「障害のある人が、お店や事業者などの対応でどんなことに困ったか? どのように解決したか?」   困ったこと 解決方法 1 スマホの使い方や福祉サービス(明石市からの手紙等)について分からない。 作業所の支援員に相談して、支援員が知っている範囲で教える。必要な場合は、障害福祉課まで随行して手続きをする。 2 スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで視覚障害者が一人で行くと、店内にどんな品物がどこにあるか分からない。 最近は、以前と比べて丁寧に対応してくれる店が増えた。店の方針で「店内の介助はできない」という店もあるが、入店すると、店員が視覚障害者であることに気づいて「案内します」や「少しお待ちください」と声をかけたり、店内を案内してくれる店も複数ある。 3 スーパーや、ドラッグストアなどに一人で入り、目的の商品がどこにあるか? また、他にどんな物を置いているかが分からない。 何も持たずにレジに並び、レジの人に店員を呼んでもらって、サポートをお願いした。 4 @具体的すぎて何を言っているのかわからない。                                           A声が途切れて聞こえてわからない。                                           B文字が小さすぎて見えない。                                                      C何がほしいか聞いてほしい。でも言葉が途切れてしまう。 @「安い、高い」等、短文で教えてと伝える。                      A周囲の音でかき消され聞こえないので筆談を依頼。                           B拡大鏡や虫眼鏡などないか聞く。あれば借りる。                   Cききたいこと、欲しい商品をメモで渡す。 5 就労相談の場面で、場面緘黙のある方や言葉でのコミュニケーションが苦手な方が、自分の気持ちを言葉にできなくて困られることがあります。 予め質問シートを作成して記入して頂いたり、筆談をしたりする。自分の感情に当てはまる言葉に〇をつけてもらったり、しんどさの度合いを顔の表情と数字を用いて指差ししてもらったこともある。 6 勤務先の給与明細が電子化になり、操作方法よくわからず携帯電話ショップに相談したが、操作方法を教えてもらえず困った。 (近しくないが)知人に頼み、なんとかアクセス方法等がわかり、現在は毎月WEB明細を確認することができている。 7 弁当屋で奥にあるメニューが見えなくて困っていた。 私の姿(障害者)を見た時に、さりげなくメニューを見せてくれた。自然な配慮がうれしかった。 8 @ 焼き肉、焼き鳥、居酒屋(刺身)などの店で注文した盛り合わせの皿がテーブルに置かれてもどの部位かわからないまま食べていた。 A 医療介護施設などで話し合いをするときコロナ禍で人数制限があり手話通訳者を呼びにくかった。 @ 部位の名前を書いた紙を一緒に置いてくれるようになった。                         A UDトークアプリ活用と家族の遠隔テレビ通話の対応を受け入れてもらった。さらに聴覚障害の私にも向き合い、意見を求めてくれて話し合えた。 9 お金を出すのが遅くなる。 親が出す。 10 目の見えない人が自動ドアが分からなくて、おろおろしておられたので、声をかけようか迷った。 その人に声をかけてから、お店の人に対応をたのんだ。 11 多目的トイレに簡易の着替えスペースがほしい。 地面につかないように工夫しながら着替えをした。                                           「支援者や事業者が、障害のある方への対応でどんなことに困ったか? どのように解決したか?」   困ったこと 解決方法 1 足が悪くなり、週2回のゴミ出しができない。買物のためにタクシーが必要。 ・相談事業所に相談して、明石市の要援護者ゴミ戸別収集を依頼した。 ・セブンイレブンの宅配サービスの利用 2 これまでに乗客から、「めんどくさそうな態度をされた」、「遠慮してしまう」、「荷物のように雑に扱われた」、「健常者を優先した」などの意見をいただいた。 サービス介助士2級の資格を持つ職員が25人いる。有資格の職員が、資格を持っていない職員に車いす利用者の対応について、助言や注意点などを指導する研修をしている。  