第9回明石市手話言語等コミュニケーション施策推進協議会 議事概要    日時:令和4年2月18日(金) 午後2時〜3時30分 場所:市役所議会棟大会議室 1 開会挨拶 市長あいさつ  明石市のまちづくりに各分野・各地域において、ひとかたならぬお力添え賜っていることについて、市民を代表して厚く御礼申し上げたい。  今日は、日ごろのお礼と、あらためて3点お願い申し上げたい。  まず1点目は、この協議会が進めようとしている施策は、まちづくりそのものということ。皆様にご議論いただいているテーマは、全ての人が暮らしやすいまちづくりの根幹をなす大変重要なものであり、引き続き多くのお力を賜りたい。  2点目は、まちづくりというものは、市役所だけでできることではない。多くの地域の皆さんや市民の皆さん、それぞれの力を合わせてこそできることであり、多くの方々が一緒になって、施策を進めていくことが大変重要であり、そのことをあらためて市長としても皆さんにお願い申し上げ、市としてもしっかりと、官民連携をしながら、施策を推進することをお約束申し上げたい。  3点目は、まだまだ明石市も道半ばであり、様々な条例を制定してきたが、今月始まる議会におきましても、新たにインクルーシブ条例の議論を予定しているところ。また、長期計画についても、SDGsの理念である誰一人取り残さない、そういった明石を目指す方向で進んでいる。  まだまだ明石市もやることは数多くある。SDGsは終わったテーマではなく、まだスタートを切って間がないテーマであり、やれることは数多くあると考えている。引き続きしっかりと市長としても頑張る所存であり、明石市もしっかりと皆さんと一緒に頑張り続けることをお約束したい。  以上3点、市長から直接皆さんにお願い申し上げたい。今日の協議会も、本当に重要な会議であり、時間の限りはあるが、ぜひ忌憚のないご意見をお願いしたい。また今日お声を上げるのが難しければ、あらためて事務局にお声を上げていただけるようお願いしたい。 2 委員紹介  3 施策推進協議会【資料1】市の取り組み状況について    事務局から資料の説明 (意見) ・実績の説明の約8割が手話関連のもの。聴覚障害以外でも、知的障害や発達障害、精神障害などコミュニケーションそのものがとりづらい人が多い。療育手帳は市内で約3000人、精神障害のある人も2800人くらいいる。この条例の検討委員会の頃から携わっているが、もう少し汎用的な条例としての内容を考えてはどうか。 ・取り組み報告は、市の施策だけでなく、それに対する当事者からの反応や評価を一緒につけてほしいと以前の協議会で意見を出した。この取り組みに対して、ろうあ協会や他の障害者の方などがどう感じているのかなどの意見を入れてほしい。 (事務局) ・条例のたてつけが、手話、要約筆記、点字、多様なコミュニケーション手段の利用促進となっている。さまざまなコミュニケーション手段や、コミュニケーションしづらい人への支援も順次入れていく必要があると考えている。 ・当事者の意見も報告に入れるようにしていきたい。 ・コミュニケーションのしづらさは、人によっても異なるし、障害種別や年齢、生活背景等によっても違う。職員間では、市民対応をする中で分かりやすい情報提供や必要な支援などについて気づきを共有し、改善していけるように気を付けているがまだ不十分な点も多い。聴覚障害だけでなく、コミュニケーションそのものをとりづらい人への対応や施策についても検討を進めたい。    4 委員報告と意見交換「明石市手話言語等コミュニケーション施策推進協議会アンケー   ト結果」【資料2】    事前アンケートを基に、条例施行後の変化や課題などについて意見交換。 (委員) ・郵便局に行くと「筆談ボードあります。ご活用ください」と書かれていたが、見えづらい場所に掲示されていた。もっと見やすい場所にあるほうが当事者も声をかけやすいと思う。 ・ヤングケアラーのことをテレビで見て、大変だと思った。明石市でもヤングケアラーが何人ぐらいいるのかなど分かれば知りたい。 ・明石市ではないが、豪雪地帯では点字ブロックが雪で埋まってしまうため、視覚障害者はどうしておられるのかと思った。 (事務局)  助成制度を利用した事業者で、筆談ボードを導入している店にアンケートなどはしている。時間の経過とともに、お店の隅に置かれていたり、店員が変わると情報共有が不十分で活用されていない場合もあると聞いている。制度開始から利用している事業者が増えてきているので、改めて筆談ボードや点字メニュー、簡易スロープなどの活用状況や逆に事業者側の困りごとなどを確認し、せっかくの制度を有効活用できるよう取り組みをしていきたい。  