資料3−2 明石市障害者差別解消の推進に関する職員対応要領 別冊   1 すべての障害に共通して気をつけること  まずは声かけ いきなり声をかけることはためらわれますが、一言「なにかお手伝いしましょうか?」と聞いてください。声かけをせずに突然助けに入ったり、何もせずに通りすぎたりすることのないようにしてください。    ご本人の話を最後まで聞く * ご本人の話をさえぎらず、最後まで聞く。 合理的配慮として、どのような配慮をすればよいのか。それは、ご本人のご希望を聞くことから始まります。また、結果的にご要望をお受けすることが難しくても、丁寧にお聞きした結果であれば納得していただけることもあります。ご本人のご希望をさえぎらずに聞くことを大切にしてください。 * ご本人がお話しやすいようなコミュニケーション手段を用意する。 コミュニケーションに障害がある場合は、ご本人が意思を伝えやすいコミュニケーション手段を職員から提案してください。 * 対応する時間が限られているときは、お話の最初に、相談に対応できる時間を伝える。 業務が多忙の時は、お話できる時間にも限りがあります。限られた時間で応対をするときは、面談の最初に、「最初に、大変申し訳ございませんが、本日はこれから○分程度しかお時間をお取りできません。」とお伝えしてください。    求められても「できないこと」があるときには・・・           * すべての求めに応じることが「合理的配慮」ではありません。 市職員が提供すべき「合理的配慮」とは、 ・ 障害のない人と同じだけのことができるようにするために ・ 必要かつ適切な現状の変更や調整を行うこと です。障害がなければ普通にできることについて、障害のせいでできないということがないようにするものです。 * 「できない」ことは「できない」とお断りを。ただし・・・ ご本人からのご希望にお応えできない場合もあるでしょう。そうした時には、お断りすることも必要です。しかし、その場合は、ご本人に納得いただけるよう、ご希望に沿えない理由を丁寧に説明してください。  外見では気づかない障害にも気づけるように日ごろから情報収集を * 障害があると気づけなかったときは配慮できなくても仕方がありません。でも・・・ 障害の中には、一見してわからないものもたくさんあります。心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方、発達障害のある方、ろう・難聴の方、人工関節を内蔵している方などです。そうしたときには、障害があると気づくことは難しく、気づけない以上配慮ができなくてもやむを得ません。 * 障害の特性について、日ごろから情報収集をしましょう しかし、それぞれの障害特性をあらかじめ知っておくことや、障害のある人と接する経験が増えることで、見えない障害に気づける「感度」を向上させることもできます。「もしかしたら」と思ったとき、障害の有無を確認する必要はありません。確認せずに、積極的に以下の障害の種類に応じた対応を実践してみてください。  ★コミュニケーション方法に留意しましょう 手話言語を確立するとともに要約筆記・点字・音訳等障害者のコミュニケーション手段の利用を促進する条例 明石市では、「手話言語を確立するとともに要約筆記・点字・音訳等障害者のコミュニケーション手段の利用を促進する条例」に基づき、コミュニケーションに障害がある方への施策を推進しています。 聴覚障害者・視覚障害者・知的障害者など、コミュニケーションに障害がある市民からの相談については、下記を参考に適切な対応をしてください。基本的には、ご本人が希望するコミュニケーション方法を選択していただきます。 まず、「●●課の○○です」と名乗り、どんなコミュニケーション方法が良いかをたずねて対応してください。   2 障害の種類ごとに気をつけること  視覚障害 (視覚障害とは) 視覚障害とは、視覚機能に何らかの障害がある状態をいいます。 ■盲…全く見えない、または視力が限りなく「0」に近い状態です。光も感じられない全盲のほか、光を感じられる状態、目の前で手の動きや指の数が数えられる状態なども含みます。 ■弱視…視覚による日常生活が不自由な状態です。単に視力が弱いだけではなく、視野が狭かったり、明るすぎると見えづらい、暗いところでは極端に見えにくくなるなど、見え方や不便さの度合いが人によって異なります。 ■視野狭窄…見える範囲が狭いため物にぶつかったり、段差につまずいたり、階段を踏み外すなどの危険性があります。 (必要な配慮) * 声をかける場合は、前から声をかけてください。 後方から声をかけても、誰に対して声をかけたのかわかりません。視覚に障害のない人があたりまえにわかる周囲の状況が分かりにくいことに配慮しましょう。 * 書類は、代読をしてください。申請書などの代筆も必要な場合もあります。 申請書に記入する際、申請者欄の記名は、ロービジョン用機器を駆使して自身で記入できる人(自身で記入をしたい人)もいます。代筆や、代読が必要かどうか意思を確認し、求められた場合には、応じましょう。 * 実況中継をしてください。 黙って代筆をしていると、視覚に障害がある人は様子が分からないので不安になります。「今、住所欄を記入しています。」「今、あなたの氏名を記入しました。」「○○でよろしいですか?」「今、待合の人が多くなっていますので、別室で続きの手続きをしましょう。」などと、逐一、支援の内容や周りの状況(視覚により入手できる情報)を声に出して、説明をしましょう。 * 個人情報を読み上げるときは、プライバシーに配慮した空間で対応してください。 個人情報を代読するときは、まわりの方に聞こえないよう、配慮をしてください。カウンター越しに対面で応対するとどうしても声が大きくなってしまうため、別室が用意できないときなどは、隣に座って耳元で代読するなどの工夫が必要です。 * 別の場所に移動する時には、手引きによる案内が必要かどうかを確認し、必要な場合は、その場所まで、手引きによって、ご案内してください。 原則として、応対した人が別の場所までの移動の手引きを担当してください。どうしても別の場所まで同行することができない場合は、移動先部署からのお迎えを呼ぶ、総合案内の方にお願いするなどの対応をしてください。視覚障害のある方に手引きを行うときは、どのように誘導するのが良いか(職員の腕や肩に手をのせるなど)確認し、移動している間もまわりの様子を伝えてください。 職員が手引きをすべき範囲は、原則として市役所の敷地内です。敷地外にある駅や、バス停などまで同行する必要はありません。 * 電子データを送る場合、PDFファイルを避ける。 文書や資料を電子メールで送るときは、PDFファイルや表や図は、音声読み上げ機能が作動しないので、多用しないなどの配慮が必要です。  聴覚障害 (聴覚障害とは) 聞こえの程度や聞こえなくなった時期(先天性か後天性か)、受けてきた教育などにより、コミュニケーション手段は人によって異なります。聴覚に障害のある人のすべてが手話を理解しているわけではなく、誰もが文字を書いて筆談ができるわけでもありません。場面ごとに、一人ひとりにあったコミュニケーション手段を考え、ご本人が最も表現しやすい方法で会話するようにしてください。 (必要な配慮) ○ まず、コミュニケーション手段についてご本人に確認する。 * 手話での相談を希望された場合 ○ 庁内の手話通訳者を呼んで通訳を依頼してください ・ 手話通訳士職員(福祉総務課障害者施策担当 内線2147) ・ 設置手話通訳者(障害福祉課障害福祉係 内線2114・2115) ※「手話通訳を呼びます」「少しお待ちください」等、簡単な手話で対応すると安心してお待ちいただけます。 ○ ご本人は手話通訳を見ながらメモを取ることができませんので、確認事項は職員がメモしてお渡しするなどしてください。 * 筆談での相談を希望された場合 ○ 紙で筆談を行う場合は、小さなメモではなく、A4程度の用紙を用意してください。 ○ 筆談は、話し言葉をそのまま書いても、単語だけを書いても意味が分かりづらくなります。ご本人が理解されているかどうか、反応を見ながら筆談を進めてください。一つの文章が長くならないように注意してください。 ○ ひらがなよりも、見慣れた漢字の方が伝わりやすい場合があります。読み方が難しい単語にはふりがなをふると、意味と読み方が伝わりやすくなります。 ○ タブレットの音声変換アプリ「UDトーク」や筆談ボードを見ていただき、利用する方法もあります。 * 「大きな声で話して」と言われた場合 ○ 職員の口の形が読み取れるように顔を上げ、早口にならず聞き取りやすい発声を心がけてください。 ○ 聞き返されたときは、よりわかりやすい言い方で話してください。