3 とまどいや疑問に近い感覚だが、配慮を強く求める人ほど他者の行動を厳しく指摘する傾向を感じる。「配慮するのに何でも聞いてもらって当然」の意識がある人に疑問を感じる。 その求める配慮は、なぜ必要なのか、配慮によりどう変わるのかを聞いてみる。  4   民生委員障害者部会では、登録されている障害者の方にHELPタオルを配布し、困ったときに首にかけたり、周囲の人に見ていただき応援依頼ができるようにしている。 5 高齢者や障害のある人と集まり、童謡や唱歌をみんなで歌うとき、障害のある方は車いす等でトイレを使う場合、私たちは資格がないために手助けができない。 難しい問題がたくさんある。 6 当事者と家族の考え方の違い。 家族間で話合いを設ける。当事者がどうしていきたいと思っているのか確認する。 7 なかなか言葉が出ない人に、どのように気持ちや状況を確認したらよいのか困ることがある。 どんな方法が良いか聞くと「言えないけれど書ける」「選択できる」と教えてもらったことがきっかけで、コミュニケーションを取りやすい方法を選んでもらっている。 8 目に見えて分かりやすい障がいの場合はまだ配慮や対応が行いやすい。                                一方で、見えないところで生活上の支障を抱えている人もいて、「何に困っているか分からないこと」がお客さんと接するときに最大の支障であると考えている。 自分自身がコロナになって入院した。その後も後遺症などで通院をしていたが、SNSでその状況を伝え続けていると「実は自分もこんな病気や障がいを抱えている」とカミングアウトしてくれることが増えてきた。            多くの人は相手に気を使い、「こういうことで困っています」となかなか言えない。内面的なことを伝えやすい関係性を作るには、自分もこういう困難があるという「自己開示」をすることや、こういう人もおられるという例示をすることも有用だと思う。 私たちは、お店に行ってから何かを買うこともあれば、調べてから店に行くこともある。その行動の動機に、障がいの有無は関係ない。すべての人が買い物をしやすい、生活をしやすいだけでなく、「買い物が楽しい、生活が楽しい」という水準を目指すことがインクルーシブの理念であると思う。物理的な配慮だけではなく、困っていることを伝えやすい心理的な関係性づくりを浸透させてほしい。 9 聴覚障害がある人に、必要な持ち物等を筆談で端的に表現、再度確認するよう心がけている。本人の解釈や自己判断で必要な内容が省略されてしまうケースがある。 対応時の書類に「必須事項を書き込み」本人に控えを渡す。本人と対応した人が内容を共有するようパソコンに入力する。対応した人以外が閲覧しても、同じ内容で案内・説明ができるようにした。 10 困っているかどうか分からず、声をかけにくいことがある。   11 予定の変更にすぐ対応できない。 本人がわかるもの、絵、写真、言葉を見てもらって説明する。具体的な見通しがあると安心して動けるため。 12 目の見えない人が銀行の前で困った様子だった。 声をかけたら、自転車が邪魔で中に入れないとのことだったので、自転車を動かすと入ることができた。     「今後、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指して 取り組みたいことは?」   自主的に取り組みたいこと 行政と連携して取り組みたいこと 1 こころの悩みを持つ方の相談場所としてこころやすらぐひろばを継続したい。 心の悩みを持つ方へのメールでの相談窓口を継続したい。 行政が精神疾患の啓発活動をする際に、精神障害者を持つ親が経験談を述べて、精神障害への理解を深めてもらうための一助となりたい。 精神障害者相談員として、今後も継続的に活動したい。 2 郵便局やその他の事業者からの宅配便の不在配達について困っている人が多い。                   多くの視覚障害者は不在配達票が届いていることが分からない、分かっても再配達の手続きが難しい、という状況がある。希望すれば郵便局は「点字不在配達通知カード」を入れてくれるが、点字が読めない人も多い。事前に住所、氏名、電話番号を配達事業者に登録して、不在配達があれば本人に電話で連絡してもらう方法ができると助かる。不在配達にはQRコードがついているものもあるが、スマートフォンなどを持っていない障害者には手続きが難しい。