第3回(仮称)あかしインクルーシブ条例検討会 ユニバーサルデザインの街づくり部会 議事概要 場所:明石市役所南会議室棟103会議室 日時:平成31年1月30日(水)13:30-15:10 1 開会 2 部会長挨拶 3 中間とりまとめ案及びグループディスカッションの説明(資料1、資料2 事務局より説明) 4 グループディスカッション 5 各グループから意見の報告 民間・公共施設 店舗前の段差はスロープなどで解消できても、店舗内でも、レイアウトによってはイスやテーブルを動かしてもらうなど店員のフォローが必要なことがある。お店としては障害者が来ないという考えはなくしてほしい。店員が力持ちだったり若い人であったりする必要はない。例えば経験豊富な店員からの配慮の一言やさりげないサポートがあれば、障害があっても訪れやすい店になる。それぞれの方がそれぞれなりにサポートできるよう意識を改めてほしい。 交通・観光A 明石において、バスは大きな交通手段だと思う。わかりやすく安心して乗れるかどうかが大事である。そのためには、コンシェルジュのように人が教えてくれるのが1番よい。あと交通を考えるときに、JR明石駅のホームからはまず明石城や明石公園が見えるが、明石を知らない人が改札を出たときに、明石駅周辺の観光地等を知らせるわかりやすい表示があるとよい。例えば、明石城のお堀の上へ車いすで行く方法の表示や魚の棚市場の場所や内容の表示。これらがとても大切なことである。 あと素朴な疑問だが明石駅にはなぜ北側と南側にバス停が2か所あるのかと思う。その時点で混乱してしまう。駅を降りた瞬間にバスの行先や時間などがわかるような表示があるとよい。 視覚障害に関しては、点字ブロックは設置する前に当事者に確認してもらうのがよいが、設置前だと図面での確認になるので視覚障害者に伝わりにくい。設置した後もしっかり意見を聞き、必要な場合は修正することが必要である。また同じ視覚障害者でも必要な点字ブロックの設置の仕方は複数ある。例えば初めて明石に来た視覚障害者であれば券売機まで案内してくれる点字ブロックが必要だが、普段から利用しており慣れている視覚障害者であればホームまで最短距離で行きたいところ。このように1つだけの正解はないが、まずは当事者に聞くことが必要である。さらに作った後も定期的に当事者の声を聞いて見直す仕組みをつくってほしい。 明石市はそれほど大きな市ではなく、当事者と事業者と行政が話し合う場が持ちやすいと思うので、こういった場を是非継続して持ってほしい。 交通・観光B 移動手段の確保については、駅のバリアフリー化やホームドアの設置が進んでいる。ノンステップバスの配置も進んでいる。このように一定程度整備が進んでいる中ではあるが、介助者がいなければ外出が困難という人は多くいる。その中でユニバーサルツーリズムには、旅行を人に合わせて作ってくれるコーディネーター機能が必要ではないか。また観光と商業と福祉と交通の人が集まって情報交換し、センター機能を持ったところに情報を集約して各事業所が連携することで、ユニバーサルツーリズムを使って明石市を盛り上げていけないか。 情報発信の方法についてはバリアフリーマップをどうやって作るのかという話になったが、スマホアプリのプラットフォームに参加していくべきとの提案があった。明石市のバリア情報をアプリにどのように落とし込んでいくのかという話については、例えば教育委員会と連携して小学校区で街歩きイベントを実施するなどフィールドを教育の中に落とし込むやり方がある。車いす体験の実施場所などを情報提供し、また教室での振り返りなどを通してプラットフォームをみんなで作っていければよい。条例に書く内容案としては「教育の中に落とし込む」ということが考えられる。 スマホアプリの利点として、多言語対応が容易であり、様々な変換も可能で障害特性に応じた情報発信ができるので、障害者であっても健常者と同様に扱うことができる。このような利点を活かし、プラットフォームに落とし込んでいくのがよい。 災害A 災害時要配慮者支援については、大きく分けて2つの意見が出た。 1つ目は要支援者名簿の利活用方法について。名簿を自治会長が預かっている自治会もあれば預かっていない自治会もある。