシンドロームの診断基準(ウエスト周囲のほか、下記2つ以上が該当)
血圧 収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上
血糖 空腹時血糖値110mg/dl以上
脂質 中性脂肪150mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満

 

6.生活習慣病の予防

生活習慣病予防の基本は食事と運動です。自分の体格と運動量に合った食事を摂り、摂取エネルギーが過剰にならないようにすることや、塩分や脂質の摂りすぎなど偏った食事を避けること、個人のライフスタイルに合った身体活動・運動を続けることなど、生活習慣の適正化が予防に繋がります。

自分の生活習慣を振り返り、できることから始めましょう

・適正体重を維持しましょう
・日頃から運動をしましょう
・適切な食事を心掛けましょう

・食塩の摂りすぎに注意しましょう(男性:7.5g未満/日、女性:6.5g未満)
・節度ある適度な飲酒を守りましょう
・禁煙をしましょう
・十分に休息をとりましょう
・ストレスをためないようにしましょう
睡眠サラダwasyoku親子運動

健康づくりのMyルーティンを見つけましょう

自分にあった健康習慣を見つけ、継続しましょう。

例)週1回体重や血圧を測り、記録する。

→健康管理に、健康手帳をご活用ください。

適正体重を維持しましょう

食事でとるエネルギー量が、運動で使われるエネルギー量を上回ると、使いきれなかったエネルギーが内臓脂肪として蓄えられます。肥満傾向のある人は、体重を減らすと内臓脂肪が減少します。
また、適正体重を維持することが、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病予防につながります。

※BMI(体格指数)を計算すると、適正体重を算出できます。

BMI(体格指数)=体重(kg)÷[身長(m)]2

適正体重とは:[身長(m)]2×22を標準とします。体重計

肥満・やせの基準BMI
18.5未満 やせ
18.5以上25.0未満 普通体重
25.0以上 肥満

生活リズムと生活習慣病について

ストレッチイラスト生活習慣病の発症には、生活リズムが大きく関係しています。そのため、規則正しい生活を送り、質の良い睡眠時間を確保することで、生活習慣を予防することができます。一度定着した生活習慣や生活リズムを変えるには時間も労力もかかるため、子どもの頃から規則正しい生活リズムを身につけられるよう、心がけましょう。

 

お問い合わせ

明石市福祉局あかし保健所健康推進課

明石市大久保町ゆりのき通1丁目4-7 あかし保健所

電話番号:078-918-5657

ファックス:078-918-5440