電話でのやりとりであれば、利用しやすくなる。この取り組みは、視覚障害者団体としてだけでなく、行政と連携してできたらと思う。 3 楽しさを共有する。障がい者仲間とだけではなく、一般の人達の中に入って、楽しい活動で一体感・達成感を共有する。 (インクルーシブ)をテーマにしたイベントを作りたい。「できないでしょうから…」では無く「やりましょう…!」が、これからの方向だと思う。 4  運転手の態度や言葉遣いから、障害のある方が遠慮されている現状がある。障害のある人も、そうでない人も平等に乗車できるようにしなければならない。「介助してあげる」ではなく、「お手伝いさせていただく」の心構えをもつように、職員に指導や教育をしていきたい。 車いすを利用する人で介助が必要や、乗降時に配慮が必要な人とバス事業者が乗降体験や意見交換できる場を行政と連携して作りたい。 5 社会的配慮が必要な方に対して、良く思っていない人もいると思う。なぜそう思われているのか?何がきっかけなのかをアンケート方式などで知りたい。この部分を見ないふりをしていたら、「だれもが暮らしやすいまち」は何か難しと思う。 旅行先などでよくある「〇〇体験(着付けやその時代の生活体験等)」と同じような考えで、「高齢者体験」「車いす」「聴覚」「視覚」等の装備等つけて体験できるカフェがあれば面白い。店員は当事者であれば、なお良いと思う。研修等でかしこまるより、カフェという非日常での空間は、より当事者に話しかけやすく実体験することで意識が近づくのではないか。 6 普段からの声かけ等で私を知っていただくよう、あいさつしたりしています 歩道の段差が気になります。車椅子を利用されている方には大変だなと思います。 なくすことは難しいのでしょうか。少しでも考えていただきたいものです。 7 障害者、高齢者に集って共にレクリエーションを自然の中で実施したい。(今後も実施したい) 11月に金ヶ崎自然公園で交流を予定していたが、市との調整がうまくいかなかった。市や社会福祉協議会は、実施しやすいように協力してほしい。 8 自治会の活動になるべく参加する。 9 障害児、者の人がいたら、見守る、気にかける。 10 市民として「道を聞かれたら丁寧に案内する」「電車やバスの座席を譲り合う」「困っている方がいたら声をかける」など当たり前のことですが取り組みます。また、子どもたちにも行動を起こせるように声掛けを行います。  就労支援を行う事業所として、働く場所を広げるため、「障害のある方が働くこと」について知っていただくことの啓蒙活動(勉強会やセミナーなど)や就労系の福祉事業所の見学会など、連携して行いたい。 実際に「みんなの給食」事業に参加して、参加者の方に「障害とは」「こんな風に働いています」という紹介をしている。 11 可能な範囲でのボランティア活動。 各種申請等の電子化が進む一方で操作方法に不慣れな方が取り残されつつあるため、月1回程度「スマホ・タブレットの使い方相談会」の機会を設ける。内容は、「導入促進、基本操作を含む個々の問題解決に向けた操作方法をレクチャーする」イベント。 12 病院、在宅、学校などに出向き、困っている方々の為に、話をしたり、悩みを聞いたりする場を設ける。 どんな障がい者であっても全てを諦めるのではなく、未だ外出する事を躊躇されている人達が多い中、1人でも多くの当事者のサポートをしていく。 13 まちのカフェやBARを通してボランティアの枠にとらわれないコミュニケーション重視のサイレントイベントできこえる人ときこえない人の居場所づくり。 きこえる子どもがろう者・手話とふれあえるイベントや、ろう学校の生徒たちとの合同遠足などの機会づくりをもっと増やしたい。「障害者の枠」を越えて多様な人と社会で共生することの「あたりまえ」を体感してもらいたい。(もちろん大人も参加できる) 14 地域の集会室を借り、育成会のまねっこ隊に入っていただき、主に役員の方だけでしたが、みなさんが「知らんことばっかりやったな」との声がありました。一歩前進できた。 15 障害者だけでなく、健常者も一緒に活動しないと、なかなか分かってもらえないと思う。 16 駅前で進む方向が分からなくなった白杖の方に何度かお会いしたが、声掛けをして案内をしました。 困っている人を見かけたら声をかけようと思う。 障害を持つ人それぞれの思いや、どのように対応をすればいいのかを事業者に周知出来るようにしたい。   1