ヤングケアラーは、市内の現状での人数等は把握していないが全国的に問題となっており、個別のケースで小学生や中学生が家族の支援をすることで大変な例がある。こちらも新年度以降、ヤングケアラーの支援という視点で取り組んでいきたい。 (委員)  山陽電車に掲載されたポスターは、知的障害の特性についてわかりやすく書かれているので良いと思う。知的障害の人だけでなく、発達障害の人たちもこれからどんな支援が必要かと考えている。コミュニケーションもとりやすくなると良いと思う。 (委員)  山陽電車の車両にポスターが掲載されている。2年前に山陽電車から育成会に相談があった。この条例の検討をしていた時期に関わっていた神姫バスの所長とのつながりがきっかけとなっている。神姫バスでは以前から乗務員に車いすの体験や白杖体験、知的障害の疑似体験などの研修をしていた。神戸学院大学の学生さんにも毎年体験してもらっている。神姫バスの所長と山陽電車の職員さんにつながりがあり、山陽電車でも乗務員を対象に知的障害の疑似体験をしてもらう研修をするようになり、知的障害の人の理解などを交通事業者にも広げていくことが大切だとなり、ポスター制作につながった。こういう積み重ねでまち全体に理解が広がっていくと思う。全国でこの取り組みを発表されて、障害者が乗り物を利用する際にどんな支援が必要か、という交通事業者での検討がされている。山陽電車はこの取り組みで賞も受賞されている。 (委員)  この条例ができて時間も経過しているので、各障害者団体に意見を聞く機会を持ってほしい。私は中途の視覚障害で全盲だけれど手話の学習をしている。私の病気は進行すると難聴になる心配もある。中途で障害者になる人も多いく、困りごとも一人ずつ違うので、それぞれの人の意見を聞く場が必要だと思う。 (委員)  事前アンケートで、筆談ボードをおく店が増えてきたのはとてもうれしい。導入しているお店はどのくらいあるのか?どんなお店に置かれているのか、ホームページ等にも情報を掲載してほしい。 (事務局)  公的助成制度を利用し筆談ボードを置いている店は、平成28年4月〜今年の1月までで380件の申請がある。市のホームページでも、店舗の一覧表を掲載している。今日の資料に掲載のQRコードからも見ていただくことができる。 (委員)  施策推進のハード面と、ソフト面の両方で発言したい。私は就労の分野で関わっているが、障害者の義務雇用率が0.2%上がっている。企業からの障害者の求人が増えている。 就職者数は増えていることで、就労施策が推進されているのはわかる。雇用された会社で長く働き続けられるかの実態がわかりづらい。雇用されても1年未満でキーパーソンとなっていた職員が異動されたことで当事者が不調になる。コミュニケーションのしづらさを持っている人が多い。当事者をとりまく人的な支援が整わないとうまくいかない。明石市でもキャリアアップ事業で資源循環課で障害当事者を3人、3年間有期雇用して、一般就労に向けた実習をしている。市本体では10人程度の職員募集があり、募集方法も知的障害の人も受験しやすいように配慮されている。これまでに採用されている人が、定着の程度がどんな様子か、現場の配慮はどうされているか、などの検証をしてほしい。一般企業でも、採用後のフォローがしづらくて「あくと」に相談に来られる方が多い。 (事務局)  障害福祉課で障害当事者の職員が4人いる。全庁的な状況は詳しくは把握していない。まだまだ障害当事者が安心して働き続けられるかと考えると課題が多い。職員とのコミュニケーションも課題。個別性もあり、どんな困りごとがあるのか、各所属で試行錯誤をしながら仕事をしている。将来的には専門的なサポートも必要と職員室は考えている。障害福祉課として「あくと」に企業への啓発などサポートをお願いしているが、市も事業者として障害者が安心して働き続けられるような環境づくりを考えていきたい。 (委員)  企業の担当者と話をしていたら、人のつながりで施策は広がっていくと実感している。小学校でも手話教室が開かれたり、こどもたちが学校で学んだことを家で話して人のつながりを通して広がっていくと思う。障害当事者の就労も、障害者雇用の実態と施策整備を検証していくことをしてもらえたらと思う。 (委員)  就労を継続するのは難しいというのは理解されている。企業の人に理解してもらうのは大変だけど、発達障害のある人は、その人の取り扱い説明書のようなものがあると、周りの人も接し方が分からないと思う。