第9回地域づくり協議会議事録 場所 明石市役所議会棟大会議室 日時 平成30年5月22日 事務局/ 司会(以下敬称略) 局長/ 開会挨拶 事務局/ 資料説明 会長/ 進行 課長/ 年次報告について 説明 係長/ 意見交換 説明 テーマ:明石のまちの合理的配慮〜まちから広がるユニバーサルツーリズム〜 【障害当事者、家族から体験談の発表】 委員/ 自分は聴覚障害で、手話でコミュニケーションをとる。 @ホテルでテレビをつけると字幕表示が出る。出ないところはリモコンを交換してもらうが、交換してくれないホテルもある。交換さえしてくれれば字幕表示が見られるのに…と困る事がある。ホテルにチェックインの時も筆談ボードをお願いするが置いていないホテルが多い。 みなさんはホテルの部屋に入ると鍵を閉めると思うが、私は火災時にホテルの人が呼びに来てくれることを考えて鍵は閉めない。 A小笠原諸島に旅行した時、ホテルの人からナイトツアーがあるので参加しないかと言われた。参加したかったが、夜は暗くて話し手の口を見て内容を理解するのは難しい。説明が分からなければ参加しても楽しくないので、一緒に旅行していた友達に手話通訳を頼むと了解してくれた。ホテルに、同行者が手話通訳をしてくれるので、同行者のナイトツアー参加費を無料にしてほしいと伝えると了解してくれた。 B明石市内の小学校で手話教室をしているのでその子達が大人になるのが楽しみ。 会長/ 部屋に鍵を閉めないとの事だったが、障害のある人達は、社会参加をする際にリスクを伴うのが現状だ。自分では起き上がることができない重度障害の人の家に泥棒が入り、本人の目の前で金品をとっていったこともあると聞いた。 委員/ 身体障害者福祉協会に所属している。 @障害者団体で徳島の美術館へ旅行に行った時、エスカレーターしかなく足の悪い者はバスガイドからエレベーターを案内されたが、荷物用エレベーターであった。そのエレベーターの中で一人が転倒し少し怪我をした。その後の対応が大きな美術館なのにケアが無かったのが残念だった。 A京都に行った時、妻を中国系の人が女子トイレに連れて行ってくれたのが嬉しかった。 B電車の中でヘルプマークを付けていると若い人達が座席を譲ってくれたという嬉しい声を聞いた。 会長/ 旅行に行った時一番困るのがトイレの問題だ。異性のトイレになかなか入って行く事が出来ない。そういった時のサポートもツーリズムで考えてもらえればと思う。 委員/ 視覚障害者福祉協会に所属している。 兵庫県視覚障害者福祉協会女性部で福岡駅に行った時ボランティアが角に立って誘導したり「階段があるので気を付けて下さいね」と細やかなサポートがあった。ホテルニューオータニにチェックインしてからも部屋の中まで同行し配置等を説明してくれた。 お風呂ではシャンプーの頭にギザギザの印し、リンスはツルツル、ボディソープは輪ゴムを巻いていたりといった配慮がされていた。 食事もテーブルの上に何の料理がどこにあるかを「○時の方向に△△があります」と一つずつ丁寧に説明してくれたのでよくわかった。 今までホテルやレストランでは、どう対応したらいいかわからないので無視されるのかなと思っていたが、最近は「どうされますか」等聞いてくれるようになったのが嬉しい。 明石市内のお店でも、ハンバーグを食べやすく切り分けてくれたりするお店もある。 会長/ ユニバーサルデザインが進むと視覚障害の人や身体障害の人等みんなが使いやすくなっていくのでそういった面でもツーリズムとして旅行を楽しめるようになると感じた。食事も、情報提供や介助がなくて一人で何もかも一つに混ぜて食べていた視覚障害者の友人がいた。一つずつ説明を受けて一品ずつ食べるようになると、料理の味が分かっておいしいと感じるようになったと話していた。 委員/ 精神障害の娘がいる。 精神障害というのは外からは分からない障害。旅行については私の娘は症状が悪くここ10年は旅行に行っていない。外に出ると人の目が気になり悪口を言われているのではと不安になる。 病院や作業所に行く時に移動支援サービスを使うと安心して行ける。旅行とかは移動支援の対象ではないが、そういったものも対象にしてもらえれば出て行く枠が広がる。娘のことではないが、精神障害のある人が林崎松江海岸でブルーシートを敷いてたくさんの本を読んでいると、不審者だと思われて警察に通報されたという話も聞いた。 会長/ 障害を持っている当事者以外の家族も旅行に行けないという認識を持って欲しい。 副会長/ 知的障害の息子がいる。 @先ほども出たがトイレ問題で知的障害の子が急いで公衆トイレに行きズボンのファスナーをなかなか下ろせない時がある。そういった時に助けてくれる人がいる。 あとファミリートイレも知的障害がある小さな子供ならいいが、体が大人になってくると男女で入って行くのも気を使う。 A今度USJに行くが制限がたくさんある。親も一緒に行くのがしんどくなってきているのだが補助金が出ているバス旅行にさらに親の代わりにガイドヘルプを付ける事が出来ないのでどうしたものかと思っている。そういう事を考えると旅行自体が難しいなと思う。その子によって能力の差がかなりある。全く喋らない子もいれば喋りまくる子もいる。いろんな事を考えると億劫になっているのが現状だ。ディズニーランドは、スタッフが障害のある人が来園するとすぐに情報を共有し、行列に並ばずに入れたり、キャラクターが近くまで来てくれたりする。 会長/ 私も大阪市と交渉してきている。かなり解消してきたがやはりディズニーよりUSJの方が危険度が高いので色んな制約があるのが仕方ないところもある。 【体験談についての意見交換】 委員/ 視覚支援の同行サポートはあるが障害者を同行サポートする団体とかはないか。 委員/ ボランティアの団体としては把握していない。多くは移動支援の制度を使って外出しているのが明石市の実態だと思う。月50時間までは同行で外出できると思う。 委員/ @ユニバーサルツーリズムという事で、旅行に出かける人と旅行者を受け入れる側の立場がある。受け入れ側の対応が必要ではと思う。文化スポーツ室にも協力してもらうことが必要ではないかと思う。 ユニバーサルという名前がつく以上、いろんな関係者が関わらないと実現しないと思う。 A4月から兵庫県でユニバーサル社会づくりの推進に関する条例が出来ている。そういう中でユニバーサルツーリズムを考えていくべきではないかと感じている。 室長/ 受け入れという形で観光協会が中枢となっている。観光の中心となると商店で美味しい物を食べたり買い物をしたりするのが醍醐味になってくる。そこは産業振興室が商店に車いすでも入りやすくするとか筆談ボードを置いてもらう等協力してもらえるように相談していく。このような会にも出席して勉強していきたいと考えている。 委員/ 何年か前に観光協会から声掛けして市内の旅館、交通事業者に集まってもらって神戸のユニバーサルツーリズムセンターから話を伺った。     今までは旅行の行程全てに同行しないといけないのが、要所要所に必要な手助けを準備する事で費用も抑えられる。いい内容だったがなかなか前に進まなかった。今回観光協会が担ってくれるという事で明石も進んでくれると期待している。 委員/ @友達を西明石駅の在来線側に送って行った時、エレベーターがあって安心したがそのエレベーターはホームに繋がっていなかったので友達がホームに降りられなかった事があった。 新幹線側のエレベーターから在来線ホームに行けるのだが、それだと電車の前後でかなり距離がある。行き届いた配慮というのでは少し欠けていると感じた。 障害者の移動の部分は切実な問題。移動支援の制度については国や県に準じて明石もつくられると思うので至れり尽くせりの制度は出来ないと思うが、障害者の移動支援制度を考えた時に、より障害者の生活が豊かになるような仕組みが出来たら理想。 A山口委員からのホテルニューオータニの話はすごく配慮が行き届いていると感じた。同じ事業者として参考にしたい。私も上司に「ホテルマンの研修に行くのはどうか」と言われた事がある。気持ちよく配慮が出来る事業が出来たらと思う。 オブザーバー/ 今日の話を伺ってなるほどと思うところがたくさんあった。これから明石の町が行きたいところに行けるような素晴らしい町になるように取り組んでいきたい。 【意見交換終了】 事務局/ ヘルプマークについて ヘルプマークの使用方法と、これまで受付窓口は福祉総務課障害者施策担当だけだったが、6月1日から社協も窓口となる予定であることを説明。 オブザーバー/ 大阪では地下鉄等で優先座席の背面にヘルプマークの広告が貼られている。そのような場所ではヘルプマークを出して優先座席に安心して座れる。まずはバス等交通業者の優先座席に広告が貼ってもらえたらと安心して座れる。 会長/ 啓発するポスター等をどう展開するかが大事。 委員/ このポスターは小中学校でも貼られているか。 課長/ 県に問い合せたが今のところは未定。今後啓発にも取り組んでいく。 課長/ その他報告事項 7月7日の明石更生支援フェアの説明 地域づくり協議会が今年度より2回になる。 以上