第5回(仮称)あかしインクルーシブ条例検討会 ユニバーサルデザインの街づくり部会議事概要 場所 明石市役所806AB会議室 日時 2019年8月8日(木)14:35〜16:05 1 グループディスカッションの報告 Aグループ 情報が必要な方に必要な情報が届いていないのではといったところが大きな議論になった。自分が視覚障害者ということもあり、助成金によって点字メニューやスロープが付いたといった紹介はしてもらっているが、その情報が当事者にきちんと届いていないのではないかといったことや、当事者達やお客様の声など実際に行ってこんなに良かったといった行政側へのフィードバックなどの情報提供がされていないのかなと思う。その部分を広げることによってそれだったら行ってみようかとここのお店ではこういうことができるといった発展があるのではないかと意見が出た。 (事務局) 具体的にどのようにしたら情報が当事者に届くのかといった話はあったか。 (委員) 当事者が必ず当事者団体に所属しているとは限らない。団体に所属していない方に対してどのように情報を提供するかといった課題があると意見が出た。 (オブザーバー) その他当事者以外では、店側についても店単体ではなかなか情報の取得や、内容の理解が難しかったりするので、商店街を巻き込んで情報発信していくことも重要だといった議論があった。 Bグループ 施設整備と移動手段の確保について話し合った。 入口にスロープがあれば、車いすなどの入店について対応してくれる気持ちがあるお店だということがわかる。お客の側からもお願いしやすくなるので、一目でわかるステッカーを店の入口に貼る方法もある。ソフト面で店員の理解という話が出た。サポートに個人差があってもいい。 移動手段の部分では山陽電鉄では無人駅があり、車いすや視覚障害者などの乗り降りのサポートのために、駅員が駆けつけてくるまで時間がかかるが、たこバスなら乗り降りのケアもきちんとしてくれるので良い。 ハードが整備されたとしても、無人駅では障害者・高齢者のサポートが難しい。このことも含めて、移動手段の課題であると考える。 Cグループ 災害時要支援者の支援で、家具転倒防止器具の助成については最低限行ってほしい。後は住宅改修等の補助や、障害当事者の方が避難所までの道を歩いて地域の人と一緒に安全点検を行うなど、幅広い安全対策を進めていければ良い。防災訓練になかなか当事者の参加が少ない問題もある。どのような啓発をすればいいのか難しい課題だが、できるだけ積極的に参加して顔が見える関係性が築ければ、要支援者の名簿を使わなくても助け合えるようになる。共生社会ということを知ってもらうことが一番大事だが、その方法などが難しいという意見が出た。 Dグループ 市長のビジョンは明確で「やさしいまちづくり」を具体化できるのかということ。ユニバーサルツーリズムについては、車いすユーザーの高速バスの乗降問題、ホテルの部屋や飲食店のバリアフリー問題など前々から議論している。その中でユニバーサルツーリズムセンターが明石駅前にできる予定で、誰でも使えるトイレがあったり、子育てサポートの拠点があったり、神姫バスや観光案内所の窓口がある。それはすごく良い。ユニバーサルツーリズムをそこでやっていくシンボリック的な拠点にできたら良い。そのためにはユニバーサルツーリズムセンターのデザイン戦略が重要ではないかと意見が出た。インクルーシブの概念を象徴するようなデザインマーク、ロゴやピクトなど良いデザインによる見せ方をプロに任せて、ユニバーサルツーリズムの顔になるセンターになっていけば良い。 他には案内するのに少ない人数でできることをできる範囲でやっていかないといけない中で、本当に役に立つバリアフリーマップを作ることも必要。万能なバリアフリーマップは存在しないので、視覚障害者用や車いすユーザー用などそれぞれのニーズに合わせたマップが必要。その中でも鉄板ルートのバリアフリーマップだけはしっかり準備して始めていく。そこが拠点となって様々な技術を収集して、ホテル業界や交通業者、飲食店組合などと調整しながら伝える範囲を広げていければ良いといった議論があった。インクルーシブ条例の中で障害者等と書いているが、要配慮者として圧倒的に高齢者の人数が増えている。そういった人達にも配慮していく仕掛けが必要ではないかと意見が出た。 (副部会長) 今報告いただいた話のほとんどが市長から出た話だ。そういう意味では市長の発言を受けて議論していただいた結果だと思う。一つ目は情報の問題で、的確な情報を出すことの重要性。ただ障害自体が多様であるため、簡単ではない。足が不自由な方でも右足と左足のどちらが不自由なのかによって動作が全然違う。視覚障害者も全盲か弱視かによって違う。多様性があることを理解し、様々な人に参加していただいて良いものを作ることが大事。もう一つは健常者が作ると「ここは安全」「ここはお手洗い対応している」「ここにエレベーターがある」といった話が多くなるが、ここは行けないといった障害を知らせる情報がなかなかない。健常者は3段上がればすむが車いすユーザーは上がれないといった本当に障害当事者が使える情報は、自分の経験上行政が作るには無理がある。当事者と市民が参加して時間をかけてできることから始めていくことが大事。もう一つはお店のバリアフリー、こちらは同時進行している「ユニバーサルデザインのまちづくり協議会」マスタープラン作りに取り組んでいる。この中で先程の情報提供については非常に重要な課題として認識しているので皆さんのアドバイスをお願いしたい。お店に関しても同じ認識をしている。ただお店に対して強制力を持たせることについては、現在、規模の大きい公共性の強い建築物のみが国の法律や県の条例で規制されているが、それ以外の街中のお店に関しては費用が伴う関係もあって、我々から見ると不十分なレベルなので、ここのところをどうしていくか。市民と商店街の方達と一緒に考えて自発的にやっていくということが重要。後、促進するために呼び水となる民間に関してはずっとではないが一定の助成が必要ということも言える。 最後に防災訓練の話でこれも非常に重要な課題だが、避難訓練は市がやるのではなく町内会がやるもの。市は「おたくの町内会今年もやりますね」くらいは言うがそこに障害者を入れてくれということは通常は言わない。その辺を打破していかないと。防災部門だけではなかなか解決できない。 ユニバーサルツーリズムセンターの話は皆さんすごく良いと賛同があった。これもまちづくり協議会のマスタープランでは非常に重要な課題として重視している。神戸には重度障害者を中心としたツーリズムセンターがあるが、ほとんど知られていないと思う。駅から離れたところにあるが、本来三宮駅前か空港に置かないといけない。参考までに沖縄のツーリズムセンターは空港の目の前にある。そこに「この運営はNPOがしている。県と市が全面的に支援している。ただし県と市の直営ではない。」と記載がある。