ゆっくり話す場合は、一音ずつ区切るのではなく、文節で区切って話をしてください。 (例)「た・ん・と・う・は・しょ・う・が・い・ふ・く・し・か・で・す」→「たんとうは・しょうがいふくしかです」 ○ タブレットの音声変換アプリ「UDトーク」や筆談ボードを見ていただき、利用する方法もあります。重要なことはメモをお渡しするなどしてください。 * 電話だけでなく、ファックス、電子メール等も柔軟に利用できるようにしてください。  身体障害(手や足などの障害) (身体障害とは) 運動に関係する器官が損傷を受け、手足や体幹が動きにくくなるなどの状態をいいます。原因としては、脳性まひ、進行性筋ジストロフィー、脳血管障害、変形性関節症、リュウマチ、交通事故や高所からの落下などによる脊髄損傷・頸髄損傷・頭部外傷、労働事故などによる四肢の切断などのほか、さまざまです。 一口に肢体障害といっても、その状態は、障害のある部位や程度によってさまざまです。日常生活にさほど支障を感じない人から、車いす、杖、義足、義手などの補装具を必要とする人、食事や排せつ、着替えなど日常生活動作において介助を必要とする人がいます。 (必要な配慮) * 上肢障害の場合 ○ 書類に記入してもらう際、紙を押さえておく。場合によっては代筆が必要になることがある。 ○ 座位が無理な姿勢にならないように工夫する。 ○ 動作がゆっくりでも急かすことをしない。 * 言語障害を伴う場合 ○ 隣に介助者(ヘルパー)がいる場合でも、介助者に話しかけず、本人に話しかける。 ○ 聞きとりが困難である場合は、何回か聞き返す。 ○ それでも聞き取りが困難である場合は、紙に書いてもらったり、パソコンで打ちこんでもらったりする。 * 下肢障害の場合 ○ 車いすの場合は、職員が姿勢を低くしてご本人と目線を合わせて会話する。 ○ 杖歩行や義足、人工関節など、移動が困難な方の場合は、職員の方が移動して、本人の移動距離が最小限で済むようにする。 ○ 車いす用トイレの場所は、聞かれたらすぐにお答えできるよう、日ごろからチェックしておく。  知的障害 (知的障害とは) 知的機能の障害が発達期(概ね18歳未満)に現れ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な支援を必要としている方です。自閉症を伴う方も少なくありません。 知的障害者といっても、人によってそれぞれです。例えば、見たことや聞いたことを整理して理解することが不得手であったり、自分の考えを相手に伝える表現がしにくかったり、おつりのやり取りのような日常生活での計算が苦手な人がいます。 (必要な配慮) * 相手の年齢にふさわしい応対をする 成人の知的障害者に対して、子どもに対するような話し方や、プライドを傷つけるような言動をとることは許されることではありません。こうした「子ども扱い」が反復継続する行為は、障害者虐待の行為となることもあります。感情の部分に障害があるわけではなく、表情や態度に込められた差別感は伝わります。 * ご本人の意思を確認しながら話す 当事者のみで来庁、相談されることはあまりないかもしれませんが、家族・支援者が同行している場合でも、ご本人の意思を確認しながら相談を進めるようにしてください。 * 時間はゆっくりかける 同じ話を繰り返すなど、時間がかかる場合がありますが、落ち着いて相談ができるように心がけてください。 * 面談時の配慮 大勢の人がいる場所で不安を感じないように、面談室・相談室を使用してください。また、穏やかな口調を心がけ、丁寧にゆっくり話してください。分かりやすい表現に言い換えるなど、ご本人の反応を見ながら必要と思われる場合は繰り返し説明をしてください。 * 表現の工夫 言葉が理解できていなくても、相手に合わせるために「うん」「はい」など、肯定の返事をしてしまうことがあります。また、誘導(「はい」「いいえ」の二択で応えられるような質問)に乗せられる傾向があります。できるだけご本人の意思を確認するためには、オープンな質問(二択ではなく、自由回答になるような質問。いわゆる5W1Hの形で聞く質問)をするように気をつけてください。 耳から入る聴覚情報よりも、目で見る視覚情報の方が理解しやすい人も多くいます。絵や図を描いて話すと理解しやすい場合があります。  発達障害 (発達障害とは) 発達障害者支援法では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」とされています。 