会社がそれを参考に取り組んでもらえるのかなと思う。 (事務局)  市の状況では、市が率先して障害者雇用や合理的配慮は十分な対応ができて広がっていくと思う。コロナ禍で研修はできていないが、「なるほどザ配慮通信」で育成会の「私のことを知ってください」の取り組みを共有するなど、工夫して職員のレベルアップを図っている。福祉局で障害当事者を受け入れている中で、課題等を人事部局に伝えて改善を求め検討している。委員が言われたように検証をすすめたいと思う。 (委員)  「手話チャンネル」に副音声をつけてほしい。視覚障害者は手話チャンネルの内容が分からない。副音声があれば勉強しやすいので、検討してもらえたらうれしい。 (事務局)  手話チャンネルは、画面を見られない、見づらい人にとっては情報がわからない。 すぐに解決することは難しいが、どのように伝えるのが良いか検討したい。検討する際には、当事者の意見を聞いて進めていきたい。 (委員)  コロナの相談ダイヤルを担当している。一般の人は電話で相談できるが、障害があって電話で相談できない人はどうしているか。そういう人は当事者団体などを通して市に連絡されたりしているのか? (事務局)  コロナ感染やワクチンに関して団体を通じての連絡は現時点ではない。障害のある人の日々のお困りごとについては、障害福祉サービスを利用している人は、福祉サービスの計画を作成している相談員がいる。例えば親がコロナに感染してこどもが家に残されるのでホームヘルプの支援や、事情で入院ができないので短期入所を利用するなどの相談は受けることがある。事業所と障害福祉課と連携して対応している。施設での消毒の仕方やトリアージについてなども保健所と連携していることもある。 (委員) ・久しぶりに市役所に来たら、庁内のトイレの場所がわかりづらいと感じた。ピクトグラムや床に色分けしてたどったりできる、わかりやすい表示があれば障害のある人も行きやすい。また、よくわからないで迷っている様子の人がいたら、気軽に声をかけあえる雰囲気が大切だと思う。 ・コロナでオンライン授業を大学は取り入れるようになった。視覚障害や聴覚障害のある学生は、情報にアクセスするまでにとても苦労をしている。メールやラインやさまざまなツールを使ってアクセスする人もいるが、それができない人もいる。当事者がオンラインに移行している中で、どんなことにつまずいているかを気づかずに進めてしまっている部分もあると思う。そのような人の声を聴けるようにすることも大切だと思う。 (委員)  啓発について。聴覚障害者=手話という認識を持っている人が多い。小学生や中学生でもそのイメージが強いように思う。「文字による支援が有効な人もいる」ことをもっと知らせたい。社会福祉協議会にも、小学校から手話教室の依頼があるときには要約筆記のことも伝えたいので10分でもいいからその時間を作ってほしいと伝えている。市も手話教室の開催をするときは、要約筆記のことも啓発をするように検討してほしい。 (事務局)  市が主催する「手話体験教室」の中で、「耳が聞こえないとどんなことが困るか?」や「コミュニケーションの方法は?」をこどもたちに問いかけ考えてもらう方法をとっている。その中で、コミュニケーションの方法は人によって違うことや、補聴器のこと、書いて伝える方法も有効なことも職員から説明するようにしている。要約筆記のことについても今後どのような形で啓発していくのが良いか検討したい。 (委員)  市長が冒頭のあいさつで、「明石市のまちづくりを進めるために」と言っていた。まちづくりという観点で、障害者の暮らしやすさがどうか、日常の暮らしの改善につながるようなことを今後の協議会の内容にいれてほしいと思う。 (会長まとめ)  この条例ができる前の検討会から参加しているが、当時はいろんな障害の特性や困りごとなどの状況が全く分からず、話を聞く中で少しずつ分かってきた。条例ができて施策が進んできている。当時と比較すると、いろんなことが進んでいると感じる。今日の議論でまだこれからも進めていくという委員の認識が強く感じられた。やるべきことや課題が多くあり、これからも進めていけると思う。「コミュニケーションの基本」は人と人とのつながりなので、いろんな形でのつながりの工夫が求められると感じている。つながりを大切にしながら、これからも進めていけたら良いと思う。 (事務局)  委員のみなさんから多くのご意見をいただいたので、これからの施策に反映できるように検討したい。 5 その他  事務局から委員の任期(令和4年5月末)について説明。今後のことは個別に連絡する。 6 閉会