第3回(仮称)あかしインクルーシブ条例検討会 心のバリアフリー部会議事概要 場所 明石市役所議会棟2階大会議室 日時 平成31年1月30日(水)13:30-15:10 1 開会 2 部会長挨拶 3 中間とりまとめ案及びグループディスカッションの説明(資料1、資料2 事務局より説明) 4 グループディスカッション 5 各グループから意見報告 相談連携・支援(庁内連携・関係機関連携、総合相談体制の整備) (委員) 当事者は相談窓口がどこにあるか知っているが、当事者だからといって、自分自身の困りごとや課題が何かということを明確に把握しているわけではない。これが現状の相談窓口の課題である。自分が何を困っているか表現する言葉を持っていないということで混乱されている部分もある。相談を受ける側もそういうイメージを持ってほしい。相談窓口に行って、困りごとが1回で解決するとは思っていない。第1次相談としては、現状の整理を相談者と当事者でしっかりできることが大切。関心を持って、しっかりと受け止めていただきたい。相談をする側としては、解決を求めているわけではないので、自分の課題を整理して、それを通して2、3歩先の何か兆しが見える状態で帰れればいい。その先を相談化させることで期待を持ち続けられればいい。1回でエンパワメントが終わるのではなく、持続的にその人の持っている力を引き出せるようなイメージの相談ができればいい。短期的、中長期的、ちょっと先の目標が持てればいい。それが安心して相談できるために必要なことである。 もう1つ大きなテーマがある。病気や障害が身近な家庭で起こると、場合によっては家庭が崩壊することもある。価値観が衝突したり、病気や障害によって引き起こされる2次的な見過ごせない課題が出てきたりする。解消していかなければ、それが社会的障壁になる。また、本人が引きこもりたいわけでなくても、周りがガードしてしまうパターンもある。行政や地域、民生委員や保健師などに協力してもらい、それをどう掘り起こして、外に出てきてもらうためにどういったアクションを起こせるか、囲い込まれたニーズをいかに引っ張り出すかが重要。 表に出てこない課題をどのように連携し、解決していくかが課題である。 (副部会長) 大きく分けて課題は2点ある。1つ目は、現状整理を相談する人と支援者が一緒に受け止める。持続的なエンパワメントにつながるように、つまり自分の困りごとが明確でなく、どう表現してよいかわからない人に寄り添いながら、2、3歩先が見えるような形にまで一緒に整理していくプロセスが大事だということ。2つ目は、家族内で囲い込まれていて、潜在化されたニーズを掘り起こし、外に出るきっかけをつくる。つまり、それを顕在化することが大事で、それをするためには、2つ目の課題である庁内連携や関係機関連携の中で支援者が、このような潜在的なニーズを掘り起こすために連携する必要があるということである。 教育(インクルーシブ教育の推進) (委員) カテゴリとしては、1つ目「環境と人的整備」、2つ目「切れ目のない支援」、3つ目「連携や相談体制」、4つ目「研修体制」としたうえで、フリートークとした。 インクルーシブ教育というとどうしても子どもに視点がいくが、子どもが差別的な気持ちなく発言をしたとしても、ある程度大人がしっかりとした意識を持っていないといけない。意識については、大人への啓発が大事である。社会の中でインクルーシブ、インクルージョンを目指すのは低年齢に対してであり、どうしても小学校高学年になると意識がはっきりしてくるので、低年齢のときから障害のある子もない子も一緒に過ごすという場づくりが必要ではないか。学校や当事者同士それぞれがお互いを知り、SOSを出したり、協力し合ったりする雰囲気や機会があればいい。そういう場をどう作ったらいいのかということが課題。学校、福祉、地域などそれぞれの組織がまだまだ連携する体制になっていないので、お互いが協力するとなるとどういう組織があるのかという話になった。地域だとまちづくり協議会、あるいは社協のボランティア団体に対して、学校が障害のある子どもたちの送迎について気軽に自然にヘルプを出せるような環境が明石市にできていったらいい。究極はそういう状態である。 計画については、福祉では個別支援計画だが、学校では個別の教育支援計画である。