ここにあげた障害のどれに該当するか、厳密に診断をつけることは非常に困難であると言われています。一般的には、 ○ 目線が合わない、表情や身振りにとぼしい(社会性の障害) ○ 言葉が出るのが遅い、言葉の「おうむ返し」、一方的に際限なく話す(コミュニケーションの障害) ○ こだわりが強い、ごっこ遊びが苦手、活動の興味が極端に狭い、社会規範や規則に絶対的に拘束されて融通が利かない(想像力の障害とそれに基づく行動の障害) ○ 感覚過敏(明るさ、におい、特定の音などに対して過剰に反応する)。 などの特徴があります。ただし、人によって異なるため、個別に対応をする必要があります。主に社会性について障害が強く表れることから、コミュニケーションに関して注意が必要になります。障害を理解し、対応について職員間で情報の共有をすることが大切です。 (必要な配慮)                         * 具体的かつ簡潔な説明を心がける 発達障害のある人の中には、抽象的な説明を理解することが苦手な方がいらっしゃいます。「あれ」「これ」などの指示語はできるだけ使わないようにし、分かりやすく簡潔に伝えることを心がけてください。一方的に説明するのではなく、相手の様子を確認しながら話をすすめることが大切です。 * 環境を変えてみる 感覚過敏から、会話に集中できなくなることがあります。人が多い場所は避け、面談室を利用してみる、日が射す場所ではなく、少し暗い場所で話を聞く、など、ご本人がどのような刺激を苦手としているか、聞いた上で環境を変えてみるのも一つの方法でしょう。 * 相手が理解できているか、細心の注意を払う 知的障害がある人と同様、誘導的な質問に乗りやすい方が多いです。また、「わからない」「困っている」などのSOSの表現をなかなか発することができない方もいらっしゃいます。理解しているようでも実はそうではない、ということがあるため、メモを取ってもらったり、職員がメモを書いて渡したりするなど柔軟に行いましょう。 * 視覚情報を利用する 文章だけを読んで理解することが難しくても、フロー図やイラストから内容を 把握することができる場合があります。写真やイメージ図等も活用しましょう。  精神障害 (精神障害とは) 精神障害は、統合失調症や気分障害(躁うつ病、うつ病)、アルコールや薬物の依存症などの病気のために、日常生活や社会生活がしづらくなる状態のことをいいます。 統合失調症は、脳内の情報処理システムの不具合によって、情報を正しく認識する能力が低下し、正しい判断ができにくくなります。幻聴(現実にはない声や音が聞こえるように感じること)や、被害妄想(周囲の人が自分の悪口を言っていると感じること)が現れることもあります。また、意欲が低下する、感情が乏しくなる、人と接することに消極的になることもあります。 気分障害には大きく分けて躁うつ病とうつ病があります。躁うつ病とは、気分が高揚し、活動的な躁状態と暗く元気のないうつ状態がさまざまな形で現れる病気です。いずれの疾患も、現在の精神医療や福祉的支援を適切に受けていれば、多くの方が治癒又は寛解の状態となり、社会生活に復帰することができます。こうした障害は、外見からは分かりづらく、周りの人の理解を得ることが難しいことや、障害に対する誤解や偏見のため、本人は孤独や孤立感を深めることになります。 現在では、適切な治療・リハビリテーションや福祉的支援等を受けながら、病院に長期間入院せず、地域で安定した生活を送ることができる人も増えています。周囲の人が理解しようと努め、できる範囲でサポートすることが大切です。 (必要な配慮) * 基本的には、自然体で対応することが原則。 * 時間が許す限り、じっくりと話を聞く ○ 話すことで気持ちが落ち着いてくる、という側面もあります。急かさず、さえぎらず、ゆっくりと話を聞いてください。 ○ 妄想が入ると、客観的には「そんなバカな」と思うこともあるでしょう。しかし、内容の当否は気にせず、否定せずに話を聞いてください。 ○ 幻覚や妄想は病気の症状として受け止め、説得や議論・対決は避け、「否定もせず、肯定もせず」という対応が好ましいとされています。 ○ 「それは不思議ですね」「そう、それはつらいでしょうね」「ここではよくわからないので、信頼できる人に相談してみてはいかがですか」などです。 ○ できる限り「共感的に」話を受け止めてください。 * 伝えるとき〜シンプルで具体的なわかりやすい表現をする。 ○ 長い話や、複雑な話は、聞いているだけで疲れてしまいます。説明はできるだけ、シンプルかつ具体的にしてください。 ○ 聞くときは「じっくりと」、話すときは「簡潔に分かりやすく」→ご本人よりも、職員の方が話している時間は短くなるように。 * 疲れやすいことに配慮する ○ 入口や、待合ロビーで戸惑っていると思われる場合には、早めに、職員から優しく声掛けします。 ○ 初めての場所や初対面の人に話をすることに慣れていないことから、緊張し自分から声かけすることが苦手な人も少なくありません。 * プライバシー情報の管理に注意する ○ ご自身のプライバシー情報の管理に敏感な方が多いです。 ○ 精神疾患は、それだけで差別的な対応を引き起こしてしまう情報であることは否定できません。対応する際に嫌な顔をしたり、拒否的な態度にならないよう注意しましょう。 ○ 支援のために他課、他機関と情報共有する必要がある場合は、個人情報を「どのような目的で」「誰に対して(どこまでの範囲で)」共有するか、事前によくご本人に説明、確認してください。  難治性疾患 (難治性疾患「難病」とは) 医療の進歩により、病気によって命を落とす危険が年を追うごとに減っています。しかし、必ずしも病気が「完治する」ということではありません。長く続く後遺症を抱えることになったり、進行性の病気のときは、病気で進行を抑えながら生活することが必要になったりします。筋ジストロフィーやパーキンソン病などの他にも多くの難治性疾患があり、条例が対象とする「障害者」の中にも、こうした人が含まれています。 また、身体障害者手帳の種類の中に、「内部障害」と分類される障害があります。これは、身体内部の機能が恒常的に働かなくなっている部位があるため、通常の生活を送る上で困難があり、何らかの支援が必要な状態をいいます。具体的には、心臓、腎臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、肝臓などの機能障害およびヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能障害があります。こうした内部障害も、難治性疾患の中に当たるものが多くあります。 難治性疾患の人の多くは、外見から障害があることがわかりづらいため、周囲の理解を得られにくいという面があります。 (難治性疾患のある人への配慮) * 外見からはわかりにくいものが多い ○ 多くの難治性疾患は、一見してすぐにわかるものではありません。このために、「元気である」と誤解され、元気な人と同じ行動をとることを求められてしんどくなりがちです。 ○ 励ましの意味で、「健康そうに見えるから大丈夫」という言葉をかけてしまいがちです。しかし、上記の通り健康そうに見えることがご本人を苦しめていることもあります。ご本人の苦しみによりそう言葉を考えるようにしましょう。 * 外見で明らかにわかる病気もある ○ 皮膚に症状が出る疾患や、筋、骨格などの異常を伴う疾患の場合は、外見上明らかに「何らかの異常がある」とわかります。 ○ 外見のために差別(サービスの提供拒否)を受けることも多いです。こうしたサービス提供拒否は、医学的根拠に基づかないものであることが多いです。 ≪例≫スーパー銭湯、宿泊施設、プールなどの利用を拒否される、 * プライバシーへの配慮に留意する ○ 病気を抱えていることを知られることによって受ける偏見が強いため、病気(障害)の内容をどこまでなら伝えてもよいか、必ず確認してください。家族にも秘匿している場合は、病気に関する連絡方法に工夫が必要となる場合もあります。 ○ 窓口応対の中で、周囲に聞こえる可能性がある状態で病名を口にしないように留意してください。 * 配慮のために、病気について尋ねることをためらわない ○ 「難治性疾患」と一口に言っても、病気によって症状や配慮すべきことはさまざまです。また、同じ病気でも人によってどのような配慮が必要になるかも異なります。自分から進んで病気の説明をする方も少ないため、どのような配慮が必要なのかが分かりづらいです。 ○ 配慮する必要があるときは、興味本位ではないということ、「配慮をしたいので教えてほしい」ということを伝えた上で、必要な配慮の内容をたずねましょう。