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No1 < 名前の由来 >
この犬にはじめて出会ったのは、8月初旬の暑い日でした。初めて見た時「何て大きい犬だろう」というのが率直な感想で、
運搬用ケージの中でその巨体を精一杯縮こまらせ、恐怖で硬直して、ケージから出そうとしても漬物石のように踏ん張り、一歩も動きませんでした。
大人3人がかりで何とか広い部屋に入れ、とりあえずごはんを与えてみましたが、ごはんを前にしてもびくともせず、白目を剥かんばかりに目だけを動かして、人間の様子を伺っていました。 この犬は1週間経っても2週間経っても、 私達に全く心を開いてくれませんでした。ごはんを置いたり、声をかけたりしても何も反応しません。人間世界で生活したことがなく、あらゆる物、
音、触れるものが初めてのような反応で、人間が敵か味方か分からない、といった状態だったのではないでしょうか。職員が 近付いたり、触ったりしても、どんなのこわくても
決して怒ったりはしませんでした。普通はよく分からない相手が近付いてきたら、(人間でも)身を守るため攻撃的になると思います。でも、この犬は
攻撃することはなく、怯えきっている体に反し、とても優しそうで綺麗な目をしていたのを今でも覚えています。
「怖がりだけど、優しい心の持ち主」 いつしか職員みんなそう認識していました。そして、あかし動物センターでの彼の名前は、優しくて真っ直ぐな目から“優真(ゆうま)”となりました。