それぞれの計画と連携していくこと自体は国の方向性として出ているが、その部分に親の考えを反映していくということも必要である。しかし、計画を立てる際に、障害に対する専門的な聞き取り、アセスメント、科学的な分析ができる人が少ない。こういった人が少ない中で、親の要望を聞いたときに学校と一緒にやっていく大変さがある。明石市には発達障害を診察できる医者が少ないため、診察の必要がある方は神戸などに行ってしまう。システムとして、しっかりと障害専門で診察でき、それが先生方の安心につながり、しっかり教えてもらえるといったことも必要ではないか。 市内に学校がないので仕方ないが、視覚障害、聴覚障害の子どもたちは明石市以外の地域に通っていくので、なかなか地域の子どもたちとの交流の場が少ないことも気になるところである。どんな障害でも明石の子どもたちは明石の地域で一緒に過ごせる場づくりを考えていかないといけない。学校の配慮により、そんな子どもたちが学校に来るような場もあったり、教育の場で特別支援学級との交流の場もあったりするが、まだまだ数や量が少ない。教員もそれぞれ勉強はされているが、経験から学ぶというのも必要。すごく苦労されている現状もあり、実践にもつながる研修体制があればよい。 (副部会長) 「環境と人的整備」、「切れ目のない支援」、「連携相談」、「研修」の4点話があった。 まず、「環境と人的整備」に関しては、低年齢から一緒に過ごす。それは、例えば視覚障害、聴覚障害の子も含めて一緒に過ごせるものであり、お互いを知ったり、助け合ったりできるようなものを学校の中で作っていくこともできるのかという話。 2つ目の「切れ目のない支援」に関しては、いろいろな団体が協力し合うことの中に、従来あまり声がかけられていなかったまちづくり協議会や社協のボランティア団体に、学校と協力してもらって、切れ目のない支援をするために協力してもらえないかという話。 3つ目の「連携相談」に関しては、教育や福祉の計画の中に親や子どもの意見がしっかりと反映され、質的にも向上していけるように、発達障害を診察できる医者など支援体制を構築していく必要があるという話。 4つ目の「研修」に関しては、当然、大人の意識啓発であり、学校の先生のスキルアップも含めたものが必要とされているという話だった。 相談連携・支援(福祉人材の確保、障害者に対する就労支援) (委員) 就労支援について、「誰も置き去りにしない」という大きな理念・目的に沿って、まずできそうな取組として、1つ目に「民間企業・民間事業者への支援」、2つ目に「明石市として取り組む就労支援」、この2つを大きなテーマとして、何ができるのかを少し掘り下げていくような形で進めた。 まず、「民間企業・民間事業者への支援」というテーマについてである。就労相談をしている事業所から障害者を雇いたいが身体障害者を紹介してほしいといった相談があることを踏まえると、特に外見から判断しにくい知的障害者、精神障害者、発達障害者などへの理解がまだ追いついてないように思う。雇用するかしないかに限定せず、働く体験をする機会を明石市として提供していくことが必要で、お見合いやマッチングといった機会をつくることに意味がある。働く側にとっては、週1回なら頑張れそう、1日6時間は難しいが2時間なら働けそうといった力試しになる。雇用する側にとっては、障害者への理解を深めるきっかけにもなり、また雇用するというプレッシャーもない。いずれの側にとっても、そういう機会があるのはメリットがある。その反面、明石市内にはここ10年で多くの福祉事業所ができているが、10年以上前は、明石市でも一般就労の事業所に行けない時代があった。行けなかった人たちは空いているB型作業所にまず行くことになり、働きたいけどそのチャンスがなかった。 1回やってみたいというチャレンジの機会が本人にとっての働き方とか生きがいにつながっていく。それを進めることで、明石市の就労の体系づくり、多様なB型作業所とか一般就労の多様な働き方につながっていく。 次に2つ目のテーマの「明石市が行う就労支援」についてである。この間の試験でも複数名採用が決まっていると思うが、応募前、面接の前、就労する前など段階ごとに障害者にどんな仕事をしていただくのかをしっかり確認しておくことが、明石市として対応すべきことである。明石市と民間企業の違いは利益を追求するかしないかである。