資料6−1 障害理解の啓発と条例の普及に関する市の取組方針(案) 1 趣旨  障害者配慮条例(以下、「条例」)は、障害のある人への差別をなくしていくことで、誰もが安心して暮らせる共生社会を実現することを目的としている。差別と思われる出来事が起こってしまった場合に、相談や助言をしていく手段についても条例に規定しているが、差別をなくしていくためには、一人ひとりが障害への理解を深め、差別を未然に防止していくことが重要である。  これらを踏まえ、条例第9条に規定された「障害理解に関する研修の実施」や「障害のある人とない人が互いに交流することができる機会の提供」といった障害理解に関する施策を市が実施していくために、具体的な取組方針を作成するものである。 2 方針の概要  市職員、市民、事業者、そして障害当事者や関係者が、それぞれの立場において障害者差別解消法や条例の趣旨を十分に理解し、ともに意見を出し合いながら、誰もが安心して暮らせる共生のまちづくりを進めていくことができるよう、障害理解の普及・啓発の取組を進めていく。  まず市職員については、障害のある人に必要な合理的配慮を提供することは特別なことではなく、あくまで市民対応の一環であることを理解した上で、さらに適切な対応に努めるよう意識の向上を図る。  市民や事業者については、障害や障害のある人について知らなかったり、よくわからないために、気付かないうちに差別をしてしまったり、必要な配慮を提供できなかったりすることがないよう、障害への理解を深めるための取組を実施する。  また、障害当事者や関係者については、条例の趣旨や差別を解消するための取組について十分に理解してもらえるよう、丁寧な周知活動を推進する。 3 今後の取組 (1)市職員の研修・啓発   市職員一人ひとりが条例の趣旨を十分に理解し、障害のある人に適切な対応を行っていくことができるよう、「明石市障害者差別解消の推進に関する職員対応要領」を作成し、趣旨や内容について周知するための研修を実施する。  また、新人職員研修に障害理解についてのカリキュラムを取り入れるほか、障害のある人への応対方法を学ぶ「ユニバーサルマナー研修」を実施するなど、障害理解に関する職員研修を継続的に実施していく。 (2)市民への啓発  「明石市障害者差別解消に関するガイドライン」を作成し、どういったことが障害を理由とした差別にあたるのか、合理的配慮にはどのようなことがあるのかなど、具体的な情報発信を行うほか、障害理解や障害のある人への応対方法などをテーマにした啓発用パンフレットを作成し、出前講座や高齢者大学等、障害理解のための啓発のあらゆる機会で活用する。  また、7月下旬には市内4か所(明石駅近辺、大久保、魚住、二見を予定)でタウンミーティングを開催し、障害のある人とない人との交流の機会をつくるほか、自治会など各地域においても活用できる啓発用DVDを作成するなど、様々な立場の方が障害について関心を持ってもらえるよう工夫を凝らした啓発を展開していく。 (3)民間事業者への啓発   上記のガイドラインや啓発用パンフレットを事業者にも配布するほか、明石商工会議所と連携し、障害や合理的配慮について理解を深められる研修等の取組を実施する(市職員研修でも導入済の「ユニバーサルマナー検定」を商業者を対象に年2回程度実施予定)。  また、明石商工会議所や明石市商店街連合会などの協力を得て、合理的配慮の提供支援に関する助成制度の案内チラシを配布して周知を図るほか、すでに制度を利用して合理的配慮を提供している具体的な取組事例を紹介する。制度利用を通じて、民間事業者が障害のある人と主体的に関わっていくきっかけをつかんでいけるよう、積極的かつ継続的な周知活動を行う。 (4)当事者・関係者への支援・啓発   市内の障害者通所・入所施設などの協力を得て、障害者差別解消法及び条例に規定された障害を理由とする差別を解消するための取組や相談体制等について当事者に十分理解してもらえるよう丁寧な周知を図る。そして、当事者や関係者が相談や助言等の支援を必要とする場面において、施行された障害者差別解消法や条例を活用できるよう、わかりやすい広報活動を積極的かつ継続的に行う。  また、障害者団体や民生児童委員協議会等とも連携し、地域に根付く障害理解の普及を目指し、作業所等の支援事業所と地域の方々との交流の機会を設けていくことができるよう、継続的な啓発の取組を行う。