また自治会長が預かっていても十分活用できていない自治体もある。利活用するために、自治会長が集まる場で、災害時に活用された例や使い方、災害時と平常時におけるプライバシー保護の棲み分け方法などを学ぶ必要がある。 2つ目は情報の利用とも関係するが、災害時の情報について。災害時の情報というのは障害者を含む要配慮者には伝わらないことが多い。例えば災害の危機が迫ったときには、登録者に電話やショートメールで一斉に連絡するようなシステムをつくることが必要である。また災害対策本部は24時間体制なので、困ったときには連絡できるようなシステムがあればよい。実際の支援方法については、普段からコミュニケーションを取ることが大切ということを前提としたうえで、誰がどう助けるかということも含めて話し合ったが、いい意見が出なかった。今後の課題になる。 情報の利用については、今提供されている情報自体、当事者が受け取りにくいものになっている。これから作っていく情報には、視覚障害者や聴覚障害者などの当事者が集まってどういう情報がわかりやすいか話し合う必要がある。 例えば兵庫方式の点字ブロックといったようにいろいろな街で方式の違いがあり、また建造物を変更したことがなかなか当事者に伝わらない。その結果、変わったことを知らず、街を歩いていてつまずきそうになったり、車道に出ていってしまいそうになったりする。よりよく変更するのはいいが、当事者に伝わるような連絡方法を作っていく必要がある。 また助けを求めている人かそうでない人かが分かりにくいので、例えば助けが必要な方はバンダナを装着するなど助けて欲しい人が認識してもらえるような方法を広めていければいいといった提案があった。ただ、その反面で自分が助けを求めていること(障害者であること)を知らせたくない人もいる。その中で知らせたくないと思わせないような街づくりが重要である。 もうひとつは、体験の機会を作ることの必要性についてである。当事者のことが分からなければいろいろな障害体験をする機会をつくったり、支援方法が分からなければ支援を体験する機会をつくったりすることが大切である。 災害B 要配慮者支援について話し合った。一般的に自助・共助・公助と言われているが、まずは自分の命を守る行動が大事。ただ自分一人で避難所に行くことができない人がいる。そういう人を支援することが必要である。重度の障害で寝たきりの方、発達障害があって集団の中に入れない方、聴覚障害で情報を得られなくて避難できない方など様々な障害を持っている方がいる。災害発生時には避難が必要な人への避難計画をつくり、移動手段の確保が必要だということである。避難計画をつくるにあたっては、災害がどんな状況で起きるかわからないことから近所にどんな人が住んでいるかを知り、一緒に避難できるという意思表示を確認するなどお互いの助け合いが必要である。 地域の中で防災訓練をする際にも障害者が参加しにくい状況である。それを改善し、障害者が積極的に参加することで様々な障害者もいることを健常者にも知ってもらい、支援方法について考えてもらう機会を増やしていく必要がある。 また、避難所で聞こえない人がいればアナウンスや放送をしても情報が入らない。例えば「食料を配っている」とアナウンスしても気付かない。音声の内容を大きく文書にする、ボードに書く、手話で伝える、コミュニケーション支援ボードを活用するなどいろいろな方法で配慮して欲しいと意見が出た。できれば地域の中で事前に解決策を話し合っておく、さらに普段から声をかけあうといったことから始めなければいけない。 福祉避難所を運営する者に対しては、障害者にしっかりと理解を持っていただくためにいろいろな研修を実施することが大事。障害者が集団生活に馴染めないとき福祉避難所に行くという方法があるが、一時避難所の中に避難室という配慮ができるスペースがあるので、まずはそこで地域の人達と同じ場所にいて一定の配慮が受けられる仕組みが大切である。 安心して避難ができ、安心して避難所で生活できる環境づくりが必要であり、行政と一緒に計画を作ることも大切である。それだけでなく地域の人々と助け合える環境、例えば普段からの交流などが災害発生時にも有効になるのではないか。   