この人にこれだけの仕事をしてもらってこれだけ給料を払わないといけないというプレッシャーが、明石市と民間企業では少し違う。そういう意味では明石市の中で、担当者がジョブコーチという役割を担うのかはわからないが、採用された後に働き続けられるような部署に配属させ、担当者を配置するような体制も必要。障害者からのニーズや相談に対応し、しっかり関わっていく立場の人が市の中にいるとよい。働き方についても、今回は任期付の募集であったが、正規雇用での募集があるとよかった。一方、3年、5年といった任期付で公的な職場にチャレンジした後、民間企業にもステップアップしていけるような、そういう門戸も明石市として広げていく必要がある。条文には、民間企業を巻き込んだ連携とか、市で対応する障害者の環境整備、模範となるような環境整備の文言をしっかり入れていきたい。 福祉人材の確保のテーマについて、人材というと福祉だけに限らないだろうという話も一方ではあるが、明石市内在住の重度障害者や高度障害者で、両親が病気になったりしても、緊急のときに利用できる資源が少なく、あったとしても職員が対応できず利用できない場合もある。市民が困ったら、しっかり明石市の中で解決できるよう、地域をどう整えていくかという課題意識がないと、県外など遠方にグループホームなどの施設を求めにいく実情は変わらない。それが「誰も置き去りにしない」というテーマに合っているのかどうかという問題である。 人材を確保するには、報酬単価を上げるというのが一番わかりやすいが、実現するのはおそらく難しい。その中でどう工夫していくかという話であるが、一昔前は主婦でヘルパーの資格を取る人がたくさんいて、現在潜在ヘルパーになっている人がいる。その人たちをもう一度引っ張り込んで、ヘルパーを確保するという方法が考えられる。一方でその人が定着するようにするにはどうしたらいいのかを考える必要もある。いま福祉現場で、不適切な対応で当事者の権利侵害につながるという問題も少なからずある。新人、中堅や管理者などキャリアに応じたスキルアップを実感として伴うような体系としての研修プログラムを明石市として用意をする。また、事業所側も、研修を受けさせたいが、その人を送り出すと事業所自体が回らなくなってダメという深刻な状況になっている。研修を受けることのメリットを明確にし、事業所に合わせて実施していく仕組みがあってもいい。いい研修プログラムを作ったとしてもそれを実現させるような具体的な後押しがないと難しいので、条文にはそれを後押しできるような内容を盛り込んでいきたい。 (副部会長) 就労支援に関しては2点ご提案いただいた。民間事業所支援と市として取り組む就労支援があり、民間事業所支援に関しては、知的障害や精神障害、発達障害など見えにくい障害のある人が働く体験をすることによってチャレンジする機会を創出し、それが多様な働き方を創り出す支援につながっていくということである。市として取り組む就労支援としては、市という利益追求でない現場でどのように働いてもらうかについて、ジョブコーチ的役割のような人が働き続けられる体制やニーズを作ったり、働き方支援について考えたりすることが必要。それを何らかの形で条文の中に入れ込んでほしい。 福祉人材の確保に関しては、もちろん報酬を上げてほしいけれど、それだけでなく、潜在ヘルパーの掘り起こしや定着支援、あるいは今働いている人のキャリアに応じたスキルアップなど事業所にとってもメリットがあるようなことをやってほしいということである。 啓発(意識啓発) (委員) インクルーシブを進めていくうえでは、障害者や多様性を持つ人たちが様々な社会やコミュニティに参加していこうという当事者意識と受け入れる側の社会やコミュニティの中でいかなる人も排除せず、同じ構成員として関わってもらうという意識を持ってもらうことが必要ではないか。 意識啓発については、講演会やイベント等に意識啓発の機会があるが、講演会の参加者は福祉に興味のある人や当事者が多く、一般市民に参加してもらうにはもう少し対応策が必要である。地域の中で大きなまち協や社協、小さい単位ではサロンや高年クラブなどいろいろな地域の団体があるので、これらの中で講演することも必要。また、地域のイベントも体験や交流するものなど様々であり、障害者施設としての参加はもちろんのこと当事者だけでも地域のイベントに参加してもいいのではないか。