(仮称)あかしインクルーシブ条例の制定に向けて 1.制定趣旨 平成25年6月の障害者差別解消法の成立を契機として、本市では「手話言語・障害者コミュニケーション条例」や「障害者配慮条例」といった条例整備と合わせて、障害のある人もない人も誰もが安心して暮らせる「やさしいまちづくり」の実現に向けた様々な取組を、障害のある人や支援者、事業者などとともに推進してきた。 この経過を踏まえ、共生社会ホストタウン登録、中核市移行といった本市にとって新たな役割が付加される今、これまでの障害者施策の取組を「まちづくり」という幅広いフィールドの中で、より実効性の高い施策へと導くとともに、すべての市民が安心して暮らせるまち明石を実現するために、今後の包括的指針となる新たな条例を制定しようするもの。 2.検討体制 障害当事者や支援者、学識経験者、民間事業者等、様々な立場の方々に参加いただくこの検討会において、市民と行政が一体となって検討を進める。 検討会には、国が東京オリンピック・パラリンピックを機に「共生社会の実現」に向けた取組を推進していくにあたって作成した「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を踏まえ、「心のバリアフリー部会」と「ユニバーサルデザインの街づくり部会」の2つの部会を設置し、各部会の中で課題整理を行ったうえで、全体会において条例案を集約する。 また、当事者参加が形式的なものにならないよう、障害当事者や支援者の意見を尊重しながら検討会を進行する。また、当事者団体・支援者団体へのヒアリングの実施や条例検討の進捗状況を市民に知らせ広く意見を聴取するなど、検討会以外の場でも障害当事者を含む市民が実質的に参加できるよう努める。 3.条例の位置づけと検討方針 今回の条例を「やさしいまちづくり」の実現に向けた、市政全般にわたる取組指針とするほか、市政の根幹である長期総合計画やまちづくりの指標である地方創生総合戦略にもその理念が反映されることを目指す。 そのためにも、共生社会実現に向けた国や県の動向だけでなく、国連が掲げる次の2つの指針における理念を踏まえ、条例検討を進める。 (1)SDGs(持続可能な開発目標) 世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標。「誰も置き去りにしない」ことをポイントとして、マイノリティや社会的弱者、こどもからお年寄りまで、全ての人たちが大切にされるインクルーシブな社会を目指すこととしている。 (2)障害者権利条約 あらゆる障害者に、障害のない人と同等の尊厳と権利を保障するための国際人権条約。障害は機能障害と周囲の様々な障壁との相互作用によって生じるとする「障害の社会モデル」の考え方や合理的配慮など、現在の障害者施策を推進するうえで重要な概念が規定されている。また、「私たち抜きに私たちのことを決めないで(Nothing About Us Without Us)」のスローガンを掲げ、障害のある人に関わる政策や事業が当事者参加を基礎として検討されるべきであるとしている。 4.条例施行後の展開 本条例を市の様々な事業を包み込む指針ととらえ、福祉計画だけでなく市政における様々な事業や計画等に条例の理念が反映されるよう、分野横断的に取り組める体制を整え、長期的な取組の中でインクルーシブなまちづくりを継続的に推進していく。 また、上記の取組を持続可能な施策としていくために、今回の条例検討会メンバーを基本とした協議会を設置する等、個別施策についての条例や計画などについて継続的に検討する場を確保し、条例の理念を障害当事者とともに具現化していく。 5.今後のスケジュール 2018年8月第1回検討会 11月第2回検討会(部会のみの開催)2019年1月第3回検討会中間とりまとめ 5月第4回検討会(部会のみの開催) 8月第5回検討会最終とりまとめ 9月〜10月パブリックコメントの実施 12月市議会へ条例提案 2020年4月条例施行