6 副部会長によるまとめ (副部会長) バリアフリー化は明石市を含め全国で進めている。その中でバリアフリーの基本になっている移動等円滑化基本構想がみんなに行き渡っていないと感じる。 そのこと自体は事務局への苦言でもあるが、継続改善については全国で始めている。継続改善とはバリアフリーの基本構想を毎年チェックして、進まなければその理由について説明責任が発生するものである。当事者参加をして進捗管理し、修正できるところは修正する。これがベースとなって、その上で今のやり方以上のものについて議論をしたい。基本構想づくりについて、明石市はマスタープランをつくる方向だが、この話は専門的なので5〜10分で議論しにくい。当事者参加も結構やっているが明石市ほど福祉に力を入れている自治体でもシステム化されていない。それがひとつの結論。 まず基準。基準については、まずバリアフリー法による基本構想及び兵庫県の福祉のまちづくり条例のレベルがある。2000年に自分も参加して基本構想をつくったが、今はそれよりも高いレベルが求められている。技術的な水準の問題もあれば、当事者参加により使いにくさに気づくといった問題もある。2020年型のステップアップしたバリアフリー基準というのは条例や要綱で市が定めないといけない。簡単に言えば県の条例のレベルを超えたレベルの基準を定めるといった話である。 二つ目は当事者参画。熱心な職員等の有無で当事者参画の度合が変わるべきものではない。ただ、当事者参画をシステム化するためには、障害当事者も要望を言うだけでなく一定程度のレベル、知識を持つ必要がある。そのうえで当事者参画の仕組みづくりは条例。規則、要綱等でシステム化しないと、やったりやらなかったりになる。 三つ目は教育。2020年型としては超重要課題である。今日は時間がないので省略する。 四つ目は公共と民間とNPO等の関係。この3者をどう連携するかという問題。特に災害問題においては問題の本質の大半を占める。災害時における要支援者の名簿や障害者手帳の情報をどこまで使うか。熊本の例では名簿があっても災害等万が一のときでも名簿は出せないケースがあり、市が逡巡して長い間、今でも役に立っていない。国を待っているようではダメで市独自で規則をつくる必要がある。国はプライベート問題でとしてなかなか突っ込めない。これは大事な基準づくりになる。消防部局、防災部局に任せるのも気の毒。まさに福祉との共同作業になってくる。毎回の災害ごとにNPOへの名簿の公開度合が少しずつ広がっているところではあるが、災害が今起こった場合せっかく作った名簿がほとんど活かされない。基準を決めていないため、市からすれば誰に出していいかわからない。熊本の場合は障害者支援員にはある程度配っている。それも市によってルールが異なる。 あと視覚障害者、聴覚障害者といった情報障害の方。情報障害への対応については、ルールをつくって具体化する仕組みをつくろう。そうでないと先に進まない。 東北や熊本での安否確認での情報を出せない原因の一つが知的障害、精神障害、発達障害を持っている方々がボランティア等の人達に自分の情報を公開するのを嫌がるということ。そこをひと頑張りしないと乗り越えられない。一方で聴覚障害、視覚障害、車いすの方々はその辺の条件は整ってきているように感じる。 (オブザーバー) 「明石市ユニバーサルデザインのまちづくり協議会」を立ち上げるが、こちらはバリアフリー法上の協議会として位置付けし、継続的にバリアフリーやユニバーサルデザインのまちづくりを見直して改善していくための意見をもらって検討する場として開催していく。2月1日の初回の協議会ではこれまでやってきたことの報告をする。検討会委員の皆さまにも資料を提供する。議論の参考になればと思う。この条例検討会は共生社会の指針を検討する場だが、協議会では行動計画を考えていく。この条例検討会と協議会で議論する方向性が重なり合うように努力していく。 (副部会長) 今日はこれだけの方々が話し合い、わずか1時間で多くの意見が出た。こういった意見交換の場が今回だけで終わるのか。 (事務局) これから、収束に入っていく時期ではある。テーマを考え、各委員の意見も聞きながら今回のような場が持てるかどうか検討していきたい。 7 閉会