当事者が地域を知り、自ら出向き交流を深めることも大事。自分が住む地域では福祉フェスティバルを開催しているし、サロンに精神障害の人に来てもらって交流を深めている。そういう形で、少しずつ輪が広がっていると思う。条例を難しく捉えるのではなく、自然な形でつながりができるのがよい。 当事者の努力する部分として、宿泊予約の相談をしても相手が障害のことをよくわかっていなかったが、詳細を説明すると宿泊の予約ができた例があった。役所でも銀行でも大まかには障害のことをわかっているが細かいところはほとんどわかっていないので、当事者としてはその部分を説明することなどについて、努力をする必要がある。 (副部会長) 大きく分けて2つある。一番大きなところとしては、障害のある人もない人も当事者意識を持つということ、そのためには積極的に外に出ていき、排除しないコミュニティづくりが大事だという前提がある。具体的な方法論として、例えば一般住民の方に講演会などに参加してもらえるように、まずはまち協やサロンや社協などより小さな身近なところで関わる場をつくっていくことが大事ではないかということ。また、イベントに関してもなるべく当事者が参加し、交流できる機会を多くつくっていくことが大事ではないかということ。その中で、当事者側も地域側も積極的にいろいろな障壁を乗り越えていけばよい。 6 部会長によるまとめ (部会長) みなさんしっかり議論していただいた。 まず、庁内連携と総合相談のところでは、明確な困りごとがはっきりしていなくても、相談して信頼感と安心感を構築しながら問題を解決したり課題を整理したりしていき、次に展開していくというのはとても大事なこと。これができる担当者や職員をどう研修していくのかは大きなテーマである。特に高齢や障害、病気の場合は、家族の関与で家にこもってしまうことがあるので、それを超えるためには外から働きかけができるような仕組みが必要で、それをどう考えていくのか。大きな課題と捉えたい。それから、複合的なニーズの場合、一人で抱え込むのではなくて、庁内を超えた相談連携が必要であるという話が出た。これもしっかり条例に盛り込んでいきたいと思っている。 教育のテーマでも多くの大きな課題が出た。個別の指導計画があるが、本当はその前に教育支援計画がある。この教育支援計画は、文科省によると、本人や家族、その他福祉の関係者も入っていいということになっている。できるだけ学校で囲い込んでしまうのではなく、家族や福祉関係者も入って、本人や様々な人の参画のもとで発達や成長を見守っていく仕組みを展開していけたらいいと思う。これは私の大きな希望である。あと、ドクターの話もあったが、私は別に発達障害のことを診察できるドクターは要らないと考えている。専門家は他にたくさんいるので、ドクターでなくても発達障害のことがわかるプロフェッショナルが各分野で生まれてくればそれでいいと思っている。様々な組織の連携の話もあった。どこからでも誰からでもSOSが出せるような仕組みを条例の中でうまく検討していきたい。 就労と人材育成については、民間企業と市の就労の問題が出たが、まず明石市が知的障害、精神障害、発達障害の方の就労を促進することをはっきりと条例で規定して民間のモデルにならないと、民間事業者を説得するのは難しい。多様な障害者の就労を明石市がやっていくことを明確にするような条例にしたい。それを踏まえて、どの民間事業者も必ず体験プログラムをやることを義務付け、明石の事業所は本人が体験を希望したら拒否できず絶対にやるぐらいの条例に展開していけたらと思った。人材育成は大きな課題で、明石市が単価を上げるというのは非常に難しい。潜在的な看護師やヘルパーをどのように掘り起こすのか、それと国が謳っている介護補助員の制度を今後どう使っていくのか。また、現在もいろいろな事業所で研修を実施しているが、明石市がサポートして必ず人材育成のための研修ができる体制をつくるといった内容を条例に盛り込むことができれば嬉しい。 最後に啓発についてだが、私も啓発は簡単そうで一番難しいと感じている。地域でいろいろな団体が勉強会や講演会をしているが、必ず地域の障害当事者が参加していなければ条例に反するというぐらいの意識を持ってもらい、参画がないのは恥ずかしい、おかしいぐらいの意識を持ってもらえるような条例を作っていけたらと思う。 7 閉会